大学で同じ授業を履修していて偶然お互いにサッカーが好きだとわかり
「じゃあいっしょにワールドカップを観に行こう」
ということになった。
こちらとしては初めての海外でありその同級生に現地のことはお任せと考えていたのだが
ローマに到着した途端
「じゃあこれからはお互い単独行動で」
とほっぽり出されてしまった。
それじゃあ
「いっしょにワールドカップを観に」
行く意味がないじゃん
と思ったがそいつは既に行きたいところなどを決めており別れ別れで行動することになった。
(それ以来そいつとは顔も見たくない間柄になった)
その時に利用したのはエアインディアという航空会社だった。
今のANAのように席ごとにモニターなんてついておらず辛うじて音楽が聴けるくらいだった。
なので機中ではずっと本を読んでいたのだがそれが
「グインサーガ」
だった。
栗本薫氏の著作でスケールの大きなヒロイックファンタジーで強く引き込まれた。
書き始めた栗本氏は
「全100巻で完結」
とぶち上げており1巻から読み始めたときは
「ここからどういう展開になっていくんだろう」
とハラハラドキドキでページをめくり次巻を楽しみに待った。
ところが100巻に近くなっても全く核心に迫る様子が無い。
言ったらまだまだ序章の感じにする。
この時点でも
「100巻で終わるって言ったんだから終えてくれよ
と思っていたがそのうち栗本女史は亡くなってしまった…
第3巻の
「ノスフェラスの戦い」
の混沌の時代で語られていたのは何だったのだろうか?
『ゴーラの僭王』イシュトバーンはいかにして「災いを呼ぶ男」と呼ばれるようになったのか?
一旦はパロを滅ぼす原因となったレムスがどうやって「第三次パロ神聖王国の中興の祖」
と呼ばれるようになったのか?
ちなみに栗本氏が亡くなった後も故人の遺志を受け継ぐ形で?別の作家が続編を書いているが
全く読んでいない。
酷い話だ。
数十年にわたり読み続けたのに。
彼女は完結を送り出すまで死ぬべきでは無かった。
イグレック イグレック
ルールバ ルールバ