かをのひとりごと

かをのひとりごと

2007.10.27
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カテゴリ: 斜め45℃の小説
メイドとカジノの華麗なる融合を目指した「メイドカジノ」がオープンした

獲得したチップの枚数に応じて様々な「お楽しみイベント」を行なうというルールだ

中でも注目は、チップ10万枚で交換できるプレミアチケット「メイドさんと半日デート券」だ
カワイイメイドさんとデートができるかも?
と、話題が話題を呼び、連日連夜大いに盛り上がっていた
そんな中、1人の男が現れた・・・

「国王(ここでは店長のことをこう呼ぶ)またアイツが現れました」
事務所に飛び込んできた男が椅子に座っていた王様ひげの男に報告をした


アイツとは、最近現れた客の事で
金持ちのボンボンなのか、一度に大量のチップを購入した後、必ずルーレットの赤に賭け
勝つまでやり続けた挙句、連日「メイドさんと半日デート券」をかっさらっていく男のことだ

店側としてはチップを買ってもらえば利益にはなるが
めったに出ないはずのプレミアチケットを連日出されては他の客が興味を失い
結果的に、経営が成り立たなくなる恐れが出てくるのだった

「しかしアイツの暴挙も今日で終わりだ」
そう言うと国王は1人の女性を事務所に招き入れた
「彼女はリオ君と言って本物のディーラーをやっとったそうじゃ」

「私にすべてお任せください」
リオは自信満々に言った


「本日のルーレットには新人のリオさんが登場します!みなさんはりきってお出迎えしてあげてください」
案内の後、早速リオは泣きそうになりながらルーレットを回していたメイドさんと交代した
リオは綺麗な顔立ちもそうだが、
グラビアアイドルとしてでも十分やっていけそうなスタイルも持ち合わせており
男達の視線が一気に向けられた

「ツンデレキャラ萌え~!!」

「おや、メイドさんが代わったね、じゃあ今日の相手はキミってことか」
アイツが不敵につぶやく
リオも反撃とばかりに言い放つ
「今日はあんたに引導を渡しに来たのさ!」

かくして
リオとアイツの勝負が始まった
アイツはいつもどおりチップを赤に賭ける
が、
止まったのは黒の2だった

「やるネエ、でも勝負はこれからだよ」
アイツはそう言うとまたまた大量のチップを購入し赤に賭けた
が、
またしても止まったのは黒の2だった
その後
何回やってもルーレットの玉は赤に落ちる事はなかった

ざわざわ・・・
「おい、何かおかしくないか?」
ギャラリーたちも事の異常さに気づき始めた
先ほどから、10連続で黒の2で止まっているのだ

アイツがついにキレた
「おいっ!何かイカサマやってるんだろう」

リオは言った
「私ほどの腕になると好きなところで止められるのさ
 アンタが赤にしか賭けないから私は黒の2に玉を落とし続けただけの話よ」

「なかなか楽しい人ですね」
いつの間にか、アイツの後にカンガルーの着ぐるみが立っており
リオに勝負を持ちかけてきた
「次で最後の勝負にしませんか?我々が負けたら2度とこの店には来ません
 ただしこちらが勝った場合、無条件であなたを店外デートにさそいます」
「更に条件をもう一つ!あなたが玉をほおってから、我々に賭けさせて下さい。いいですね?」

何者だ?声の感じからして中には男が入っているようだが???
しかしいろいろ考えていても仕方が無い
「望むところよ!」
リオは自信満々であの場所に玉をほおった

「それでは、これで今までの分をゼロに戻させてもらいましょう」
カンガルーの着ぐるみは0に賭けた

ざわざわ・・・
「そんなとこくるはず無いよな」
ギャラリーが口々に意見を述べていた
しかし、リオの表情は険しい
そして、
玉は0に落ちた

「ハーハハハ!なかなか面白い見世物でしたよ、それではまた会いましょう」
着ぐるみとアイツは高笑いしながら去っていった

「あの男に・・・勝ちたいっ!!」
初めての敗北にリオはいつまでも肩を震わせていた・・・







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最終更新日  2007.10.28 02:25:54
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