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浪漫的狼

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nanaco☆ @ Re:なんと(01/08) 狼さん、お元気です?? その後調子はいか…
浪漫的狼 @ Re[1]:なんと(01/08) nanaco☆さん  わあい。すぐにお返事いた…
nanaco☆ @ Re:なんと(01/08) 狼さん、大変ご無沙汰しております~!!…
wine ガブガブ @ Re:充電します。(04/30) エネルギーが、蓄積されたら、また再開し…
deco7 @ Re:充電します。(04/30) 充電のお役には立ちませんが、遊びに来て…
Oct 5, 2009
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カテゴリ: 創作の部屋






【連載題15回】

 遼介は「お祖母ちゃんの出所」ということで、かなり古い民家のようなイメージを持ってい

たが、予想は外れて、そこにはかなりモダンな建物があった。


 もちろん、彼の思っていたような家も嘗てはあったのだろう、その脇の古い家の裏手には古

い納屋か倉庫のような建物も残っている。

 どうやら、跡取りの息子さんが古い家を少し残して新築したのだろう…ということは明かだ

った。


 二人は家の側まで行き、ちょっと見渡してみた。


 青い屋根の古い家の方にも玄関らしいものはあったが、そちらの方にはちょっと人気が感じ

られず、鈴香の足は迷わず新しい家の方に向いた。

 門柱には「Hirano」と彫りつけられた陶板が嵌め込まれていた。

 鈴香は、祖母の旧姓が「平野」であることを確認し、ゆっくりと門柱に取り付けられたドア

フォンを押した。

 と、すぐにそこにあるマイクから「ブチ」っというような音とともに、

 「はあい。」

 と、やや電子音がかった、くぐもった声が聞こえてきた。


 そこには小さなカメラも取り付けられているので、どうやら中では私たちの姿が見えているのだろう。

 鈴香は少し背をかがめると、マイクに向かって言った。


 「こんにちわ。桜井…鈴香です。」


 「はい、ちょっと待っててね。」

 聞こえてきた声は女性のものであった。

そして、中でぱたぱたと廊下を走る音が聞こえてきた。



 車庫には洒落た軽四が停められており、その横には大きなスペースが空いていた。

どうやら、今家にいるのは奥さんだけなのだろうと予想できた。


 それもそのはず、もう9月である。たいていの学校も2学期が始まっているはずで、子ども

がいても、高校生までなら当然学校に行っている時間帯である。御主人も勤め先であることは

想像に難くない。

 「大学生は、夏休みが長くっていいね。」と、今年になって、周囲の人から度々言われる

が、実際に大学生だけがそうなんだ…と鈴香はしみじみ感じていた。



 「ガチャリ」

 玄関の扉が開いて、中から未だ50歳手前だろうか、という年格好の若作りな女性が出てき

た。

 「あ、いらっしゃい。…鈴香ちゃんね。お祖母ちゃんから窺ってますよ。…まあまあ、上が

ってお茶でもどうぞ。」

 「あ、はい。」

 鈴香は、遼介を紹介するとともに、突然の訪問の無礼を詫びたが、奥さんはとてもにこやか

で感じ良く応対してくれた。


 何やら垢抜けていて、人慣れた感じであり、とても専業主婦には見えなかった。

 今日は何か都合でちょうど家にいたのかも知れないな…と遼介は思った。



「お邪魔しまーす。」と言うと、玄関に靴を脱ぎ、限りなく新品に近いスリッパに足を入

れ、しずしずと綺麗な廊下を案内されて歩く。

 鈴香は、「親戚」とは言っても、ちょっと離れると本当に何も知らないんだな…。

 と、そんなことを改め思うのだった。



 小綺麗な居間に案内され、出されたアイスティを飲みながら、そこで暫く雑談などした。部

屋にある家具や置物はどれもセンスの良いものばかりであった。

奥さんは、ちょうど話の切れ目にチラリと時計の方に目をやった。

 何となく、それに急かされるような感じを受け、鈴香は言った。


 「…あの、それで例の『絵』なんですが。」

 「あ、そうね。違う話ばかりしちゃってごめんなさいね。

  隣の、古い母屋の居間に掛けてあると思うわ。」


 何となく、そういうのを待ちかねていたような、ちょっぴりわざとらしい感じで奥さんはす

ぐに立ち上がった。

 「じゃあ。参りましょう。」


 すぐ隣にある家だが、そこに行くには一旦玄関を出てからぐるりと外を回らなければならな

かった。

 隣の家の玄関には門柱も残っていたが、くすんだタイルが剥がれ、下のコンクリートが剥き

出しになっている部分が見える。


 「ごめんなさいね。もう、随分掃除もしてなくて。」

 鍵を開けながら、奥さんは申し訳なさそうに言う。

 「いえいえ。こちらこそ、突然申しわけありません。」


 埃っぽい廊下を少し行くとすぐ左にそれらしい部屋があった。

 「多分、ここにあると思うんだけど」と言いながら、奥さんが板張りの引き戸をガラガラと

空けると、古い応接セットのようなソファーが見える。


 カーテンが閉まったままなので中は暗かったが、すぐに電灯を点けてくれた。


そこは、かなり物置化しているのだろう。奥の方の窓際あたりには雑然と物が積み上げてあ

る。


 鈴香は周囲の壁を見まわしたが、それらしい絵は見付けることができなかった。


 「黒猫の絵だったわよね。確かこの辺りに掛かってたと思うんだけど。」


 奥さんは、そう言いながら隅の方をごそごそとし始める。そこには、横になった絵や掛け物

が数枚乱雑に突っ込んであった。


 暫くして、


 「あ、あったわ、これでしょ。」


 そう言って奥さんが取り出した絵は、簡単な額に入れられたちょうどA3サイズほどの水彩

の絵だった。


 「鈴香ちゃん。子供の頃、お祖母ちゃんに連れられて何回かウチにも来たことがあるから、

  これに見覚えがあったってことかしらね…。長いことこの部屋に掛けられてたんで…こ

  れ。」

 と、奥さんは側にあった黄色いモップ型の雑巾でホコリを払いながら言った。


 「へえ…。」


 差し出されたそのその絵を見て遼介は思わず声を漏らした。


                                      〈続く〉




今朝はぐっと冷えて秋らしい朝です





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Last updated  Oct 5, 2009 06:20:41 AM
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