心の赴くままに

心の赴くままに

PR

Profile

kishiym

kishiym

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2024.04.03
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 レビー小体は異常なたんぱく質が脳の神経細胞内にたまったものです。
 主に脳幹に現れるとパーキンソン病になり、大脳皮質にまで広く及ぶとレビー小体型認知症になります。
 ”レビー小体型認知症とか何か 患者と医師が語りつくしてわかったこと”(2023年12月 筑摩書房刊 樋口直美/内門大丈著)を読みました。
 50歳で若年型レビー小体型認知症と診断された著者の一人とこの病気に精通する医師との共著で、誰もが知っておくべきことを解説しています。
 レビー小体が神経細胞を傷つけ壊してしまいますので、結果として認知症になります。
 レビー小体が現れる原因は、脳の年齢的な変化と考えられています。
 脳の神経細胞が徐々に減っていき、特に記憶に関連した側頭葉と情報処理をする後頭葉が萎縮するため幻視が出やすいと考えられています。
 ただし、はっきりした原因は今のところ十分にわかっていません。
 わが国のレビー小体型認知症の人は、約60万人以上いると推定されています。
 65歳以上の高齢者に多くみられますが、40~50歳代も少なくありません。
 幻視や認知機能の変動と並び、初期のうちからパーキンソン症状がよくみられます。
 手足が震える、動きが遅くなる、表情が乏しくなる、ボソボソと話す、筋肉・関節が固くなる、姿勢が悪くなる、歩きづらくなる、転倒しやすくなるなど、身体にさまざまな症状が生じます。
 樋口直美さんは1962年生まれ、50歳でレビー小体型認知症と診断されました。
 41歳でうつ病と誤って診断され、治療で悪化していた6年間がありました。
 多様な脳機能障害のほか、幻覚、嗅覚障害、自律神経症状等もありますが、思考力は保たれ執筆活動を続けています。
 2015年に”私の脳で起こったこと”をブックマン社から上梓し、日本医学ジャーナリスト協会賞書籍部門優秀賞を受賞しました。
 内門大丈さん1970年東京都目黒区生まれ、小学4年生のころ2冊の本に感銘を受け、医者を志すようになったといいます。
 1996年に横浜市立大学医学部を卒業し、2004年横浜市立大学大学院博士課程(精神医学専攻)を修了しました。
 大学院在学中に東京都精神医学総合研究所で神経病理学の研究を行い、2004年より2年間、アメリカのメイヨークリニックに研究留学しました。
 2006年に医療法人積愛会横浜舞岡病院を経て、2008年に横浜南共済病院神経科部長に就任しました。
 2011年に湘南いなほクリニック院長を経て、2022年より医療法人社団彰耀会理事長、メモリーケアクリニック湘南院長、横浜市立大学医学部臨床教授を務めています。
 レビー小体型認知症は、1995年の第1回国際ワークショップで提案された新しい変性性認知症のひとつです。
 日本ではアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症と並び、三大認知症と呼ばれています。
 進行性の認知機能障害に加えて、幻視症状、レム睡眠行動障害とパーキンソン症候群を特徴とする変性性認知症です。
 パーキンソン病と基本的には同じ疾患であり、運動症状が主であればパーキンソン病と診断され、認知症症状が主として出現すればレビー小体型認知症と診断されます。
 原因が基本的に同一であるため両者を併せもつ症例も多いです。
 アルツハイマー型認知症と同様に根治方法はありませんが、理学療法などで症状を改善することはできます。
 長く治療薬がありませんでしたが、2014年にドネペジルが進行抑制作用を認められ、世界初の適応薬として認可されました。
 この本の狙いは、診断された時これがあれば希望が持てると認識できることと、認知症に関わるすべての医師・専門職の誤解を解くことです。
 多くの人が長寿を祝う時代になり、私たちは人生最後の数年を脳や体の病気と共に生きることが当たり前になりました。
 癌は2人に1人がかかる病気ですが、認知症はそれ以上です。
 95歳以上の女性では84%が認知症、それ以外のほぼ全員は軽度認知障害という報告があります。
 それは長寿の結果であって、もう病気とも呼べないかもしれません。
 レビー小体型認知症も診断を受けていないだけで、脳や全身の細胞にレビー小体が溜まっている高齢者は驚くほど多いそうです。
 認知症のイメージは50年前のがんと似ていないでしょうか。
 当時は、癌になったら終わりと思われていました。
 半世紀後の今、治療を受けながら仕事や趣味の活動を続ける人もたくさんいるようになりました。
 著者の一人は50歳の時にレビー小体型認知症と診断され、治療を続けている患者です。
 診断後、自分の病態を観察、記録し、症状は従来の説明は違うということを書き続けてきました。
 当事者を苦しめる、認知症やレビー小体型認知症に被せられたどす黒いイメージを変えたいといいます。
 医療者が外から見て解説してきた症状と、自分で体験する症状にはズレがありました。
 病名が知られていくと同時に、誤解も広がっていきました。
 その誤解は、診断された本人や家族から希望を奪い、治療やケアの不適切さを覆い隠し病状を悪化させてしまいます。
 この本は、そんな誤解を一つひとつ解き、希望を持って生きるための方法と知識を伝える内容になっています。
 もう一人の著者はレビー小体型認知症の患者を大勢診てきた医師です。
 執筆に際しては、診断や治療など医療に関しては専門家にお話を伺う方が良いと考え対談をお願いしたそうです。
 そして長年抱いてきた疑問や本音、患者や家族から伺った切実な悩みの数々をストレートにぶつけ回答をいただきました。
 臨床経験豊かな医師と患者の対談であり、診断や治療に関しても他の本にはない踏み込んだ内容となりました。
 レビー小体型認知症に限らず、脳や神経の病気になっても、老いてできないことが増えていっても、満足して生きていくための道はあります。
 レビー小体病は知識さえあれば素人にも早期発見が可能です。
 早くから適切な治療とケアを受ければ長く良い状態を保つことができ、短命になることもありません。
 実際にはその逆になっている例が多く、この病気は進行が早いからなどと諦められている状況があります。
 しかし、知ってさえいれば避けられる落とし穴に転がり落ちて苦しむことを回避してもらうことが長年の切なる願いであるといいます。
第1章 レビー小体型認知症とは、どんな病気なのか?/第2章 レビー小体病 症状と診断と治療/第3章 パーキンソン病とレビー小体型認知症との関係/第4章 幻覚など多様な症状への対処法/第5章 病気と医師との付き合い方/第6章 最高の治療法とは何か







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.04.03 16:06:18
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: