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2018.06.09
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カテゴリ: 音楽




光文社新書で一度読んだ本かもしれない。でも、 本屋で見てまた 読みたくなって購入。一気に読了。

私がクラシック少年だった頃に慣れ親しんだ指揮者が続々登場。しかも名演奏例として今でも持っているLPレコードがしばしば出てくるので、読んだだけで演奏が想像できて楽しい。
また、よくここまで音の世界を文章で雄弁に表現できるよなあ・・・と感心してしまう。筆力がある。

取り上げられている名演のいくつかを紹介すると・・・・

①カール・リヒターの「マタイ受難曲」
『もしも、カール・リヒターがいなかったら、今日、日本でこれほどまでにバッハが愛好されること  はなかったかもしれない。・・・・リヒターが1969年に初めて来日したときの公演に、異常な衝撃を受けたのである。・・・・人々を魂の根底から揺さぶった大事件だったことがわかる。』

②カルロ・マリア・ジュリーニの「ブルックナー交響曲第9番」


③ゲオルグ・ショルティの「マーラー交響曲第1番」
『ショルティの演奏では、金管楽器が朗々と鳴り響き、チェロやコントラバスは遠慮なくぐりぐりと弾く。音楽は高らかに鳴り響き力一杯駆ける。オーケストラの楽員たちはギリギリまで能力を引き出され、迫力ある演奏が展開される。いわば、健全な肉体性の音楽なのだ。・・・・
マーラーの交響曲第1番は、わけてもフィナーレが文句なくいい。最高にダイナミックで、まったく危なげがなく、力強く突進する。そのくせゆっくりした部分ではきわめて滑らかだ。暑苦しさはまったくない。 』

④ロヴロ・フォン・マタチッチの「ブルックナー交響曲第5番」
『彼の音楽は、いかなる感傷も捨て去った、生物的というよりは鉱物的な音楽である。
代表作、ブルックナーの交響曲第5番を聴けば、何憚ることのない強靭な鳴りっぷりに肝をつぶすかもしれない。絵にたとえるなら、透明な色彩感の水彩画ではなく、官能的な色調の油彩画でもなく、殴りつけるようなたくましいタッチで描かれたデッサンといえるだろう。』

⑤ジョージ・セルの「ヴォルザーク交響曲第8番」
『あくまで品格があり、堂々としており、危なげがない。いかにも壮麗な交響作品を聴いているという気がしてくる。・・・最晩年の録音だけになんとはなしに漂う寂しげな情感がとても印象に残る。・・・ともかくドヴォルザークをこれほどまでに均整のとれたすらりとした姿で息を呑むような洗練を持って演奏できた指揮者は空前絶後ではなかろうか。』

ちょっと引用が長くなったが、上記の演奏を知っている人には、なるほどとうなずける解説だと思う。まして私など、上記の5つの演奏はすべてLPレコードかCDで持っているのだ。

ひさしぶりにクラシックに身を浸そうかと思いきや、LPレコードを聴くためのターンテーブルはもはやない。しかもCDプレイヤーは故障中。聴くすべなし。とほほ。脳裏に刻まれた名演奏を思い出しながら梅雨の週末を過ごすとするか。

最後に一句。  「  梅雨に聴く   バッハ マーラー   ブルックナー  」





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最終更新日  2018.06.10 09:41:04
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