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2017.11.04
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カテゴリ: 音楽




『音楽と夕暮をめぐる五つの物語』という副題に惹かれ短編集を購入。タイトルは「夜想曲集」。

読んでみると、主役は、全盛期を過ぎた老歌手、芽の出ないギタリスト、才能はあるが顔が不細工でブレイクしないサックス奏者・・・と、どれも華々しさからはかけ離れた音楽家達だ。音楽家を通して人生の夕暮の風景を描いている。

カズオ・イシグロがノーベル賞を受賞した時に彼のプロフィールを紹介するTV番組を見ていたら、ロングヘアにジーパン姿の若い頃の彼の写真が映し出された。その映像に合わせて『ロックミュージシャンを目指して・・・』といったナレーションが流れた。カズオ・イシグロは音楽家になろうと志していたのか・・・。知らなかった。しかしその夢がやぶれて作家の道に進んだのだ。短編集の一編「モールバンヒルズ」に出てくる芽の出ないギタリストの日々は、自らの体験からヒントを得たのかもしれない。

音楽家は、他の分野のアーチストに比べて、華々しさや晴れがましさがつきまとう。自らの音楽テクニックを聴衆の前でプレゼンして感情に訴え拍手をもらうのだから・・・。そのためにはテクニックのみならず、外見も大切になる。本のタイトルにもなっている一編「夜想曲」のサックス奏者は、妻から整形手術を受けるよう言われ、整形手術で病院に入院した際に起こった出来事を綴った作品だ。

私も音楽が大好きで、あらゆるジャンルの曲を聴き、たまにはギターの弾き語りや、バンド演奏を人前でやったりもする。音楽に目覚めたのは、小学校5年生のレコード鑑賞の授業でチャイコフスキーのバレー組曲「くるみ割り人形」を聴いたときだったから、もう半世紀も音楽に浸って人生を送ってきた。
プロになろうと思ったことはなかった。でもそれでよかったのだと、このカズオ・イシグロの短編集をよんで改めて思った。才能あるミュージシャンの作品や演奏に耳を傾け、感動したり涙腺を刺激されたりするのが一番だよね。

「夜想曲集」は、秋の夜長にページをめくるのにいい本であります。

最後に一句。  「  音楽と  カズオ・イシグロ  秋の夜  」





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最終更新日  2017.11.04 17:35:44
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