風見恭志朗のM.o.E日記
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夜が明けた 初夏とはいえ 森での朝はけっこう冷え込むふと気がつけば もう起きて焚き火に薪をくべているゲチの姿が見えた寝袋から這い出し 声をかけたキース「よお 早いな」ゲチ「お前が遅いだけだ セリスやゾロはもうとっくに起きてるぜ」そう言われてみるとゾロの姿が見えない恐らくセリスの尻でも追っかけているのだろうしばらくすると セリスとゾロが薪を持って帰って来たゾロはすっかりコマ使いのような扱いだゲチ「さぁ 朝飯食ったらすぐに出発するぞ」そう言うと 鍋に雑に切った材料(たぶん洗ってない)を入れ始めるセリスはセリスで自分の分だけ料理を始める俺達は持ってきた保存食で我慢する事にしたキース「ほし肉だけじゃ なんか食った気がしないな」ゾロ「セリスさんの手料理が食べたいな~」セリス「いいわよ」ゾロ「マジすか♪」セリス「えぇ もちろんよ 1食15ガメル程頂くけど」ゾロ&キース「・・・」ゲチ「本当に金が好きなんだな セリスは」などと朝食を済まし いざ 遺跡へ出発・・・ 数刻と経たないうちに目的の遺跡へ到着初めての冒険だが こんなに簡単に事が運んでいいのだろうか?ゲチ「さて 問題のゴブリン共だが 遺跡の地下の居住区後にいるらしい」セリス「え~ 地下ですって私の服が汚れるじゃないの」ゾロ「この俺が最初に進んで蜘蛛の巣など取り除きましょうお嬢さん」キース「それより 罠などに気を配れよ Σ(ツッコミ)」シーフであるゾロが先頭を行く事になり 次にファイターの俺レンジャーのセリスがその後ろ 最後尾に魔術師のゲチこの隊列で進む事になったゾロ「俺が立ち止まったら 静かにしてジッとしててもらうぜ」キース「あぁ 罠だけじゃなく索敵にも気をつけろよ」セリス「野蛮な事はあんた達に任せたわ」ゲチ「まぁ 苦戦するような事はないと思うがな」入り口から入ってすぐに 奴等の痕跡を発見した鶏かなにかの骨のようだ 近隣の村から盗んできたのだろうゾロ「ふむ 罠なんかは全然見当たらないな」キース「ところどころ松明なんかで明かりも確保されてるし」セリス「なんか危機感がない感じね 相当頭の悪いゴブリンみたいね」ゲチ「・・・」奥へ進んでいくと かなり開けた場所に出た居住区後とはここの事か? 振り返るとゲチが居ないキース「あれ? ゲチが居ないぞ」ゾロ「はぐれたのか? ケッ いい大人が迷子かよ」セリス「違うわね 私に気配を察知されないでいなくなるなんて」???「クックック 今回の生贄は3人か」キース「なにっ 誰だ!?」セリス「ハメられたわ 退路が断たれてる」ゾロ「げっ あの野郎 俺達を売りやがったのか」???「アイツはいい仕事をする 駆け出しの冒険者か これなら居なくなっても誰も不思議に思わないな」キース「ちっ お前は誰で何が目的だ?」セリス「生贄とか言ってたわね あんた危ない宗教の人かしら?」???「ふふふ 私は偉大なる神の使い 暗黒神官のロカンだ」ゾロ「うわ~危ない奴だな 自分で神の使いとか言ってるし」ロカン「この馬鹿者め 偉大なる神のお力を甘く見おって」左手で合図をすると 武器を持ったゴブリンが7体現れたゴブリン「ゴブッ ゴブゴブ」キース「ちっ やる気か」ロカン「神に捧げる生贄だ 生きたまま捕らえろ」ゴブリン共「ゴブブ~!!」ゾロ「やるしかないようだな」セリス「はぁ 鬱陶しいわね」戦闘開始だ 俺とゾロは剣を抜き放ち真正面からゴブリンを迎え撃つ セリスは弓を構えているゾロ「まずは俺の攻撃だ」刀とダガーの二刀流で 目の前の手斧を持ったゴブリンに切りつける不意打ちでかなりの手傷を負わせるその隙を見逃さずに セリスが矢を射るそれが止めとなり ゴブリンAが倒れ伏すこれでゴブリン共は動揺し 動きに乱れが生じた俺も大剣を構え 渾身の力を込めて振り下ろす一匹 また一匹と 対して苦労せずゴブリン達は次々と倒されていった残りはロカンと立ち塞がる2匹のゴブリンだゾロ「無駄な抵抗はよしな」セリス「出すもの出せば命まではとらないわよ?」キース「おいおい」ロカン「ふははは 馬鹿者共が お前達はここで死ぬ!!」魔力が迸る 荒れ狂う雷撃が一直線に俺達を突き抜けるキース「ぐあっ」(抵抗に失敗 大ダメージ)ゾロ「うぐっ」(抵抗に失敗 大ダメージ 瀕死)セリス「きゃっ」(抵抗に成功 しかしかなりのダメージ)ゴブリン「ゴ… ゴブッ」(巻き込まれた2匹とも死亡)キース「くそ 仲間ごと打つかよ」ゾロ「汚ぇ奴… ぐっ」セリス「・・・」ロカン「こういう時の為の使い捨ての壁なのだよ ゴブリン共は いくらでも補充できる 優れた道具なのだよ くははは」あと一撃でも喰らえば間違いなく死ぬ俺とゾロはもう動けない 奴に近づく前に魔法で止めを刺されるだろうもはやここまでかと思われたその時セリス「おしゃべりな男は嫌いなのよね」放った矢が口の中に命中したロカン「ガベッ!!」なんとか歯で食い止めたようで致命傷には至らなかったが口の中を負傷した所為で奴は魔法が使えなくなったようだロカンの顔は見る見るうちに青ざめていったキース「ふっ どうやら形勢逆転したようだな」ゾロ「瀕死の俺でも魔法の使えない魔術師なんて敵じゃないな」セリス「さぁ お宝わたしてもらいましょうか?」ロカン「ろ ろうか いのひらけはおたふへを~」なんとか俺達は勝利を得る事が出来た が冒険者としては完全に経験不足だったと言うほか無い酷い初仕事だった 危うく死に掛けたし俺達の力で勝てたわけでもないセリス「分け前は 私が6 あんた等で2と2 文句ある?」ゾロ「いえ 滅相も無い」キース「いや… ない」セリス「はぁ めぼしい物は全部お金に変えたけどあいつ貧乏ね」ゾロ「一応 ファリス神殿に引き渡して懸賞金もらったがこれぽっちとは」キース「それよりも 俺達を売ったゲチがまさか 指名手配されてるとはな」セリス「魔法で顔を変えてたとわね 私としたことが勿体無い」一同「・・・」「右の者を捕らえた者には10000ガメルを与える 生死問わず 暗黒神官ゲチ」ゾロ「ロカンは懸賞金が たったの100ガメル」キース「こんな奴ですら死に掛けたのに それよりも高位の暗黒神官か…」セリス「私を騙して売った男 ゆるせないわ メラメラ」復讐に燃えているのか 10000ガメルにつられているのか 目が燃えているキース「俺達は 仕事探しながら この町で ぶらつくつもりだけど あんたはどうするんだセリス?」セリス「私はあんたらを仲間だと思った事は無いわ 一人で進むわ」ゾロ「そんな~ 俺達の仲じゃない 楽しくやろうよ~」セリス「馴れ馴れしいわね 足手まといなのよ」キース「ゾロ 諦めろ そいつは金だけが友みたいだ」セリス「その通りよ お金だけは私を裏切ったりしない そういうわけだから あんた達はあんた達で達者にね」そういうと もの凄い速さで去っていったゾロ「おい いいのか?」キース「ん? なんでだ 惚れてたのはお前だろ」ゾロ「いや お前財布取られてんのに余裕だから」キース「!? あんにゃろう許さん!!」全力で追いかける 女の細足と舐めて掛かったがエルフの敏捷さに適う筈も無く 女は俺の財布と共に消えた…キース「くそっ これからどうすりゃいいんだ」ゾロ「身体さえあればいくらでも稼ぐ方法はあんだろ 達者でな」キース「あっ? 何を言い出すんだ」ゾロ「俺はセリスさんの事が忘れられん 友よさらばだっ」走り去る後姿 見守る俺 あきれ果てて思考回路が麻痺していた旅費は0 友は去り 仕事も無い これは絶体絶命のピンチじゃないの?明日はあるのか!?つづく
2008.01.16
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