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ジャン=ポール・ベルモンドの勇姿が見られた。パパラッチで出川がパリに行き、ベルモンドの自宅を訪ねたのだ。杖を突き片手が不自由のようだが、脳梗塞かなにかやったのだろうか。面影が残る白髪の老人は83歳。とても懐かしく見たが、どんぴしゃりの世代は60代70代の人たちだろう。ウッチャンが言っていたように、イモトのように体張ってやっていた記憶があまりないが、スタントを自らやったということでは先駆者なんだろう。フランス映画界では1960年代から80年代までアラン・ドロンと双璧を成し、二枚目ドロンとブ男ベルモンドで対照的だったが、演技のキレ上手さ人気では二分したといっていいと思う。二人が共演した「ボルサリーノ」は最高の映画だ。ベルモンドの作品は「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」「カトマンズの男」「パルは燃えているか」「007カジノ・ロワイヤル」「暗くなるまでこの恋を」「ボルサリーノ」「ハーフ・ア・チャンス」と見た気がするが、他にもあるかもしれない。イタリア人俳優のリノ・ヴァンチェラともども好きだったなぁ。ウッチャンが言っていたロバート・レッドフォードは、アラン・ドロン同様二枚目で売った俳優で、ドロンの1歳下で80歳。いまだに現役で出演している。「明日に向かって撃て!」で共演したポール・ニューマンと比較されるが、この二人もどちらも好きだったなぁ。ニューマンは2008年に亡くなっている。故人となった大スターは多いけれど、誰か会いたいスターがいるかと考えると特にいないかもしれない。何人かは会ったり見たりしたし、過去の人は故人となってしまっているから。映画の舞台あいさつでオーラを感じたのは夏目雅子だったし、新宿松竹のロビーでオーラというか何とも言えないものすごい威圧感を感じたのは三國連太郎だった。後ろ姿だったけれど熊のように威圧感を感じて誰かと思い前に回ったら三國連太郎だった。二人とも故人だね。東京国際映画祭で外国スターなどもみたけれど、特にこれといった人は思い出せない。同世代のジョディ・フォスターは会ってみたい気がする。男優だと誰だろう。で、思い出した私の映画の初めての恋人ロッサナ・ポデスタ。生きていると思ったら2013年に亡くなっていた。残念。合掌。であれば、オルネラ・ムーティかな。と思いだしたらイザベル・アジャーニやソフィー・マルソーにも会いたくなってきた。マリー・ラフォレもいいな。女優ばかりだな。男優は考えた結果、トム・クルーズとしておこう。やっぱりミーハーだな(笑)
2016.10.09
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(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.ジェイソン・ステイサム主演アクション映画として面白く見た。ジェニファー・ロペスの役どころも重要で面白かった。ニック・ノルティがこの時点でガタイのいい腕っぷしの強い男からでっぷり太った爺さんになっていたのはちょっとショックだった。話はちょっとしたフリーの寄せ集めの強盗犯5人組。100万ドルを山分けの20万ドルを手にするはずだった主犯のリーダーであるパーカー(ジェイソン・ステイサム)はあとの4人がグルで手を切ろうとして殺されてしまう…が!不死身の男パーカーが大きな組織の殺し屋に狙われるも復讐と略奪を遂げようとする。その手助けに乗り出す不動産屋の営業部員レスリー(ジェニファー・ロペス)。彼女は力ともなるが足手まといにも。アクションが随所にあり楽しめた。色気を見せるジェニファー・ロペスも良かった。Netflix にて2013年/アメリカ/118分/PG12監督:ティラー・ハックフォード原作:リチャード・スターク脚本:ジョン・J・マクローリン出演:ジェイソン・ステイサム、ジェニファー・ロペス、ニック・ノルティ、クリフトン・コリンズ・Jr.、ウェンデル・ピアーズ、マイケル・チクリス原題:Parker(「パーカー」)お薦め度「PARKER パーカー」★★★☆(70%)
2022.08.06
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スーザン・サランドン。「ロッキー・ホラー・ショー」「テルマ&ルイーズ」「僕の美しい人だから」で知る素敵な女優だ。久々に見る。【ネタバレあり】この作品を表するにネタを書かないでというのは隔靴掻痒になりすぎるので、ネタバレ覚悟で書く。この作品を見て感動したし、とても印象的な感傷的なシーンもあった。またエモーショナルなところもあった。多分に感情的な作品だと思う、全体的には粛々と進むのだけれど。最晩年、終末期を描いた作品はこれまでもいくつもあった。生きたいと願いながらも病に侵され娘に撮られながら死に往く父をとらえた「エンディングノート」はドキュメンタリーであり、逃れられない近々の死に直面し段取りをする男の矜持を見せてくれた。「92歳のパリジェンヌ」は齢90歳を過ぎ、人生でやり残したことはほぼなく、旧知の友は故人となり、活動できなくなる前に人生を終えたいと考えた女性の実話を映画化した作品だった。まだ生きているかつての恋人に再会し、思い残すことがなくなった彼女は家族の承認を得て旅立っていく。人生の終焉を考える上で、尊厳死を考える一助となる作品だ。これもとても感動した。「世界一キライなあなたに」は正しく尊厳死を題材に扱った作品で、やりたいことをやり終えた後で死をむかえる。物議をかもした作品だが、これも感動の作品であった。これら感動の作品と同じ終末期、最晩年。自ら死を選ぶという本作は悲喜こもごも、感動するところはあれど、しっくりこない、すっきりとしない認めたくはない作品に思えた。それはなぜか?それは主人公と親友との関係にあるのではないだろうか。娘二人は自立し、それぞれの家庭を持ち、一人残る夫に家族同然に接してきた友人との関係を託す。そして、それは主人公の死後ではなく、もう既に関係は始まっていた。左手が使えないながらも自分自身でなにもかもしなければ気が済まない主人公が選択した様々なこと。マリファナをやったり、未成年に飲酒させるなど違法行為をだらだら続けるところが気に食わないのかもしれない。何事も法を守るが、自死に関しては自らの考えを選択するというのなら心情的に寄り添えたのかもしれないが、あらゆることを好き勝手にやって、なりゆきでダダもれのような感じで流れるのが好きじゃないのかもしれない。そして、友と夫に関係を望む。二人は元恋人同士だったという。スーザン・サランドンという素敵な女優に、ケイト・ウィンスレットというスターよりは女優として活動する有名女優と「ジュラシック・パーク」でその名を覚えたサム・ニールと看板俳優が出演している家族劇は舞台演劇のように秘密を明かされることにより七転八倒するコメディ(?)となっている。終幕、主人公の亡骸も葬儀もなく、それぞれが車で去っていく。「ペンギンが教えてくれたこと」も家族劇である。自暴自棄な主人公に気持ちがより添えず、鬱屈しながら見たけれど、鳥を見ながら、不自由な身体ながらカヌーというスポーツに目覚めていく、生きがいを見出していく作品にとても感動した。この「ペンギンが教えてくれたこと」と本作「ブラックバード 家族が家族であるうちに」は対極にある作品なのかもしれない。きしくもペンギン(鳥)とバード(鳥)だなぁ。 ちなみに、Blackbirdは”クロウタドリ”という鳥であるけれど、黒人の蔑称としても使われるようで、ビートルズのマッカートニーが黒人女性の人権擁護や解放を意図して歌った”Blackbird”という楽曲がある。飯田橋ギンレイホールにて(同時上映の「ノマドランド」はロードショーで鑑賞済)2019年/アメリカ・イギリス/97分/PG12監督:ロジャー・ミッシェル原作:クリスチャン・トープ脚本:クリスチャン・トープ出演:スーザン・サランドン、ケイト・ウィンスレット、ミア・ワシコウスカ、リンゼイ・ダンカン、サム・ニール、レイン・ウィルソン、ベックス・テイラー=クラウス、アンソン・ブーン原題:Blackbird(「クロウタドリ」) お薦め度「ブラックバード 家族が家族であるうちに」★★★☆(70%) 字幕翻訳:斎藤敦子
2021.10.23
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The Merry Gentlemen (2024)軽快なコメディ。人生の岐路に立って、夢か恋か、都会か田舎か。たぶん若ければ夢と都会を選ぶんだろうけれど、夢に挑戦し、恋の経験も経た大人となっては、思い悩むけれども決断を下すことになるのは、ある種、経験を経た者には理解できる。この作品を見た若者はそうじゃないだろう、と思うかもしれないけれど、主人公たちと同様、経験を積んだ大人になれば、夢がついえたあとのこととしてこれからの人生を考えられるのではないかと、人生の最終コーナーを曲がってしまった私は考える。男性ストリップ(?)ショーがこんなに容易く成功するとは思えないけれど、そこはご愛嬌として、クリスマスの娯楽として大いに楽しめばよい、と思える作品であった。Netflixにて2024年/アメリカ/87分/監督:ピーター・サリバン原案:ジェフリー・シェンク、ピーター・サリバン脚本:マーラ・ソコロフ出演:ブリット・ロバートソン、チャド・マイケル・マーレイ、マーラ・ソコロフ、マイケル・グロス、ベス・ブロデリック、マックスウェル・コールフィールド、マリア・カナルス=バレッラ、コルト・プラッツ、ヘクター・デビッド・Jr.、マーク・アンソニー・サミュエル原題:The Merry Gentlemen(「陽気な紳士たち」)お薦め度「ザ・メリー・ジェントルメン」★★★☆(70%)
2024.11.24
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僕がピュアすぎるのだろうか?若い男女の恋物語を予想して見に行った作品は、単なるラブ・ストーリーではなかった。”ラスト・クリスマス”の本当の意味がわかると宣伝文句にあったらしいけれど、見てみて納得。「えっ!それをここで言うか!!」って。いや、大ヒットしたワム!の曲でも明らかなんじゃないかとおもうけれど。”ラスト”って聞くと、つい”最後の”と短絡的に考えてしまいますよね。映画「ラスト サムライ」みたいに。ところがよく使われる”ラスト ウィーク”なんてあるように、「先週」のことだったりするわけで。そういう意味では「去年のクリスマス」という意味なんです。でも。映画を見るともう少しいろいろ思うけどね。さて、この作品。純粋な心で純粋な恋物語を見に行ったものには、前半辛かったです。ユーゴスラビアでの讃美歌のシーンから始まるので、ユーゴスラビアの話なのか、移民の話なのかといろいろと想像してしまって、想像外、予想外の物語に興味がわかなかったから。主要キャストでアジア人が出てきます。トムと呼ばれる男性とサンタと呼ばれる店主。ヨーロッパの作品にアジア人が出ることは珍しいので驚きました。そこはこの作品のサブテーマともいえる今は移民であふれかえるロンドンを表現しているのかもしれません。まぁ、それ以外は移民だとしても西洋人ばかりなので、東洋人の私には見ていて誰が何人かはわかりませんけれど。主役はエミリア・クラークで「ターミネーター:新起動 ジェネシス」や「世界一キライなあなたに」に出演し「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」にも出演した注目の女優です。久々に見たエマ・トンプソンがやけにおばあちゃんになっている、と思ったけれど。エミリアが若い娘と思ったからそう感じただけで、今思うとエミリアの役、ケイト自身が三十路にかかる女性でその母親であるエマ・トンプソンは母親であるけれどおばあちゃんなのでしょう。つまらないとおもえた映画でしたが、起承転結の転をむかえて、大きくかわります。主人公ケイトがきづいたことが、予想だにしないことだったので驚天動地。驚きに驚きました。そして、気が付くと大いに感動し、見て良かったと思える作品になりました。”ラスト・クリスマス”本当に去年のクリスマスなんですよね。2019年/アメリカ/103分/G監督:ポール・フェイグ出演:エミリア・クラーク、ヘンリー・ゴールディング、ミシェル・ヨー、エマ・トンプソン原題:Last Christmasお薦め度 「ラスト・クリスマス」★★★★(80%)
2019.12.31
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その日、退役軍人で元大尉のエディ(アントニオ・バンデラス)は、一年ぶりに仕事に就いた。ショッピングモールの警備員、最低時給の仕事だ。彼は、PTSDを抱えていたと思われる。ある少女が重要な証人であるにもかかわらず、襲撃され…。逃げ込んだ先は深夜のショッピングモール。警備員たちに助けを求める。追手の首領格はチャーリー(ベン・キングズレー)、皆殺しして、少女を捕獲しようとする。たった5人の警備員と大多数の追手、殺し屋たちとの戦闘が始まる…。ショッピング・モールにある品物を使っての攻撃がユニーク。アントニオ・バンデラスの一人無双の活躍ぶり、際立つ。Netflixにて2017年/アメリカ/92分/PG12監督:アラン・デロシェール脚本:トニー・モジャー出演:アントニオ・バンデラス、ベン・キングズレー、ガブリエラ・ライト、チャド・リンドバーグ、リアム・マッキンタイア、カン・リー、キャサリン・デ・ラ・ローシャ原題:Security(「警備態勢」)お薦め度「セキュリティ」★★★☆(70%)
2021.11.03
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(C)2016, Serendipity Point Films Inc.官能映画ということでドキドキしながら見始めたが、いきなりH!!!!!ベッドシーンから始まる映画には翻弄される。頭がエッチモードになって内容の把握よりもそのシーンやヌードに目を見張り、バクバクという心音が聞こえるほどにボーっとしてしまう。「チャタレイ夫人の恋人」なんていう映画を見た時もそうだけれど、ボーっとしてしまう。さて、この作品、一見美男子のように見える彼におっぱいがあることに驚く。ユニセックスモデルとして活躍するエリカ・リンダーという人らしい。女性だ。その彼が女子力高めのキャリア・ウーマンぽい女性をハントする。女だらけのクラブで…。話がまとまらずすれ違うと思えたが、状況が状況を作り出し、ことに及んでしまう。愛欲か性欲か、いや肉欲なのかもしれない。私の頭は暴発寸前だ。無修正の画像で㊙やイチモツが映し出されると、前張りつけてないんだなぁ、なんてことを思ったりする。クライマックスがきて、この状況だとこの結末になるしかないだろうなぁと思えるシーンを映し出して映画は終わる。これは一般映画と呼べるのだろうか。ちなみに原題が”below”下の方とあるので”under”真下では意味が微妙に違う。U-NEXTにて2016年/カナダ/92分/R18+監督:エイプリル・マリン脚本:ステファニー・ファブリッツィ出演:エリカ・リンダー、ナタリー・クリル、セバスチャン・ピゴット、メイコ・ニュイエン原題:Below Her Mouth(「彼女の口の下の方」) お薦め度「アンダー・ハーマウス」★★★(60%)
2023.07.06
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「はじめての」というお題(?)で4人の作家が紡いだ短編。これをYOASOBIが楽曲にするという企画。島本理生(楽曲「ミスター」原作小説「私だけの所有者」著者)辻村深月(「ユーレイ」著者)宮部みゆき(「色違いのトランプ」著者)森絵都(楽曲「好きだ」原作小説「ヒカリノタネ」著者)といった4人の直木賞作家の小説を読んだ。「私だけの所有者」は、島本理生がSFを書くと思っていなかったので意外性があり、興味深く読んだ。読み終えた時、この作品にも島本の表現したい愛が描かれていて、感じ入った。「ユーレイ」は、少女が主人公である。現代の女性が抱える苦悶を受け止めて、一晩なんとか乗り越えたことによって見えてくる世界を提示してくれている。「色違いのトランプ」は、未来世界SFのパラレルワールドで運命と不条理を描いているように思う。「ヒカリノタネ」は幼なじみへの過去の告白を取り消したいとタイムトラベルする女子高生の話。過去の告白だけを取り消していくと、取り消さない方が良かったのではという思いが去来する。そして今、幼なじみとの関係の再確認。怪奇現象を含めSFというかありえない話が描かれている。「はじめての」とは未知の体験ということであれば、このどれもがそうなのであろう。お気に入りの島本理生がSF小説を書いたということに驚き感嘆したので、あとに続く三者の作品のびっくり度は大きくなかった。とはいえ夫婦・親子・友達との愛情を表現した作品であった。はじめての|水鈴社 (suirinsha.co.jp)
2023.11.15
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『おばちゃんに言うてみ?』 泉ゆたか | 新潮社 (shinchosha.co.jp)サイコー!めっちゃ、ええやん!めっちゃ心に訴えかけてくるけど、これ、わいが大阪出身やらやろか。それも岸和田でっせ!それゆえこれほど心揺さぶられても岸和田(泉州)以外の人が感じることはないのかもしれない。そのような杞憂を感じた。一部の人を除いて、総じて好評なようで、この本の内容が合わない人もいるだろうし、まあまあ良かったと思える。5つのエピソードがあり、それぞれ主役となる人物は違うけれど全編に”大阪のおばちゃん”が出る。このおばちゃん、こんな人いるのかな?と思えるけれど、著者が取材した辻イト子さんというタレント兼主婦の人がモデルのようです。巻末の謝辞にあるように ”辻イト子さんは二〇二一年五月二四日にご逝去されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。”とお亡くなりになっている。私からも、ご冥福をお祈りいたします。作者である泉ゆたかさんは”1982年神奈川県逗子市生まれ。大阪府岸和田市在住。早稲田大学大学院修士課程修了。2016年「お師匠さま、整いました!」で第11回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。2019年『髪結百花』で第8回日本歴史時代作家協会賞新人賞と第2回細谷正充賞を受賞。他の著書に『君をおくる』『おっぱい先生』『お江戸けもの医 毛玉堂』「お江戸縁切り帖」シリーズ、「眠り医者ぐっすり庵」シリーズなどがある。”(以上https://www.shinchosha.co.jp/book/355261/より)とあり、岸和田に住んで四年ほどでこれだけ地に着いた泉州弁の物語が書けるのはすごい。収録作「岸和田でヨガ」「代官山酵素スムージー」は東京で過ごしたこともある著者ゆえに岸和田と両地域の人物が描けていると思えた。「道頓堀の転売ヤー」も「宝塚のティッシュケース」も取材無くしては書けなかったと思うけれど「だんじり祭」にはしびれた。取材からの創作なのだろうか、と思いたくなるほどの内容である。私の心をえぐり取り、楽しませてくれた本。やっぱ、ごっついえらいわぁ。おばちゃんに言うてみ? [ 泉 ゆたか ]
2024.09.21
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”第九代将軍・徳川家重を描く傑作時代小説”とあるが、たしかに読み応えのある本である。家重の父である第八代将軍・吉宗に関しては社会の授業にも出て来るし、テレビドラマ「暴れん坊将軍」で身近に感じるのでよく知っている気がする。そして、その町奉行である大岡忠相も大岡越前守として知られこれまたテレビドラマ「大岡越前」で見知っている。この本の主人公は、大岡越前のはとこの息子・大岡忠光である。小児麻痺だったとも言われる家重は半身が不自由で言語不明瞭。音声は発すれど、言葉にはならない。その言葉をただ一人聞き分けたのが大岡忠光とのこと。そして忠光が家重につかえ、家重の口となって将軍となり治世を行う涙ぐましい日々を描いた大作である。読むにつれて郡上一揆や田沼意次のことなども出てきて、興味深い。続編ではないようだが、(以下、幻冬舎HPより)”まいまいつぶろ 御庭番耳目抄青名半四郎。又の名を、万里。徳川吉宗・家重の将軍二代に仕えた御庭番は、江戸城の深奥で、何を見、何を聞いたのか?隠密秘話に胸熱くなる、『まいまいつぶろ』完結編。”(以下、幻冬舎HPより)「まいまいつぶろ 御庭番耳目抄」という本がある。読みたいと思う。まいまいつぶろ [ 村木 嵐 ]まいまいつぶろ 御庭番耳目抄 [ 村木 嵐 ]
2024.11.13
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(C)2018 NOLITA CINEMA - LES FILMS DU MONSIEUR - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - FRANCE 2 CINEMAこれが現在のフランスなのかも。三度目の結婚式を挙げる長兄48歳(かな)。末の妹35歳(かな)が次兄に電話するもつながらない。次兄47歳(かな)はなかなか来ない。二時間遅れで到着。三度目となる兄に離婚を蒸し返すお祝いの言葉を話してしまう次兄。そして、三人目の妻の名を覚えていない……。両親の月命日に兄妹三人で参集し墓参する習慣があるが、いつも墓前でけんかとなる。三人三様の個人的問題を抱えて、しっちゃかめっちゃか。家族について考えるとき、養子縁組が国際的である。やや気づまりで息苦しい感じのするドラマであるが、最後まで見ると、ほっとする。言葉は辛辣であるが、なかなか本当のことが言い出せない心優しい人たちであった。U-NEXTにて2021年/フランス/105分/PG12監督:ジャン=ポール・ルーブ脚本:ダビド・フェンキノス、ジャン=ポール・ルーブ出演:リュディビーヌ・サニエ、ジョゼ・ガルシア、ジャン=ポール・ルーブ、ラムジー・ベディア、ポーリーヌ・クレマン、フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー、フラン・ブリュノー、ガブリエル・ナカーシュ原題:Lola et ses freres(「ローラと彼女の兄たち」)お薦め度「ローラと二人の兄」★★★☆(70%)
2024.11.14
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(C)2024 UNIVERSAL STUDIOS,WARNER BROS.ENT.& AMBLIN ENTERTAINMENT,INC.衝撃的な始まりだった。四半世紀前に見た映画「ツイスター」は人気で大ヒットした。主役を演じたヘレン・ハントは一躍有名スターとなり「恋愛小説家」「ハート・オブ・ウーマン」「ペイ・フォワード 可能の王国」「キャスト・アウェイ」でジャック・ニコルソン、メル・ギブソン、ケビン・スペイシー、トム・ハンクスといった名だたるハリウッド・スターと共演し、続々とヒットを飛ばした。今回の主役デイジー・エドガー=ジョーンズは奇しくも「ツイスター」が製作された年に生まれた。瞳がくっきりと愛くるしい明眸皓歯な彼女が「ザリガニの鳴くところ」の主役カイアを演じたその人だとはまったく気づかなかった。このブログを書くためにチェックして気づいた。それゆえ大スターとなっていくのかわからない。さて、この映画、衝撃的な始まりだった。”ツイスターズ”と複数形になっているのは何を意味するのか。竜巻を追いかけるチームが二組あることなのか、双子の竜巻の事なのか。劇中でも複数の竜巻発生が映し出されている。竜巻への対策、人々が被害に遭わないように、竜巻を胡散霧消するために奮闘するケイト(デイジー・エドガー=ジョーンズ)は成功するのだろうか……。竜巻の猛威を映し出してスペクタクルな醍醐味のある映画であった。巨大竜巻に立ち向かう人間模様を描く大作である。U-NEXTにて2024年/アメリカ/122分/G監督:リー・アイザック・チョンキャラクター創造:マイケル・クライトン、アン=マリー・マーティン原案:ジョセフ・コジンスキー脚本:マーク・L・スミス出演:デイジー・エドガー=ジョーンズ、グレン・パウエル。アンソニー・ラモス。ブランドン・ペレア、キーナン・シプカ、デビッド・コレンスウェット、モーラ・ティアニー、サッシャ・レイン、ハリー・ハッデン=パットン、ダリル・マコーマック、トゥンデ・アデビンペ、ケイティ・オブライアン、ニック・ドダーニ、ポール・シェアー原題:Twisters(「巨大竜巻」)お薦め度「ツイスターズ」★★★★(80%)
2024.11.17
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Christmas in the Wild (2019) (imdb.com)ロブ・ロウ久々の主演映画を見る。ロブ・ロウは映画「アウトサイダー」で注目され、ブラット・パック(将来有望な若手スターの一軍)の中で将来を嘱望された最有力なスターであった。続く、「ホテル・ニューハンプシャー」ではジョディ・フォスターと共演。大学卒業・就職にかかわる群像劇「セント・エルモス・ファイヤー」の中でも異彩を放ち、「栄光のエンブレム」では若手スター、パトリック・スウェジと共演。シンシア・ギブの売り出しにも一役買う。「きのうの夜は…」でデミ・ムーアと共演。と順調に見えたが、1988年に未成年少女との性的関係のビデオ流出で一時、表舞台から消え去った。その後は、チョイ役やマイナー作品での出演をしていたようだが、存在を知ることはなかった。私がロブ・ロウの復活を知ったのは人気テレビシリーズ「ザ・ホワイトハウス」の大ヒットによってである。この作品で名声(?)を取り戻した彼は映画とテレビで出演を続けている。そして、この「ホリディ・イン・ザ・ワイルド」では製作総指揮と主演を兼ねている。相手役クリスティン・デイヴィスの一人息子役としてロブ・ロウの次男であるジョン・オーウェン・ロウが出演している。クリスティン・デイビスはかわいくて美しくて、私の好きな女優さんだ。彼女を一躍有名にしたのはテレビシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」でお堅いお嬢様役がはまり役だった。といっても、私はテレビは見ていず、映画の「センクス・アンド・ザ・シティ」と「セックス・アンド・ザ・シテイ2」しか見ていないけれど。今回も獣医資格を持ったセレブの有閑マダムといった役どころが似合っていていい(笑)。さて、この作品は一人息子が大学入学と同時に寮に入り、夫婦二人水入らずになる機会にセカンド・ハネムーンにアフリカに行こうと計画したところ、息子の旅立ちとともに、夫に別離を告げらた。やむなく、セカンド・ハネムーンのアフリカへ一人旅に出た。レストランで知り合った男はセスナ機パイロット、予定外のプロペラ機の不時着から、そこに暮らすアフリカゾウの保護地区で生活することになり…。原野保護区での暮らし、象の世話、従業員との交流。獣医であった彼女には動物に対する愛情が湧き出てくるように思えた…。忍ぶ思いというか、物事を赤裸々に語ることはせず、事実だけを淡々と受け止め、日々、象のケアをして暮らす毎日。そこには都会にない有意義なものが感じられた。とても心に染みる物語。像の保護についても伝えていて、生きとし生けるものを大切にする精神が宿んでいる気がする。感じ入りました。Netflix にて2019年/アメリカ/85分/G監督:アーニー・バーバラッシュ脚本:ニール・ドブロフスキー、ティッピー・ドブロフスキー出演:ロブ・ロウ、クリスティン・デイビス、ファジレ・ムペラ、ジョン・オーウェン・ロウ、コリン・モス、ヘイリー・オーウェン原題:Holiday in the Wild「野生の中の休日」)お薦め度「ホリディ・イン・ザ・ワイルド」★★★★(80%)
2022.04.10
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amazon.co.jp/dp/B0C262H717?tag=eigacom-movie-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1ややこしい。”トランスポーター”と邦題につけられたネーミングに騙されてしまった。原題はトランスポーターなんてワードはない。前提というか、冒頭がチキンレース並みの車短距離競争。その賑わいはワイルド・スピードを彷彿させ、興味を持った。トラック運転手と俳優と撮影ロケの掃除婦がいて、PTSDの退役軍人のFBI捜査官や密売人や組織のボスなどが説明なく登場してくるので収拾がつかない感じ。そんななか、シングルマザーの凄腕ドライバーの掃除婦とFBI捜査官の対峙。先も読めないし、展開もわかんない。あのオヤジが父親だったのか…なんて、感じ。内容は深いか濃いかというものであるが、まとまりがないのでわけわからない結末となる。いや、わけはわかるんだけれど、おさまりがついたとは思えない。素材を活かしきれなかったというべきか。amazon prime video にて2023年/アメリカ/95分/監督:シェーン・スタンリー脚本:CJ・ウォーリー出演:ダニエル・C・ライアン、ディオラ・ベアード、ジョセフ・D・ライトマン、アイバン・セルゲイ、ブレント・ベイリー、ケビン・ジョイ、ポール・ハーパニエミ、レジー・オースティン、トーマス・ネルソン、ジョー・ランドー、エイブラハム・ベンルービ原題:Night Train(「夜行列車」)お薦め度「MISS.トランスポーター」★★★(60%)
2024.08.25
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(C)2024 PARAMOUNT PICTURES.冒頭の海にそり立った城壁に挑む海洋の船、船、船……。この戦闘シーンが最も激しく最も熾烈であった。飛び出す火の玉に飛び散る兵たち。雨のように降り注ぐ弓矢。肉弾戦ともなった合戦、斬りあいはみごと。これと対照的なクライマックスであった。さて、ルシアスを演じるポール・メスカルは一作目のラッセル・クロウと比べて、また今作登場する他のグラディエーターたちと比べても小粒な感じがする。機転や奇策で勝ち残るのはいいけれど、単に腕っぷしでも強力さを感じる、いで立ちであったらなぁ、と思えた。ルシアスの生い立ちやアカシウス(ペドロ・パスカル)の思いや過去の描き方ほどマクリヌス(デンゼル・ワシントン)の生い立ちについては言及も少なく映像もない。マクリヌスについてその来歴を丁寧に描いていればクライマックス、ルシアスとマクリヌスの対峙はより鮮明に、より感情移入して見られたかもしれない。壮大なスケール、その広大さはスクリーンで見てこそ感じられる。2024年/アメリカ/148分/R15+監督:リドリー・スコットキャラクター創造:デビッド・フランゾーニ原案:ピーター・クレイグ デビッド・スカルパ脚本:デビッド・スカルパ出演:ポール・メスカル、ペドロ・パスカル、ジョセフ・クイン、フレッド・ヘッキンジャー、リオル・ラズ、デレク・ジャコビ、コニー・ニールセン、デンゼル・ワシントン原題:Gladiator II(「グラディエーター2」)お薦め度「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」★★★☆(70%)字幕翻訳:戸田奈津子字幕監修:本村 凌二、大清水裕
2024.11.16
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手練手管に長けた俳優がドラマを作り上げる。そんな気がした今回。立役者は山本未来。甲斐(織田裕二)に対峙する有能弁護士で甲斐の手法を上回る甲斐の後輩でありながら、堂々と渡り合う。というより甲斐より強く優勢で強弁な女性だ。演じて見事である。ドラマに厚みが加わった。残念だったのはゲストで出演した矢田亜希子。芝居のしどころがないというか、見せ場がない。これだけの役ならば主役経験者でなくても良かったのでは。とはいえ、ネットは昔、織田と共演し、鈴木保奈美に続き、元カノ出演と話題沸騰。話題性は十分だったか。今回のドラマの見せ場は甲斐(織田裕二)と畠中(山本未来)の丁々発止。プールバーでのビリヤード対決も織田は顔見世でキューを打つけれど、山本の時には顔は映らない。吹き替えというかビリヤードの上級者が身代わりで演じていたのだろう。それを感じさせないように被写体を撮り、編集していたのは良くやったといえよう。それにしても、織田はビリヤードが上手いなぁ・・・。鈴木保奈美は鈴木保奈美らしい、身ぶりで高級服を着こなし、セレブ感のある、代表者を演じて、いいし、新木優子のドラマに生きてるし、中村アンもみごとな秘書ぶりである。次回は、時間延長の15分拡大。楽しみである。
2018.11.27
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The Hating Game (2021) (imdb.com)これがベストセラーの映画化作品なのか?女の子が主人公だけれど、男は変人?ストーカー?まず、設定として広い部屋で机がひとつづつ、向かい合って座るなんてこと、ありえないよねー。そのほかもろもろ合併により同じ職場となったけれど敵対しているとなれば目の敵、目の敵の相手とエレベーターであんあことになるのか?設定も展開もとんでもなく、途中、脱落してもおかしくなかった。多分脱落していた。しかし、映画館で選んで見に行ったなら、最後まで我慢して見るだろな、と頑張って見続けた。見続けるとウンチクも名言も飛び出し、なかなか見どころもあるようで、(でなければベストセラーになってない)、最後まで見終えたけれど、楽しいラブ・コメといかず、これほど変に執着している男女ならば、とんでもなくて、やっぱり私好みではないということです。2023年/アメリカ/102分/G監督:ピータ・ハッチングス原作:サリー・ゾーン脚本:クリスティーナ・メンガート出演:ルーシー・ヘイル、オースティン・ストウェル、デイモン・ダウンノ、サキナ・ジャフリー、コービン・バーンセン原題:The Hating Game(「憎しみのゲーム」)お薦め度「ヘイティング・ゲーム~恋とキャリアの必勝法~」★★★(60%)
2024.04.18
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(C)2001 Warner Bros. All Rights Reserved.2001年カンヌ映画祭パルムドール受賞作と目に入り、思わず見てしまった。精神科医の父親と奇麗な母、そして高校生の息子と娘。息子は学校でアンモナイトの化石を盗んだと嫌疑をかけられる。すったもんだしたあげく、わからずじまい。と、息子は母に……。そして、息子は……。家族が知らない息子の一面が明らかになっていく。喪失感を感じ、それを穴埋めしようとする物語なのかも。U-NEXTにて2001年/イタリア/99分/監督:ナンニ・モレッティ原案:ナンニ・モレッティ脚本:リンダ・フェリ、ナンニ・モレッティ、ハイドラン・シュリーフ出演:ナンニ・モレッティ、ラウラ・モランテ、ジャスミン・トリンカ、ジュゼッペ・サンフェリーチェ、シルビオ・オルランド、ステファノ・アコルシ、クラウディア・デラ・セタ原題:La stanza del figlio(「息子の部屋」)お薦め度「息子の部屋」★★★(70%)映画.com ALL TIME BEST
2024.07.14
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NHK BSシネマで放送される映画の中からおすすめ作品を紹介します。11月おすすめ作品は「植村直己物語」11/4、「北北西に進路を取れ」11/5、「シコふんじゃった」11/6、「駅STATION」11/7、「南極物語」11/9、「海峡」11/11,「恋人までの距離(ディスタンス)」11/12、「ナバロンの要塞」11/13、「ゴジラ」11/14、「ビフォア・サンセット」11/18、「スピード」11/20、「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」11/26、「博士と彼女のセオリー」11/27、「秋刀魚の味」11/28、「ロイ・ビーン」11/29となり(題名の後の日付は放送日)、この作品の中から選んだ5作品はこれら。未見の「シコふんじゃった」、紹介済みの「植村直己物語」を省く。(チラシ画像の下のリンクは画像の出展元を掲載)南極物語(1983) : ポスター画像「南極物語」2024年11月9日(土)午後8時29分~1983年 日本 145分タロとジロの姿を見た時、泣けるねぇ…。大ヒット作品。お薦め度★★★★(80%)スピード : ポスター画像「スピード」2024年11月20日(水)午後1時00分~Speed 1994 アメリカ 116分ヤン・デ・ボン監督の世界的大ヒット作品。キアヌ・リーブスもサンドラ・ブロックも大人気者になった。止まらぬバスのカー・アクションは見物。お薦め度★★★★(80%)映画.com ALL TIME BEST「スピード」エイジ・オブ・イノセンス ポスター - 検索「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」2024年11月26日(火)午後1時00分~The Age of Innocence 1993 アメリカ 139分私にとっての名作。大感動作。ミシェル・ファイファーはあまりに美しく妖艶であった。お薦め度★★★★☆(90%)(C)UNIVERSAL PICTURES「博士と彼女のセオリー」2024年11月27日(水)午後1時00分~The Theory of Everything 2014 イギリス 124分ALSという難病を抱えたホーキング博士と妻の実話映画化。エディ・レッドメインがまさしく博士に見えて、名演し、アカデミー主演男優賞に輝いた。マイライフ・マイシネマアルカディア「博士と彼女のセオリー」お薦め度★★★★☆(90%)映画.com ALL TIME BEST「博士と彼女のセオリー」ロイ・ビーン 映画 ポスター - 検索 画像「ロイ・ビーン」2024年11月29日(金)午後1時00分~The Life and Times of Judge Roy Bean 1972 アメリカ 120分名匠ジョン・ヒューストン監督が西部にいた実在の判事ロイ・ビーンを描く・ポール・ニューマンが最高にユニークで楽しめた。お薦め度★★★★(80%)
2024.10.31
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直木賞受賞作品「ともぐい」。この表題である”ともぐい”は雄熊同士の一騎打ち以外、はっきりと認識できるものはなかった。多少、近いものはあったけれど。さて、主人公は熊猟師である。アイヌの爺さんに育てられた日本人の男。生まれながら見様見真似で猟を覚え、山奥深く小屋で暮らす。一匹の猟犬といえるのか、犬がいる。男は猟をし、山菜などを獲り、山を下りて近隣の村の大店に売りに行く。いや、買い取ってもらう。そこで見た盲目の女。日露戦争目前の北海道で俗世とは縁を切り猟師として生き、猟師となくなって生きた男の障害が合描かれている。読みごたえは十分。ともぐい [ 河崎 秋子 ]
2024.11.17
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Lonely Planet film poster - ロンリープラネット (映画) - Wikipedia映画「ランブリング・ローズ」のローラ・ダーンが好きだった。相手役はクリス・ヘムズワースの弟リアム・ヘムズワース。リアムは初めて見る。リアムの彼女役はダイアナ・シルバーズという初めて見る女優。モロッコのとても素敵なホテルに招待された有名作家たち。人気絶頂(?)のキャサリン(ローラ・ダーン)は14年の伴侶と別れて家を出なくならなければならない身。ロスト・バゲージして手荷物なくスィートと思える部屋を割り当てられる。作家たちのパーティに参加をする気もなく行きずまった小説を引きこもって書き上げたい。処女作がベストセラーとなった彼女に同伴の営業マン(リアム・ヘムズワース)は小説を読まない人で作家の集まりに疎外感を感じる。孤立した二人が袖すり合い、だんだんと仲良くなる。そして……。旅先モロッコでの傷心をいやすというよりは孤立を好む親近感で意気投合、惹かれ合ってしまう。すったもんだの末、終盤の絵は嬉しくなるようなものだった。気持ちや感情を大切に…描く、良い作品である。Netflixにて2024年/アメリカ/96分監督:スザンナ・グラント脚本:スザンナ・グラント出演:ローラ・ダーン、リアム・ヘムズワース、ダイアナ・シルバーズ、ユネス・ブシフ、アドリアーノ・ジャンニーニ、ラシダ・ブラクニ原題:Lonely Planet(「孤独な惑星」)お薦め度「ロンリー・プラネット」★★★☆(70%)
2024.10.13
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ブギウギ - NHKNHK朝ドラの主演女優を続けて注目とあげるのは、どうなのかというつぶやきも聞こえそうだが、でも注目したい。趣里が素晴らしい。これまでも彼女の脇役なるドラマは見ていたが、もっと主要な役をやればいいのにくらいだった。父・水谷豊に関しては「バンパイヤ」と「傷だらけの天使」くらいしかまともに見たものがなく、母・伊藤蘭に関してはキャンディーズで注目したくらいだが、NHK朝ドラは見ていたので「こころ」で主役・中越典子の母親役が良く、祖母役の岸恵子ともお似合いであった。さて、趣里だがちゃんと見たのは「私の家政夫ナギサさん」での主役の妹役くらいで、その時に役者として良い感じに思えた印象くらいしかない。ゆえに知名度の高い、すでに活躍している女優たちの主演が続く中、知名度だけは高い趣里がオーディションで選ばれたときいて、どうなることかとわずかに心配した気持ちを持っていた。今までにない突拍子もない明るさを持った感じで始まり、オープニングににぎやかなブギウギサウンドは朝から「やかましいな!」と言いたくなるほどのテンポである。朝ドラ「ブギウギ」は芸達者で好印象の「らんまん」のあとなので、どうなることかと心配したが、拒絶されないギリギリにうるささでオープニング楽曲がながれ、そのままの勢いを無駄にすることなく、当初は母親役を演じた水川あさみがすこぶる好演で視聴者の心をつかんだと思う。水川あさみの演技はいくども見てきたけれど私が知るところ最高の演技であった。このような快活なおっかさんを演じる女優とは思ってなかったので意外であり発見であった。その彼女を越えるほど喜怒哀楽というか、泣き笑いの演技ができる趣里に脱帽した。ここまでメリハリの利いた、感情の切り替えができるとは思っていず、短時間のドラマが盛りだくさんに思えるほど豪傑と言えそうなくらいの演技力である。やや小柄ながらバレエで培った身体能力も生かし、共演者に恵まれて奮闘している。現役OSKの男役のスター・翼和希の見栄えは言うまでもなく、共演の蒼井優、同僚後輩の伊原六花も良く、ダメ親父を演じる柳葉敏郎の意外性も面白い。草彅剛は彼らしい演技で安定感を感じる。かわいさや美しさよりも素材の良さのみ感じる趣里がバサバサのつけまつげをつけたとき絵になるのが不思議である。趣里が表情に出す以上に動き廻る心情は見ている者の心を掴んでいる。あ、弟の黒崎煌代も良かった。NHK朝ドラ「ブギウギ」の人気、間違いなし。その人気にあやかって、NHK紅白に母子出演してジャニーズのいない紅白の救世主となる一翼を担わされるのは重荷だろうけれど、その重荷を軽々と持ち上げるほどの力が趣里にはあるように思える。とんでもない演技力を全国の視聴者に見せつけた趣里、今後の快進撃に期待したい。
2023.12.02
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366日 - フジテレビ (fujitv.co.jp)ドラマレビュー 「366日」なんという結末。終わってみれば散々なドラマだったなぁ。HYの楽曲「366日」をフィーチャーした作品だと思い見たのだけれど。フィーチャーとは特徴づけること、という意味があるので楽曲「366日」の歌詞を下敷きに物語を紡いだのだと思った。といっても歌詞を良く知らないので、今一度見直す。HY 366日 歌詞 - 歌ネット (uta-net.com)歌詞を読み直してみてわかった。交際していたかどうかはともかく、交流があって今は別れてしまった。その彼の匂いやしぐさを恐いくらい覚えている女性が主人公。で、もう二度と戻れなくても彼のことばかり思っている。このことを鑑みてドラマを振り返ると、歌詞通りではなかったと思える。ちょっとした事故で記憶喪失になる設定はお粗末に感じた。その後、意識が戻ったにもかかわらず記憶喪失とは、どういうこと?と思えた。記憶はなかなか戻らず、この先どうなっていくのか不思議にも思える展開の中、最終盤の最終回で記憶が戻っていることが判明する。えっ⁉である。記憶が戻ったそぶりも何もなく、視聴者は伏線すら感じなかった記憶が戻っている展開。とてもお粗末な展開であった。後半になって別れ、最終回で彼への思いの深さに気付く。歌詞で歌われているのはほぼこの最終回の主人公・明日香の気持ちだ。あまりに短く少ない時間だ。歌詞の内容をドラマ化しようとすれば、明日香と遥斗(はると)が序盤で別れて、過去の思い出と今の想いに悶々と苦悩する明日香を描き切ることではなかったのかと思える。それでもこのドラマを見てしまった。視聴完走してしまった。それは、キャストの魅力なのではと思える。脚本は主役たち5人についていろいろなことを書いていて、小川智也の実業団野球部選手の葛藤や下田莉子の不倫の精算と吉幡和樹の明日香への思いを断ち切れない女々しさがあった。他にも音楽教室に通う静原吾朗の自分本位な恋患いなどもあった。本筋と関係ないところでいろいろと詰め込んだので前段の話が長くなり、本来、きめ細やかに描かなければならない歌詞に重なる部分が最終回で駆け足で描かれることになる。プロデューサーはどういう思いでこのドラマを作り上げたかったのかなぁ。脚本家は清水友佳子という実績のある人で、ディレクターも平川雄一朗という実績のある人。ただ、どちらも私には縁のない人たちでどちらの作品もほぼ見たことがない。 最終回を見て思う。役者がうまい。披露宴でのスピーチ。新郎の智也の一説。まるで本物の披露宴のビデオを見ているような感じにとらわれるほど、あまりにリアルな新郎のスピーチに感嘆した。一緒にドラマを見ていた家族も「うまいと思う」と感心していた。思えばこの智也、5人グループの中でムードメーカーの役割をしていてひょうきんなこともマジなこともありのままで、演じていた坂東龍汰のリアルな演技に演技巧者を感じさせないうまさがあった。莉子役の長濱ねるも自然に見えてうまかった。高校生の時も社会人の時もお店の中で明日香を待っている時も自然だった。元カレに対峙する姿もそのままに見えた。和樹役の綱啓永については演じることが単純でない役柄なので良し悪しはよくわからない。音信不通だったなぞの元同級生の時が一番良かったかも(笑)。遥斗役は演じにくかったと思う。不可思議な遥斗の言動を眞栄田郷敦は消化しきれていないままお芝居をしていたのではないだろうか。遥斗のことは私も消化しきれていない。この人物の行動の裏にある思考が理路整然となっていないためであろう。でもまあ理路整然となっていなくても、そのなっていない様が納得できるものがあれば混沌としていても良かったと思うけれど、納得できるものもないので不明な人物となってしまった。反面、明日香はわかりやすかった。遥斗一途でまわりに気を遣う女性ということなので。ただ、一途さ、心底好きだという感情が表現できていなかったのかな、とも思える。このあたりが見ていて感情移入できなかったところなのか、とも思える。ゆえに最終回、遥斗に手を取られ、教会前に連れ出された明日香が滂沱のごとく泣きじゃくっていても、私は白けていた。しかし、これほど泣く状況でもないと思えるのにあれだけ泣けるとはと広瀬アリスの演技力にある意味感心もした。おっと、最終回の演出は平川雄一朗でなく片山雄一です。だからか、というわけでもないけれど、最終回の披露宴を見ていて、智也のスピーチで感じ入ったけれど、役者・坂東龍汰の演技によっていいシーンになっているけれど演出としては何もしていないと感じた。そして、最終盤、終わったかに見えたドラマは一年後の遥斗と明日香の生活をしばし映し出し、その後、さらに三年後(だったかな)子供を抱いた遥斗の姿が映る。川べりで明日香と落ち合う。ここって大阪?東京?明日香も大阪行ったの?なんて思いつつわけわからんシーンをつぎはぎだったのはどうなのかと思えた。余談として宮辺紗衣役の夏子は話題になるほど注目されてよかったね。で、この宮辺紗衣が遥斗の記憶が戻っていることに気付いた理由が“アベノハルカス”とか言ってて、まったく理由にならないと思えた。記憶喪失のままの人間が大阪転勤を考え、大阪がどういうところでどこで働くのかと調べれば“アベノハルカス”なんて容易に把握できるし、“アベノハルカス”に土地勘があるなんて言うのは脚本の後付けにしか聞こえなかった。脚本家が伏線として仕掛けていたのなら伏線としての引っ掛かりを視聴者に与える演出をしなかったせいなの?とも思えた。余談ついでに、遥斗の最終回のファッション。あれはないのでは、と思えた。オレンジのTシャツ。オレンジって遥斗のカラーだっけ?
2024.06.21
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今日のニュースによると、サッカーくじ「BIG」の1等くじを偽造して当せん金約4億5000万円をだまし取ろうとしたとして、京都市の夫婦が偽造有価証券行使と詐欺未遂の容疑で逮捕された。サッカーくじを巡る偽造事件は初めてとのこと。ニュースによると、「発表では、2人は共謀し、10月6日午前11時頃、大阪市北区の信用金庫窓口で、9月12、13両日に行われたサッカー・Jリーグ14試合の全結果が的中したように偽造したくじ1枚を示し、当せん金の支払いを要求した疑い。」何億も支払うくじが購買履歴や発売履歴などチェックされるべく内容がたくさんある。ただ、模造すればできるという代物ではないだろうにと思うのである。
2009.12.07
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”秒速5センチメートル”、これは桜の花びらが舞い落ちる速度だということである。桜の花びらが舞い落ちるさまがまるで雪のようだというところがあるが、ということは雪の舞い落ちる速度も秒速5センチメートルということだろうか。この作品はひとりの男性が中学校、高校、社会人と三つの短編連作で三つの時代を生きるさまを描いている。男の子の声(声優)は変な声だと聞こえたが、しだいになれた。第一話 桜花抄(おうかしょう)珠玉の名作である。新海誠監督の思春期というか、中学生時代を描いているのだろうか。携帯電話もない時代、転校していった女の子に会いに東京小田急線豪徳寺から栃木両毛線岩舟まで豪雪の夜に出かける。電車は遅々として進まない、連絡するすべはない。「小さな恋のメロディ」よりも切なく苦しい恋物語である。この話だけなら満点である。第二話 コスモナウト中学二年で転校してきた主人公遠野貴樹に恋焦がれる女子高3年生澄田花苗の目線で描かれる。種子島の高校生は原付で学校に通うんだと変なところに感心し。ああ、新海誠は宇宙が好きなんだなとロケット打ち上げを見て思う。将来(進学・就職)を考えられず惑う花苗の行動がとてもとても切ない。貴樹はあの彼女のことを思ってと、見ていた。コスモナウトの意味がわからず調べてみると宇宙飛行士とのこと。第三話 秒速5センチメートル社会人になった貴樹がすれ違った女性は誰だったんだろう・・・。そこに、思いが残る。大人になった小学校時代の同級生篠原明里も登場する。映画の妙という演出。新海監督は新宿が好きなんだな、と思う。新宿が舞台だから、ね。例えて言うなら、3歳児で天才と思ったわが子が成長していくと凡人になった、そんな感じのする作品。第一話が珠玉の名作で作り上げられていただけに、第二話、第三話と進むにつれてもっと壮大に、もっと崇高に、もっと甘美になっていくのかと思いきや、平凡な大人になってしまった。それにしても第一話のラブシーンは何千本という映画作品を見た中でも秀逸で最高であった。2007年/日本/63分/監督:新海誠出演(声):水橋研二、近藤好美、花村怜美、尾上綾華、水野理沙、寺崎裕香お薦め度 「秒速5センチメートル」★★★★(80%)
2018.02.16
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埼玉スタジアムで日本対オーストラリアのブラジルワールドカップ最終予選が行われた。非常に緊張感をもった試合で、後半終了近くにクロスを上げたと思われるオーストラリアボールがそのまま日本のゴールネットを揺らした。”オーマイガー!!!!!”日本の敗戦が濃く、今回もオーストラリアに勝てないのかと思った。勝敗は決したように思えたが、勝ち切りたいという思いが強かったのか、オーストラリアがペナルティエリア内でハンドの反則。日本にPKが与えられた。キッカーは本田。この土壇場で緊張感マックスのPK。失敗しないことを念じたが、見事ゴールを決めた!!ロスタイムは3分。ほどなく終了の笛は吹かれた。故意に時間を引き延ばさない主審に救われた。良かった~~~!おめでとうニッポン!おめでとう日本代表!!これからもブラジル目指して、がんばろう!!
2013.06.04
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「荒野の七人」が「七人の侍」の西部劇版というのを知っている。子供の時に見た記憶がある。「荒野の七人」を見て映画俳優を志したという同世代の若者たちがいた。「ロッキー」を見て、映画俳優になろうと思った私とはずいぶんと違うな、と感じた。その後「七人の侍」を何度が見て、黒澤明監督の素晴らしさ、三船敏郎のすごさを感じた。作品の素晴らしさを感じた。当然、「荒野の七人」も同様の物と思っていた。およそ40年ぶりくらいでNHK-BSで放映されたものを録画していたので、今日見てみた。なるほどなるほど、うんうんと「七人の侍」を思い起こしながら見ていた。しかし、ユル・ブリンナーに志村喬の姿を見ることは出来ず、三船敏郎の奇妙奇天烈な素晴らしさを若者に感じることもできない。盗賊たちが襲ってきた後の展開にいたっては、??。「七人の侍」にはなかった展開だと思う。「七人の侍」にはなかった展開が、「荒野の七人」を見た少年たちの心をつかんだのかもしれない。ベルナルド(チャルズ・ブロンソン)に憧れた農民の子供たちと同じように。大ヒットした作品で、このあと数多くの続編が作られたことを思うと、この1作目の展開が気になってしまう。テレビで見たものとしては「荒野の七人」シリーズでリー・ヴァン・クリーフが主演した「荒野の七人・真昼の決闘」が印象に残っているなぁ。1960年/アメリカ/128分/G監督:ジョン・スタージェス出演:ユル・ブリンナー、イーライ・ウォラック、スティーブ・マックィーン、ホルスト・ブッフホルツ、チャールズ・ブロンソン、ロバート・ボーン、ブラッド・デクスター、ジェームズ・コバーン、ウラジミール・ソコロフ、ロセンダ・モンテロス、ホルヘ・マルティネス・デ・オヨス原題:The Magnificent sevenお薦め度「荒野の七人」★★★★(80%)
2016.06.25
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フランスでの養子縁組。アフリカ系の夫婦にゆだねられたのは白人の男の赤ちゃん。字幕に一度だけ表示されたけれど、コーカサスの子と言っていた。夫は天涯孤独、妻はセネガル移民の娘。そんなふたりに縁組されたのは白人の子。前例のない組み合わせで、ケースワーカーも神経質に見守る、いや嫌疑をかけ調査する。移民家族の移民同士のひいては多すぎる移民の国フランスの実態が、そこかしこに映し出される。赤ちゃんを親身になって育てようとする人々だが、それぞれの思い、考え方は違う。それぞれの感情や思考を乗り越えて、赤ちゃんを見守る。見終えるまでに、感動してしまった。現代フランスを映し出した素敵な作品だと思える。Netflixにて2016年/フランス・ベルギー/94分/監督:リュシアン・ジャン=バティスト脚本:セバスチャン・ムニエ、マリー=フランソワーズ・コロンバニ、リュシアン・ジャン=バティスト出演:リュシアン・ジャン=バティスト、アイサ・マイガ、ザブー・ブライトマン、バンサン・エルバズ、ミッシェル・ジョナス、ネドラ・アヤディ、マリー=フィロメーヌ・ンガ、バス・デム、デルフィーヌ・テオドール、グレゴワール・ボネ原題:Il a déjà tes yeux(「もう既にあなたの目がある」)お薦め度「He Even Has Your Eyes」★★★★☆(90%)
2021.06.13
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実話をもとに作られた作品。エンド・クレジット前には実在した二人の映像が白黒で流される。東南アジア系の容姿の彼と西洋系バリバリの彼女。それがあって、この映画の主人公二人となったんだなぁと思った。唐突な感じの出会いで始まる二人の関係だけれど、積極的な彼女である。その通りに、一途に真摯に全力で彼を愛す。彼も彼女を愛するけれど、彼女の思いの強さは、演じているジェシカ・ローズ自身がそうであるかの如く、ずしりと感じる。思いのたけが見る側に十分に十二分に伝わってくる。サプライズなプロポーズも、クラウド・ファンディングも、アメリカらしく現代的で、だからこそ、みんなやるんだ!と思わせてくれる。プロポーズの一連は胸を熱くした。余命半年、病に倒れる話なのに、闘病生活も無残な病身をさらすこともなく、病気の陰りや痕跡を残さないで終幕。いつまでもあなたを愛す。ずっと一緒、オール・マイ・ライフ、私の人生のすべて。素敵な映画だった。Amazonにて2020年/アメリカ/92分/G監督:マーク・マイヤーズ脚本:トッド・ローゼンバーグ出演:ジェシカ・ロース、ハリ・シャム・Jr.、カイル・アレン、クリッシー・フィット、ジェイ・フェイロー、マリエル・スコット、キアラ・セトル原題:All My Life(「私の人生のすべて」)お薦め度「オール・マイ・ライフ」★★★★(85%)
2021.09.09
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Midway (C)2019 Midway Island Productions, LLC All Rights Reserved.見たかった「ミッドウェイ」がようやく見られた。ミッドウェイ海戦についての映画作品は数多くあるが、もっとも有名なものは1976年作の「ミッドウェイ」であろう。チャールトン・ヘストンにヘンリー・フォンダ、グレン・フォード、ロバート・ミッチャム、そして三船敏郎と当時の名優を集めて作られている。残念ながら私は見ていない。今作の「ミッドウェイ」では作戦、戦略について戦闘シーンを中心に描かれている。最前線の飛行機乗り、爆撃戦闘員の物語である。著名な作品である「トラ・トラ・トラ!」や「パールハーバー」が恋愛を織り込んだ作品であるのに対し、この「ミッドウェイ」では恋バナは皆無。奇襲真珠湾攻撃をはじめとして戦闘に次ぐ戦闘を真摯に描いている。その最中、戦場での非道も描かれていて、人でなしのように描かれている日本軍である。悲しいかな、真実でもあるので否定できないけれど、わざわざ描かなくてもと思ってしまったのは同じ日本人ゆえか。太平洋戦争の転機となったミッドウェイ海戦。暗号を見破られた日本軍が負けたのは当然とも思えるが、その敗因は南雲中将が陸上爆弾を水上爆弾へ付け替えを指示したことである。痛恨の極み。米軍から見たミッドウェイ海戦を暗号解読の勝利として描かれているのは、日本軍の戦争犯罪を強調して描かれているのは残念である。とはいえ、史実に基づいたなかなか迫力のある作品といえよう。Netflix にて2019年/アメリカ/138分/G 監督:ローランド・エメリッヒ脚本:ウェス・トゥック出演:エド・スクレイン、パトリック・ウィルソン、ウッディ・ハレルソン、マンディ・ムーア、ルーク・エバンス、豊川悦司、浅野忠信、國村隼、デニス・クエイド、ルーク・クラインタンク、アーロン・エッカート、ダレン・クリス、キーアン・ジョンソン、アレクサンダー・ルドウィッグ原題:Midway(「ミッドウェイ」)お薦め度「ミッドウェイ」★★★★(80%)
2022.04.02
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Yaksha: Ruthless Operations (2022) (imdb.com)骨太な裁判映画かと思いきや見ごたえのあるスパイ攻防戦であった。有能な検事が左遷されて、中央からの指示を回避したい先輩にかわり、中国へ飛ぶ。内部監査のため現地に赴いたのだった。表向きの旅行会社とは別に諜報活動を行っているのだが、スタッフはどれもにべもなく検事を相手にしない。裏稼業(?)に出かけると思えたチームに無理やりくっついていく。そして、状況もわからないまま銃撃戦が始まる。何が何だかわからないまま攻防戦、逃亡(?)、人質争奪戦に巻き込まれ、真相が見えない中、中国・北朝鮮、韓国、日本の4か国の抗争の真っただ中へ…。徐々に真相がわかってくるも、何度も殺されそうになりながら窮地を脱していく検事。チーム長である”夜叉”との交流を通して、検事の目指す正義とは違う正義を知る。日本の諜報部員との決死のやり取りとなる!!先の読めない展開、銃撃戦、爆発のすさまじいこと。とんでもない映画だ。スケールはワールドワイドで中国を舞台に日本と韓国が対峙する。それにしても韓国は権力を握った人間が必ず悪行をするという描かれ方は驚きだ。韓国では当たり前なのかなぁ。オザワヨシノブ役で登場の池内博之の中国語、韓国語、英語を駆使しての活躍ぶりにはびっくりするとともにとても嬉しく思った。スゴイ!スペクタクルで見ごたえのある作品。コロナ禍で映画館で公開されなかったのは残念である。素晴らしい出来ではあるが、なぜ、クライマックスのシーンで突如英語での会話になったのか不思議である。また、仕留める・殺せるところが何度もありながらそうならなかった点は手を緩めているというか見ていてちょっと違和感を感じた。エンディングで、次の悪党を見つけた。とあるので、続編を作ってもらって、見たいな!Netflix にて2022年/韓国/125分/監督:ナ・ヒョン脚本:アン・サンフン、ナ・ヒョン出演:ソル・ギョング、パク・ヘス、池内博之、ヤン・ドングン、イエル、ソン・ジェリム、パク・ジニョン、イ・スギョン、チン・ギョン原題:야차英語題名:Yaksha:Ruthless Operation(「冷酷な作戦」)お薦め度「夜叉 -容赦なき工作戦-」★★★★(80%)
2022.04.17
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大雨の中、川のように流れる雨水に道路が遮断され、モーテルにとどまることを余儀なくされた人、人、人…。交通事故から始まる、おどろおどろしい殺人の連続は皆を恐怖に陥れていく…。ついには、その殺人者と思われた者まで殺されてしまう。これはどういうことなのか?不条理、いや根拠なく筋の通らない展開にオカルト的要素を感じだした時その真相がわかる。こんなことって!?この作品を見れば驚くこと間違いなし。こんな映画があるなんて、こんな展開があるなんて。映画の中の現実社会を理解した時、結末に恐怖が飛び出す。奇想天外な今日的、意表を突く作品といえよう。驚いたとしか、言いようがない。Netflix にて2003年/アメリカ/90分/PG12監督:ジェームズマン・ゴールド脚本:マイケル・クーニー出演:ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、アマンダ・ピート、ジョン・ホークス、アルフレッド・モリーナ、クレア・デュバル、ウィリアム・リー・スコット、ブルイット・テイラー・ビンス原題:Identity(「同一性」)お薦め度「”アイデンティティー”」★★★★(80%)
2022.05.05
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The Other Zoey (2023) (imdb.com)なんという不思議な展開。理系オタク女子は人気の大学生サッカー選手が一時的記憶喪失になった事故に巻き込まれて、ゾーイという同じ名前の彼女と取り違えられて家族スキー旅行に同行した。そこにはお目当ての彼がサッカー選手のいとこで参加していて……。ありきたりじゃない物語は不自然さと不思議さをもって描かれている。「ポリアモリー」(複数恋愛)という考え、恋愛形態があることにビックリ!!純愛や1対1の真剣恋愛がラブストーリーの王道なのに、これは!?とはいえ、主人公はポリアモリーを受け入れられない恋愛未経験(?)女子ゆえに共感はあるかも。まずまず楽しめた作品であった。”「ポリアモリー」とは…恋愛する相手をひとりに定めず、複数と同時並行してつきあう。その相手は異性の場合もあれば同性の場合もある。しかもお互いが相手の複数恋愛を認め合う関係。”(知っていますか? 「ポリアモリー」(複数恋愛)という生き方 | ライフスタイル | LEON レオン オフィシャルWebサイトより参照)アンディ・マクダウェルには気づいたのにヘザー・グラハムには気づかなかった。Amazon Prime Video にて 2023年/アメリカ/91分/監督:サラ・ザンディエ脚本:マシュー・タバク出演:ジョセフィン・ラングフォード、ドリュー・スターキー、アーチー・ルノー、マロリー・ジョンソン、パトリック・ファビアン、ヘザー・グラハム、アンディ・マクダウェル原題:The Other Zoey(「もうひとりのゾーイ」)お薦め度「もうひとりのゾーイ」★★★☆(70%)
2023.11.03
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(C)2023「Gメン」製作委員会 (C)小沢としお(秋田書店)2015最高に(?)おもしろかった。いい年齢の役者たちが高校絵師を演じる。経験を持った大人が映画で十代を演じる素敵さ。この映画にそれがあった。原作は漫画、その面白さもあった。勢いのある活劇、楽しんだぜ!!Netflixにて2023年/日本/120分/G監督:瑠東東一郎原作:小沢としお脚本:加藤正人、丸尾丸一郎出演:岸優太、竜星涼、恒松祐里、矢本悠馬、森本慎太郎、りんたろー。、小野花梨、吉村界人、星田英利、落合モトキ、後藤剛範、高良健吾、大東駿介、吉岡里帆、尾上松也、田中圭、間宮祥太朗、兼近大樹お薦め度「Gメン」★★★☆(80%)
2024.01.13
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(C)2024「スオミの話をしよう」製作委員会どうした三谷幸喜!ぜんぜん面白くないじゃないか!金を返せとまでは言わないが、コメディにも何にもなっていない作品をよく作り上げたな。たぶん企画の段階では面白かったのだろう。長澤まさみを持ち上げる傑作になったのであろう。ところが完成した作品はそうではなかった。この誤算はどこにあるのか。(ネタバレあり)1.三谷幸喜が長澤まさみに入れ込みすぎて元夫たちの言動でスオミを持ち上げようとしたがあまりに不詳すぎて持ち上げられなかった。2.5番目の夫役の坂東彌十郎がはじけなかった。撮影現場ではよかったのかもしれないが、映像では大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ほどのひょうきんさ、面白味がなかった。3.3番目の夫役の小林隆もはじけなかった。まじめな男が醸し出す真面目であるがゆえの面白味がこの作品では発揮されなかった。4.1番目の夫役の遠藤憲一は悪くはなかったが良くもなかった。これまで彼が見せていたほどの面白さ。5.後半というか終盤にスオミが登場するのだけれど、夫たちに詰問される時の七変化(映画では五変化)が嘘くさい。ゆえに面白くない。相手によって豹変する姿がこわれたおもちゃのようで見ていられない。6.長澤まさみがスオミの母役としても登場するのだが、母役が彼女である必要性が感じられず、悪ふざけのように見えてしまう(監督の悪ノリ)7.瀬戸康史の演技もリアリティから逸脱するところあり。とはいっても良かったところもある。1.西島秀俊は主人公と言えるが、登場人物の中では一番リアリティがあったかも。2.2番目の夫の松坂桃李もベンチャー企業の社長っぽく軽薄なノリが良かった。3.さほどでもないはずなのに特筆すべき程、良かったと思えるのが、宮澤エマである。彼女をここまで演技させられるなら、なぜスオミも同じように演出しなかったのか、不思議である。4.本編とはまったく関係のないカーテンコールの歌とダンスが良かった。ここでスオミの意味が知れたのは大変良かった。といった感じであるが、この作品、見に行くには……?(お薦めしません)2024年/日本/114分/G監督:三谷幸喜脚本:三谷幸喜出演:長澤まさみ、西島秀俊、松坂桃李、瀬戸康史、遠藤憲一、小林隆、坂東彌十郎、戸塚純貴、阿南健治、梶原善、宮澤エマお薦め度「スオミの話をしよう」★★★(60%)
2024.09.14
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(C)Aamir Khan Films LLP 2024さて、今日は何を見ようか。ちょうどよい時間に見たい映画がなく、インド映画ということで一抹の不安を抱えつつ新宿ピカデリーに見に行った。シアター2という大箱なのに観客はまばら。この作品を選んで良かったのか?と不安になる。見てみると、警官へのワイロ、結婚詐欺などの問題を提起しておき、物語が進展していくとインドの結婚、農業事情、女子の進学といったインド社会の縮図のようないろいろな事柄を描き出した人間ドラマ。わからなかった真相がわかるにつけ、どうなることかと心配になるがクライマックスには感動が押し寄せて泣いてしまった。大団円となる結末に満足した良作。キャラクターにあった風貌のキャスティングで人が良さそうとか頭良さそうとかずる賢いとかわかりやすくていい。その反面、終盤での真相で見た目だけではないと思えて、深みがあった。松竹富士はいい作品を配給するなぁ。映画『花嫁はどこへ?』公式サイト|2024年10月4日(金)公開 (shochiku.co.jp)2024年/インド/124分/G監督:キラン・カオ原案:ビプラブ・ゴースワーミー脚本:スネハ・デサイ出演:ニターンシー・ゴーエル、プラティバー・ランター、スパルシュ・シュリーワースタウ、ラビ・キシャン、チャヤ・カダム原題:Laapataa Ladies(「追跡不能な婦人たち」)お薦め度「花嫁はどこへ?」★★★★☆(90%)字幕翻訳:
2024.10.08
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(C)2023 UNIVERSAL STUDIOS. ALL Rights Reserved.監督をチェックして見たらデビット・リーチ。よく知らないなと思ったけれど「ブラック・トレイン」の監督であると知り、納得。とんでもなくハチャメチャでありながら壮絶な死闘を描きスペクタクル映画である。すごい監督だ。「ジョン・ウィック」シリーズも「ケイト」もかかわっていて「ワイルド・スピード スーパーコンボ」も監督している。スタントマン出身とのことで本作のスタントシーン、カーアクションなどすべてお手の物といったところかもしれない。とにかくすごかった。ストーリーは良く練られていてややこしいところがあったりするけれど、破綻するようなところはなくて見どころ多い。しかし、練りすぎて観客の理解が追いつかないかなと思える気がしないでもない。内容が充実しているせいかライアン・ゴズリング、エミリー・ブラントという有名スターが主役ではあるけれど、もっとスターを使ってもいいのかも。トム・ライダー役のアーロン・テイラー=ジョンソンは私は知らなかった。彼の代わりに終了間際、超有名スターがキャスティングされていた点はニンマリできた。(笑)U-NEXTにて2024年/アメリカ/127分/G監督:デビッド・リーチ原案:グレン・アルバート・ラーソン脚本:ドリュー・ピアース出演:イアン・ゴズリング、エミリー・ブラント、ウィンストン・デューク、アーロン・テイラー=ジョンソン、ハンナ・ワディンガム、テリーサ・パーマー、ステファニー・スー原題:The Fall Guy(「身代わり」)お薦め度「フォールガイ」★★★★(80%)
2024.11.10
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