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****************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************銀魂編15★★★「レディを待たせるなんて最低アルよ、この眼鏡!!」 近隣界隈まで響き渡る、特徴的な語尾の誹謗中傷。 侮辱罪に引っかからないか不安になるほど、口調は荒い。「あーごめんごめんすぐ行くから!」 新八は慣れた様子で、適当にあしらう。 手にしていたらしい袋を懐に忍ばせ、「えっと、じゃあ済みませんが姉上、それから山崎さん、僕はここで失礼を――、」 がっつり。 頭を下げようとした新八は、腕の重みに固まった。 にこにこにこにこ… 笑っているお妙さん。 にこにこにこにこ… こちらも、笑っている、翠さん。 新八の腕を、堅く握り締めている様は、ちょっとそういう類の妖怪にも見える。「……あの、何ですか、この腕」 新八は、おそるおそる聞いてみた。「左腕です!」 にっこりと即答する翠さん。「見れば判るよそんなこたァ! じゃなくて、何で僕の腕握ってんですか!?」「わーい新八につっこまれたー」「聞けよ人の話!」 新八は、相手が真撰組の人間であることも忘れ、声を張り上げた。「本当もう、あの子怒らすと僕が大変なんですから! え? 何!?」 手招きをする翠さんに、一応、耳を寄せる。 ふきこまれた言葉は。「……はぁぁぁぁ!?」「いやあ、はっは」「えぇぇぇぇぇぇ!?」「いいじゃない新ちゃん、お世話になった方だし」「あぁぁぁぁぁ…」 やっちまった、という顔で、新八はうなだれた。 仕方ない。 巻きこまれキャラの運命である。「何してるアルか!!」 遂に塀を乗り越えて進入してきた相手に、翠さんは、にへらと手を振った。「どうも、お世話になりまっす!」 赤いチャイナ服に、淡い桃色の髪の少女。 右手に日傘。 左手には、自身の乗っている、巨大な犬の毛―― そんな彼女、神楽は、きょとんとした。「誰、この人?」 聞かれて、新八は嘆息した。「真撰組の新しい人。町案内してほしいんだってさ」「宜しくお願いしまっす!!」 とどめに深く笑みを刻む翠さん。 新八は、そんな彼女と神楽と、ついでに姉上を見渡して、一波乱起こりそうな予感に、なんだか泣きたくなった。
2005.01.12
銀魂編14**************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************** がつがつがつがつ……。 井上さんの顎が激しく上下する。 がつがつがつがつ……。 沖田さんの口がすばらしい速さで閉開する。 ほろほろほろ……。 その側で、雨雲をしょった山崎が体育座りで涙をこぼす。「……お前らは……?」 更にその側に立っているのは……。 ―――ばしんっ!!「ぐはあっ」 井上さんは突然の後頭部の衝撃に、くわえていた肉を吐き落としてしまった。「ああっ、もったいない!!」 それはいい。 土にまみれた肉の前にしゃがみこみ、くやしさのあまり。拳を握め、震える井上さんに長く伸びる影。 一体……。 と、その影に近づく人物が……。 スラリ…… 硬質な刃物が抜かれる音。 「……俺の肉に何するんでぃ」 井上さんの前に、肉をはたき落とされた沖田さんであった。 その目は手に持たれている刀以上にぎらぎらと輝いている。「お、沖田さぁん……!!」 井上さんはようやく肉から目を離した。 さらわれたヒロインの如く、沖田さんの方を振り返る。 ……と、ようやく、自分の後頭部へ張り手を与えた人物と目があった。 しばし、固まる。 張り……手? 目があった……? 真っ白な指の分かれ目すら見られない手。 まつげがきっちり3本生えた丸い大きな目。「エリザベス……」
2005.01.11
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