2015.01.12
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カテゴリ: 読書
《送料無料》新編水上勉全集 第2巻

《送料無料》新編水上勉全集 第2巻
価格:5,662円(税込、送料込)





備忘録として。

放っておくと、2度も同じ本を買いかねない人間なので。

連城三紀彦のお勧め 水上勉の「那智滝情死考」を読みました。

 自殺の名所である那智滝の宮司が、情死した人間の覚え書きを取っていたという

体裁で始まります。

4組の男女が情死に至るまでを描かれているのですが、

時代の色が濃く、

「ああ、日本にもこんなに貧しい時代があったなあ、、、」と



一口に「情死」といっても、事情は様々。

いわゆる、この世で結ばれない男女が世をはかなんで、、、というよりは

貧困と病苦で行き詰まり、やむにやまれず、

気心の知れた相手とこの世を去る、というものが多かったのでしょうか?

実際は判りませんが。

熟慮の末の結果もあれば、若者の発作的な行動であったり、

無理心中とも思われたり。

芸妓・女工さん・女中さん上がりの大寺の奥様、

理髪店の職人、教師崩れ、クリーニング店の店員、輪島塗の職人、

彼らの日常と苦悩が細かく描き出されています。

まだ、結核が不治の病の時代ですね。



読後も「どういうことだったのだろう?」と考えてしまいました。

 印象的だったのは分校の教師と、教え子の挿話。

不登校の児童を、必死で復学させ、見事に自立させたのに、、、という

皮肉で悲しい話です。





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最終更新日  2021.01.09 12:07:13
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