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May 31, 2005
『KILLER 第一級殺人』
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1995年、アメリカ、ティム・メトカーフ監督、ジェームズ・ウッズ、ロバート・ショーン・レナード。
主人公のカール・パンダラムは1920年代アメリカの実在の人物で、彼は自叙伝で、少年を含む22人の人間を殺害したことを告白したが、そのあまりの凶悪ぶりに全米メディアは沈黙せざるをえず、発刊されたのは1970年になってからでした。
*****************
1929年、米カンザス州北東部にある連邦刑務所に、ユダヤ人新任看守のヘンリー・レッサー(ロバート・ショーン・レナード)が着任した。
レッサーは早速、新たに送られてきた囚人の一人カール・パンズラム(ジェームズ・ウッズ)が、不服従のかどで冷酷な看守グライサーらによって袋叩きにされている場面に出くわした。血だらけのカールを見かねたレッサーは、彼にそっと1ドル札を差し入れた。
カールは、その返礼として、自分がこれまでに犯してきた凶悪な犯行の数々を綴った自叙伝を書くから、それを新聞社に売れと申し出てきた。しかし、囚人に紙や鉛筆を与えることは、明らかな服務規定違反。一度は申し出を断ったレッサーだが、好奇心も手伝って、ある夜、彼に紙と鉛筆を差し入れた。
カールは、刑務所の暗い電灯のもとで、彼が犯罪者となったいきさつを何一つ隠すことなく綴った。
レッサーは、貧しく複雑な境遇ゆえに犯罪に走ったカールが、すさんだ刑務所生活によってより一層凶悪さを増していったのだと悟った。少年を含む22人を殺したという、その冷酷な殺人記録に戦慄したレッサーだったが、迷った末にタイプで清書して出版社に送付した。しかし、内容のあまりの衝撃ぶりに、それを発売しようという出版社はついに現れなかった。
また、カールの告白によると、彼が以前いた刑務所では、新任所長のケイシーが、囚人に自立心を養わせるために野球をさせたり、ブラスバンドを組ませたり、さらには囚人単独で町に外出することまで許可しようとしていた。その”実験”のモデル・ケースとして、カールが選ばれた。
ケイシーは失望し、責任を問われて免職となった。
ある日、グライサーは、カールの房から鉛筆を発見し、罰として彼を真っ暗な独房に長期間監禁した。
グライサーらは、鉛筆が誰からの差し入れであるか白状させようとしたが、カールは過酷な拷問にも耐え、ついに口を割らなかった。
独房から出た後、カールはグライサーを撲殺してしまう。
このままでは、裁判で有罪(第一級殺人)となり、カールは間違いなく死刑である。何とか彼を救いたいと考えたレッサーは、高名な精神科医メニンガー博士に相談し、精神異常による免責に持ち込もうとした。だが、カールはあくまでも“殺人鬼"としての極刑を希望し、診断を拒否した。
審判が下り、彼は絞首刑に処せられ、(既に看守を辞職する意思を固めていた)レッサーもカールの希望により最後の瞬間に立ち会った。
ラスト、カールの自叙伝の発刊にこぎつけた老いたレッサーが述べる。
”ユダヤの律法にはこうある。
「人は皆、一度は苦しむ人に手を差し伸べるべきだ」と。
その手は、あなたではなければ誰であろう?
今でないなら、いつであろう?”
カールの行動には一見不可解なものが多いです。
・なぜ、彼は自叙伝を書いたのか?
・なぜ、彼は鉛筆を差し入れた者の名(レッサー)を白状しなかったのか?
・なぜ、彼はグライサーを殺したのか?
・なぜ、彼は死刑を望んだのか?
囚人カール、レッサー看守、そしてケイシー所長は、三人とも同じ考えの持ち主です。
それは、犯罪の根本原因は、不遇、差別、貧困といった社会的要因がメインであり、いかなる凶悪犯といえども更正可能だという考えです。さらに、刑務所の劣悪な環境が、犯罪の再生産・凶悪化の場になっているということも。
ですからこの映画は、矛盾を犯罪者に押し付ける【社会(システム)】を糾弾するとともに、犯罪者を虐待する【刑務所】を告発する内容ともなっています。
このことを念頭におけば、上のカールの一見不可解な言動も理解できるようになります。
・自叙伝を書いたのは、社会や刑務所を糾弾・告発するため。
・白状しなかったのは、ケイシーのような刑務所改革者としてのレッサーの将来に禍根を残したくなかったから。
・グライサーを殺したのは、グライサーにレッサーの刑務所改革の邪魔をして欲しくなかったから。
・死刑を望んだのは、レッサーに「正義」というものの厳しさを教え込むため。
・レッサーを立ち会わせたのは、こんなバカな人生を送らせるのは俺で最後にしろと、レッサーの刑務所改革の意思をより強固にさせるため。
カールがレッサーを庇護したのは、ケイシー所長の期待を裏切ったことに対する罪滅ぼしという側面と、刑務所の改革の芽を潰したくなかったいう側面があったのでしょう。
レッサーが看守を辞任することを知って、カールは激怒します。そして、「グライサーを殺したのは、お前のためだったのだ」とレッサーに告げます。カールとしては、レッサーに出世してもらって刑務所を改革してもらうという、命をかけた計画が水泡に帰するような思いがしたのでしょう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
1990年代に入り、いわゆる「刑務所映画」とでも称すべき作品が隆盛してきましたが、同ジャンルのそれ以前の名作といえば、『パピヨン』(1973年、スティーブ・マックウィーン)、『ミッドナイド・エクスプレス』(1978年、ブラッド・ディビス)、『アルカトラズからの脱出』(1979年、クリント・イーストウッド)でしょう。とりわけ私は『アルカトラズ』が好きで、終始緊張感に溢れた雰囲気や、イーストウッドのクールな演技は、映画ファンとしてたまらないものがあります。ただ、『パピヨン』にしても『アルカトラズ』にしても、刑務所そのものを社会的観点から表現したものではなく、前者は『大脱走』以来の、後者は「マカロニ・ウェスタン」で培った役者の演技を主体とした”脱走モノ”ですね。
対して、90年代以降は、囚人をステレオタイプの快楽殺人者として描くのでもなければ、囚人の脱走によって爽快感を味わうものでもない、刑務所そのものがはらむ問題性を訴えた作品や、社会的観点から刑務所を捉えた作品が出現してきます。
『宣告』(1990年、イタリア、ジャン・マリア・ヴォロンテ)、『告発』(1994年、ケヴィン・ベーコン)、『デッドマン・ウォーキング』(1995年、ショーン・ペン)、『スリーパーズ』(1997年、ブラッド・ピット)、『ハリケーン』(1999年、デンゼル・ワシントン)、『エス』(2001年、ドイツ、モーリッツ・ブライブトロイ)などです。
変り種としては『ショーシャンクの空に』(1994年、ティム・ロビンス)や『グリーンマイル』(1999年、トム・ハンクス)などもありました。
90年代からこのような社会派映画が増えてきた原因としては、やはりM.フーコの『監獄の歴史―監視と処罰』(1975年)の影響が大きかったのでしょう。フーコーは、監獄とともに「狂気」や「性愛」の歴史を独特の手法で読み解き、現在の世の中で「当然、そうあるべきことだ」と思われている規範やルールや価値観といったものが生成してきた現場を分析し、社会に潜む権力とイデオロギーを暴き出し、それらを突き崩したのでした。「刑務所映画」における90年代以降のパラダイムシフトは、フーコー抜きには語れないと思います。
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Last updated Jun 1, 2005 09:22:23 AM
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