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(以下、Amazonより)”蛍、あなたに触れたいのに――。DVで心の傷を負い、カウンセリングに通っていた麻由は、蛍に出逢い心惹かれていく。彼を想う気持ちと不安。相反する気持ちを抱えながら、麻由は痛みを越えて足を踏み出す。切実な祈りと光に満ちた恋愛小説。”(以上、Amazonより)行動よりも気持ちが溢れる小説。彼女の小説を読むと島本理生に傾倒するのはなぜなんだろう?といつも思う。胸が少し締め付けられるような苦しみはなんなのだろう。この本、何かストーリーがあるわけではない。ドラマチックな展開があるわけではない。相手の気持ちと自分の気持ち。自分でもどうしようもない感情を、感情の起伏を見つめて感じて苦しくない方法を取ろうとする。でも、それは今は苦しくなくなるけれど、あとで苦しくなる。ならば今を乗り越える?いや、乗り越えない。乗り越えられない。でも、進まなければ。堂々巡りのような状態。いつかは……。島本理生を存分に味わえる作品なのかも。波打ち際の蛍 (角川文庫) [ 島本 理生 ]
2026.09.24
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©2026 フジテレビジョン BS フジ ビー・エー・シーこの映画を感賞した若者の落胆、失望したXを読んだ。そして見に行った。120点を求められる超大ヒット作品の最新作で80点の出来の作品を見せられても満足できないのは当然だと思える。まず入場者特典が良くない。ネタバレ注意と書かれてはいるが「特別捜査本部資料」とあれば上映開始までに時間のある観客は読んでしまう。そして登場人物の登場場所など詳細に書かれてあれば、カメオ出演の人でも驚きはない。シークレット(?)キャストを見つける楽しみはない。冒頭、重大な誘拐事件から始まる。犯人が警察に通報するなと言っているにもかかわらず、通行人たちのスマホなどでSNSにアップしまくられる。これで警察が動かないはずもなく、警察がその身を秘匿して金の運搬人を追跡している意味もない。そんな中、突然、青島が!…。(後は映画を見てください)冒頭の事件の大きさとその終息のつたなさ、無残さ。メインの料理よりも小鉢や付きあわせを次々に出される料理の如く、あちこちに過去の登場人物が顔を出す。意味なく出る人も多く、スリーアミーゴーズは3か所登場していたけれど、どこか一か所だけの顔見世で良かったのではと思える。他にも多くの人が登場するけれど、果たして必要だったのか?初めての映画「踊る大捜査線 THE MOVIE」の時には映画化ということで連続ドラマを凌ぐ緻密で秀逸な事件が組まれており、映画としてのスケールの大きさ、内容の素晴らしさは”ハリウッド映画と比肩”するくらいに思えた。一歩先を行って、物語の完成度は究極だったと思った。あっぱれな作品だった。それから第二作「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」でもスケールの大きさは失わず見どころのある作品だった。ところが、第三作「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」では面白さ、素晴らしさは失われていたようである。スピンオフや関連作を作るばかり。そして、第四作「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」を私は見ていない。久々に登場の本作「踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!」は楽屋落ちとでもいうべき、過去の作品、過去の登場人物を懐かしむために作ったように思える。極めつけはクライマックスでの青島の過去の回想。理由なく突然始まり、そして突然終わる。犯人たちの行動や動機は理由がない。映画作品の中で使われる言葉でいうと筋がない、のである。この筋がない作品が筋がない犯行を描いている点をアイロニーと感じて評価することもできるが、映画とは物語。筋があってこそであると考える私は評価しない。増田貴久が演じる真下勇気はとてもハーバード大(?)卒の気鋭の人物には見えない。気の弱い一人っ子であればアメリカでやっていけなかっただろうし、捜査本部長の任に当たることもできなかったと思えるから。この設定のちぐはぐさ(秀才であることと指揮官としての統率力のなさ)は看過しがたい。秀才で統率もできるが現場ではうまく機能しないという描き方の方がリアルであるし、手助けする青島の助力すべきところもあると思えた。台東署の柴田ひばり(趣里)が捜査本部にまで出張ってくる意味が分からない。美浦秋(白洲迅)は仕事に葛藤を抱いていたので、若き青島を反映させて、美浦が暴走、奮闘すれば面白かったのかもしれない。いいと思えた松下洸平は前半で消えて、問題行動があってもカットされなかった佐藤二朗は必要なキャラで重要な役どころをしているのでカットできないし、するべきではなかったと思えるので、カットされずに良かった。その助手の玉井詩織と厚生部の野呂佳代がとても良かった。一歩先をいくどころでなく、現状の世界を描くのでいっぱいという感じがした。2026年/日本/142分/G監督:本広克行脚本:君塚良一プロデュース:亀山千広出演:織田裕二、趣里、白洲迅、佐々木蔵之介、増田貴久、野呂佳代、玉井詩織、藤吉夏鈴、齊藤なぎさ、佐藤二朗、ユースケ・サンタマリア、真矢ミキ、水野美紀、甲本雅裕、寺島進、伊藤淳史、滝藤賢一、松重豊、松下洸平、斉藤暁、小野武彦、北村総一朗、立木文彦、津田健次郎、関智一、野島健児、林原めぐみ、山本高広、神木隆之介お薦め度「踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!」★★★(60%) 映画.com3.3/Filmarks3.4IMDb5.1/10
2026.09.23
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© 2026 UNIVERSAL STUDIOSオデュッセイアについて良く知らず見たところトロイ戦争後記、知将オデュセイアが故郷イタケに帰還する話であった。欧米では有名であるこの物語、よく知らないものでもあらすじくらいは知っているだろうし、宗教に関してゼウスやポセードンに関する認識もあるだろう。私はこれらをほぼ知らないし、知見もなく宗教観もなく戸惑った。見始めて、これはわけのわからん映画だな、と思った。しかし、トロイの木馬が登場してくると知っている話なのでわけがわかる気になってきた。イタケにおける求婚者たちの振る舞いも宗教的なものからくると理解すると再婚必至と迫られる王妃ペネロピの苦境も理解できた。無力な息子テレマコスが父オデュセウスを探す旅に出ると……。ここからは王の帰還の話の面白味を感じつつも宗教的なのか艱難辛苦の旅で異様な者たちがいろいろと出てきてイタケの武将や兵を襲う摩訶不思議な世界が繰り広げられる。この異様なシーンを見せられるのは映画の醍醐味といえるだろうか。回想で振り返られるトロイ戦争の悲惨さはすさまじく、IMAXで見た驚きはズンズンと胸に響く音響の不快さだった。今まで聞いたこともない胸に響く音。体をゆするほどの音圧、毒を食らったように感じる胸糞悪さはいままでの映画にないものだった。こんなにも恐ろしい、こんなにも圧倒する音響を聞いたことがない。過去、今まで見てきた戦争映画などで爆音に驚嘆したことはあれど、ここまで不快に思う重低音を感じたことはなかった。爆風のように浴びる音に慄(おのの)いた。この二度と味わいたくない音響を味わったのはIMAXで見た絶品の価値だと思う。グロッキーされる音を浴びるIMAXで見るべき映画である。クライマックスのアクションは素晴らしく、それまでの物語を集約していろいろなものが披露される。オデュセイアがただ一人弓引く強靭な弓が重要な意味を持つ。オデュッセイアとペネロピの夫婦の絆の強さ、ペネロピの王妃としての崇高さとたくさんの感動すべきものがあった。私はラストに落涙した。2026年/アメリカ/172分/G監督:クリストファー・ノーラン原作:ホメロス脚本:クリストファー・ノーラン出演:マット・デイモン、アン・ハサウェイ、トム・ホランド、ロバート・パティンソン、ルピタ・ニョンゴ、シャーリーズ・セロン、ゼンデイヤ、サマンサ・モートン、ジョン・レグイザモ、ジョン・バーンサル、ヒメーシュ・パテル、ビル・アーウィン、エリオット・ペイジ、ベニー・サフディ、コーリー・ホーキンズ、ミア・ゴス、トラビス・スコット原題:The Odyssey(「オデッセイ)お薦め度「オデュッセイア」★★★★(80%)字幕翻訳:アンゼたかし字幕監修:藤村シシン映画.com4.1/Filmarks4.3IMDb8.4/10
2026.09.22
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Voicemails for Isabelle (2026)邦題「ボイスメールで恋をして」だと主体は男性のウェスになるのだけれど、原題”VOICEMAILS FOR ISABELLE”だったら女性のジルが主体となると思える。この作品、主役がジルなので邦題がいかにも恋愛映画で客を惹こうとしているのかがわかる。さて、あまり過度な期待をせずに見たけれど、まずまず面白くて感動できる映画だった。ジルを演じるゾーイ・ドゥイッチが小柄ながらなかなかの曲者、顔も体も存分に使って表現する。美人と思えないのに美人に見える瞬間もあって、とても良かった。気になってググってみると母親がリー・トンプソン。驚き!彼女の娘が成人して女優として活躍しているなんて。ちょっと癖があるけれど演技力全開で奮闘するゾーイ、嫌いじゃないです(笑)。なくなった妹のスマホにずっとボイスメールを吹き込んでいる姉。新しい持ち主に渡ったあとも吹き込んでいるとその持ち主、彼女のボイスメールを聞き、興味を持ち、ずっと聞いてしまっている。そして、ついに彼女に会いに出かけるが……。有名料理店でキンカンをひたすら調理するジルが奮闘むなしく出世できず、ついには……というストーリーもおもしろく、恋物語と並行して楽しめる。数々の恋愛映画や配信番組「トップショー」などが引用されてくるのでそれらを見ているとより楽しく見ることができる。ややハチャメチャな展開ではあるけれど、感動してしまった。素敵な映画です。Netflixにて2026年/アメリカ/118分/監督:リア・マッケンドリック脚本:リア・マッケンドリック出演者:ゾーイ・ドゥイッチ、ニック・ロビンソン、ニック・オファーマン、ルーカス・ゲイジ、ハリー・シャム・Jr.、シアラ・ブラボ、ミーガン・ダンソ、トビー・サンデマン、リア・マッケンドリック、スペンサー・ロード、ギル・ベローズ原題:Voicemails for Isabelle(「イザベルへのボイスメール」) お薦め度「ボイスメールで恋をして」★★★★(80%)映画.com3.7/Filmarks3.9IMDb7.3/10
2026.09.21
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(C)2009 Asghar Farhadiこんなにも苦しい物語があるのか。信心深い人であると”コーランに誓え”と言われれば、何も言えなくなる。すなわち、誓えない……。この物語に登場する人々はプライドがあり、男の沽券に拘りあまり、妻をなくし家族をなくしてしまう。そんなドラマ。イランのテヘランに暮らす中流の上に属する夫婦は結婚生活14年だけれど、離婚の危機に瀕していた。子はかすがい、11歳の娘テルメが二人をつなぎとめていた。夫の父はアルツハイマーで介護を必要とし、知り合いの女性に頼むことになるが、重労働の上、宗教上の理由から他人の男性の膚を見ることはできず、十分な介護はできない。また彼女は男の赤ちゃんを宿している妊婦でもあった。ちょっと目を離したすきに路上に出て徘徊したこのアルツハイマーの老人を保護しようとしたが……。女性が男性を見るという困難さ。宗教におけるいろいろな制約。コーランに誓うことで何人も嘘を言えなくなる社会。ちょっとした暴力事件から訴訟・裁判沙汰になりもめまくる二つの家族。宗教をかさにきて強権を振るおうとする男たち。それぞれの家族を追い詰める様々な状況。とても見どころのある作品であり、息が詰まる内容で興味を持って見た。ラストシーンは切なくて辛い……。U-NEXT にて2011年/イラン/123分/G監督:アスガー・ファルハディ製作:アスガー・ファルハディ脚本:アスガー・ファルハディ出演者:レイラ・ハタミ、ペイマン・モアディ、シャハブ・ホセイニ、サレー・バヤト、サリナ・ファルハディ、ババク・カリミ、メリッラ・ザレイ原題:جدایی نادر از سیمین英語題:A Separation(「別離」)お薦め度「別離」★★★★(80%)映画.com ALL TIME BEST映画.com4.0/Filmarks4.0IMDb8.3/10
2026.09.20
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(C)藤本タツキ/集英社 (C)2024「ルックバック」製作委員会初見の感激も驚きも新鮮さも感じることなく見終えた。実写「ルックバック」に納得できずに、アニメを見直した。2026.09.13 映画レビュー 「ルックバック」見比べて気づいたこと、実写版「ルックバック」はアニメ「ルックバック」を踏襲し、説明なくテンポよく展開する冒頭部分を微に入り細に入り具現化映像化したものであった。いろいろな点で実写に当たり工夫されているところがあるようだが、それは気づけばそうだし、でなければ別にそこの違いを分からなくてもいいような気がする。それよりなによりわからなければいけない展開が物語があり、それを十分に咀嚼しかじることができたかどうか。実写版に乗り切れなかった私は実写版で描かれるアニメーション部分が納得できずにいた。内容をそぎ落とし突き詰めた映像がアニメであり、状況を情景からわかりやすくして肉付けしたものが実写だと思える。amazon prime video にて2024年/日本/58分/G監督:押山清高原作:藤本タツキ脚本:押山清高声の出演:河合優実、吉田美月喜、斉藤陽一郎、岡幸太、牧紅葉、吉橋航也、宮島岳史、高橋大輔、森川智之、坂本真綾お薦め度「ルックバック」★★★★☆(90%)映画.com ALL TIME BEST映画.com4.2/Filmarks4.1IMDb7.8/10
2026.09.20
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(C)2019 CREATE ENTERTAINMENT, LAZONA, KAMEL FILMS, TORNADO FILMS AIE, FCOMME FILM . All rights reserved.ブルース・ダーンが主演の映画なんて初めて見た気がする。そこそこ出演している中堅俳優だったという気がするけれど、長寿で活動できる俳優で名声と演技力のある俳優が少ないからかもしれない。とはいえ、主役とは良かった。老境というか最晩年と言っていい年齢になって知ったかつての想い人の病気の知らせ。有名舞台女優と演劇評論家の秘めたる恋。追いかける彼に対して彼女は夫のもとに戻ることにした。それから43年。アルツハイマー病となり老人介護施設に住まう彼女に寄り添いたく、昔の恋の火種を炎にして、彼は老人介護施設にボケ老人を装って潜り込む。彼女は彼のことをまったく覚えていなかった……。これが素敵な話だとは思わないけれど、ひょうこり思い出した昔の恋に焦がれて行動に出る老人の行動。娘家族の夫のスキャンダルによる不和も描きながら、孤軍奮闘する彼を見て、あれこれ思う映画であった。U-NEXT にて2021年/アメリカ/89分/G監督:マルティン・ロセテ脚本:マルティン・ロセテ、ラファ・ルッソ出演者:ブルース・ダーン、カロリーヌ・シオル、ブライアン・コックス、セレナ・ケネディ、シエンナ・ギロリー、ブランドン・ラーラクエンテ、ベロニカ・フォルケ原題:Remember Me(「僕を思い出して」)お薦め度「43年後のアイ・ラヴ・ユー」★★★☆(70%)映画.com3.6/Filmarks3.5IMDb5.8/10
2026.09.20
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以前、田辺聖子の本を読んで、そこの書かれてあった関西の女性の恋物語が面白くて、今回この本「言い寄る」を手に取ったが、あまりに性に奔放な主人公・乃里子にあっけにとられてしまった。思う存分楽しめたとは言えなかったので恋情に楽しみがあった前に読んだ本を、とさかのぼってみたが見当たらない。んぐ!?こんなことってあるのだろうか。さて、本作「言い寄る」は、なにもこんな題名つけなくてもと思える、直接的というか野暮ったい感じがする題名。ところが読み進んでいくと、男が女に言い寄ることを書いてあるので、さもありなんとこの題名の理由に合点もした。昭和48年に週刊誌に連載した本が今日読み継がれている。その内容は独身を謳歌しているような行動パターンであるけれど、その心はとても純真というか恋情にあふれてる。本人の性格と人間関係のあれやこれやで、はきはきものは言うものの、肝心なことは言わず終いみたいな。なんとも苦労する日々である。言い寄られて男になびいても愛する男には何も言えない。登場する男たちの厚顔で自我を通そうとする行動は強烈で身勝手で、でもなんかうらやましくも思える。てんやわんやの乃里子の日常をおもしろく読んだ。言い寄る (講談社文庫) [ 田辺 聖子 ]
2026.09.19
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著者:上村裕香の初の長編とのこと。殺人、いや自殺ほう助で執行猶予、保護観察の身となる20歳の女性の物語。(以下、Amazonより)”幼少期から十年間、学校にもほとんど通わず、北九州市の自宅で難病の母親をほぼ一人で介護してきた光莉。彼女は母の首吊り自殺を幇助した疑いで逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けてしまう。拘置所を出たあとは、叔母に引き取られて上京。二十歳の彼女は介護施設で働きながら中学の勉強をやり直すなど、青春を取り戻そうともがくなか、作家の日比谷と出会う。そして、自身の体験を小説にするよう勧められるのだが……。”(以上、Amazonより)女性は自らの物語を小説に書けずに作家・日比谷ヒビに書いてもらおうとする中、母と娘を置き去りにして出奔した父を探し出す……。とてつもなく重い思いがあると思える。動けない母を介護することがあたりまえと思ってきた子供の再生。大人として生きていくこと。社会は、世間は冷たく厳しいけれど、力になってくれる人はいる。受け止めるには重すぎる内容を描いた作品である。海の底に雨は降らない [ 上村 裕香 ]
2026.09.17
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「探偵小石は恋しない」の森バジルの本だ。5つの短編から成り立っていて、第一章 推理小説「探偵青影の現金出納帳」第二章 青春小説「イチウケ!」第三章 科学小説「FUTURE BASE」第四章 幻想小説「ラクア=プレズノと死者の記憶」第五章 恋愛小説「恋と病」エピローグといった構成である。これらの物語は関連を持っていて登場人物が継続して出て来る。また、時間を前後して、繰り返し同じシーンが出て来るのでユニークである。光景が映像となって頭に浮かびやすく楽しめる。奇想天外、空前絶後、時空横断のハチャメチャな設定もありながらM1グランプリなど現世の出来事を描き身近さも感じさせてくれる。体感できる感じのする物語であった。第四章の幻想小説などは設定がぶっ飛びファンタジーすぎるけれど、壮絶で下劣ながらみごとな展開であった。うなるしかない内容に驚き、驚天動地の思いを抱きながら読み終えた。ノウイットオール あなただけが知っている (文春文庫) [ 森 バジル ]
2026.09.16
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©藤本タツキ/集英社 ©2026 K2 Pictures・集英社期待した、大いに期待した。アニメ「ルックバック」はとても良かったからこそ、わざわざ実写にするのであれば、なかなか良いものを作ってくれるのだろう、と考えた。考え違いだった。私が期待したものではなかった。是枝裕和監督なのにである。彼は何を映像化、具現化したかったのであろうか。私がアニメ「ルックバック」で見たものは女の子たちの成長物語である。漫画をこよなく愛し、漫画を描き続け、お互いに尊敬と羨望と妬みと嫉妬を抱えながら、それでも一心不乱に描く。漫画に没頭する。その結果、二人の関係が壊れて別れることになるのだけれど、やむにやまれぬ感情があったことに感動した覚えがある。2024.11.09ブログ 映画レビュー prime video「ルックバック」不覚にも一瞬、意識が飛んでしまった(寝落ち?)起きて展開を追うも、混乱してしまった。アニメもこんな内容だっけ?似て異なる、のでは?私が深く感動したところについては設定が変えられていて、そのことで嫉妬や羨望が感じられなかった。描かれてなかった。この作品は「ルックバック」を題材に、映像美と音楽表現を追求したもののように映った。ヴェネチア映画祭で評価されたようだが、この作品を初見での評価であろう。しかし、アニメ「ルックバック」と比べると、残念といえる作品である。2026年/日本/99分/G監督:是枝裕和原作:藤本タツキ脚本:是枝裕和出演:出口夏希、蒔田彩珠、七瀬ふうり、岡田六花、野呂佳代、池田良、佐々木みゆ、山田真歩、宮藤官九郎、菅田将暉お薦め度「ルックバック」★★★(60%) 映画.com4.0/Filmarks4.0IMDb7.6/10
2026.09.13
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©2026「白鳥とコウモリ」製作委員会東野圭吾原作である。この小説を読んだのだけれど、映画のチラシを見た時に内容が思い出せず、記憶を消し去った状態で見始めた。しかし、見始めるとすぐにおおまかな内容を思い出し、それでも肝心のラストを覚えていず、興味津々と見た。刑事として登場の柄本佑に喜び、同僚に前原滉の登場で嬉しかった。三浦友和や井川遥、風吹ジュンの登場も嬉しかった。物語はクライアントにプレゼンをしている倉木和真(松村北斗)から始まる。不可解な弁護士殺人事件が発生。その犯人として父・倉木達郎(三浦友和)が自首する。この倉木の足取りを追って過去の殺人事件も浮き彫りとなってくる。被害者の娘・白石美令(今田美桜)は証言された父親が父親らしくないと不審を持ち、真実が知りたいと調査。加害者の息子の和真(松村北斗)も父の証言が信じられずに調査。殺人現場で出会った二人は一緒に捜査することにした……。映画作品として原作に沿ってうまく映像化していると思った。キー・マンとなる刑事役に柄本佑を配したことはとても良かったと思う。話は転換していき、真相がわかり、過去の事件も井之脇海たちで描かれていたので良かったと思う。事件解決一年後、和真はクライアントにプレゼントをしている。日常に戻ったところで幕にしてほしかった。この後、和真が美令を訪ねるシーンがあり、そこで幕となる。原作でもこのシーンがあるのかもしれないけれど、二人の関係のその後は観客にゆだね、わかりやすく描いてほしくなかったと思える。映画の定石となるが、冒頭のシーンに戻って終わる。プレゼンにはじまり、プレゼンに終わる、とすれば心地よさと二人の想いに思いをはせ余韻を楽しむこともできただろうと思う。2026年/日本/145分/G監督:岸善幸原作:東野圭吾脚本:向井康介出演:松村北斗、今田美桜、柄本佑、前原滉、井之脇海、宇野祥平、松岡依都美、松尾諭、丸山智己、三浦誠己、斉藤陽一郎、原田琥之佑、のせりん、漆山拓実、五頭岳夫、中村芝翫、井川遥、吉田羊、風吹ジュン、三浦友和お薦め度「白鳥とコウモリ」★★★☆(70%) 映画.com3.9/Filmarks3.9IMDb6.2/10
2026.09.13
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(C)2009 DW STUDIOS L.L.C and COLD SPRING PICTURES. All Rights Reserved.なかなか考えさせられる良い作品だった。ラブ・アフェアもエモーショナルで「私は大人の女性よ」と言ったアレックスがかっこよくて、演じたベラ・ファーミガが気に入った。主演のジョージ・クリーニーと共演のアナ・ケンドリックスも良くて2010年のアカデミー賞とゴールデングローブ賞の両方で全員が男優賞や女優賞にノミネートされている。さて、今となってはリモートワークも常態化するほどなので、この作品のように全米を飛び回って面談にて解雇を告げることもなくなっているかもしれない。当時はまだ面談で告げるというところで心理的に人情的に正論であったと思える。全米を飛び回りマイレージを貯める、そして1000万マイル獲得を目標とする。旅先でのラブ・アフェアにうつつを抜かし、人生に結婚を求めなかった男が妹の結婚式に参加したことに心境に変化を感じる。そして、行動を起こしたところ……。人生の悲哀、日常の機微をふり幅大きく情感的に描いた作品は思いのほか、良かった。U-NEXT にて2009年/アメリカ/109分/G監督:ジェイソン・ライトマン原作:ウォルター・キム脚本:ジェイソン・ライトマン、シェルドン・ターナー出演者:ジョージ・クルーニー、ベラ・ファーミガ。アナ・ケンドリック、ジェイソン・ベイトマン、エイミー・モートン、メラニー・リンスキー、エイミー・モートン、J・K・シモンズ、サム・エリオット、ダニー・マクブライド原題:Up in the Air(「宙ぶらりん」)お薦め度「マイレージ。マイライフ」★★★★(80%)映画.com ALL TIME BEST映画.com3.5/Filmarks3.5IMDb7.4/10
2026.09.13
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Isanghan byeonhosa Woo Young-woo (2022)この秋、『ウ・ヨンウ』日本版『南田南弁護士は天才肌』として芦田愛菜・主演でリメイクされるということで話題の韓国オリジナル版。高橋文哉が相手役で出演するので見なくてはならない。韓国ドラマ・ファンからお薦めいただいた本作を日本版が始まる前にと急遽、全話見ることにした。法廷物は嫌いじゃない。本作は法廷よりも主人公ウ・ヨンウを取り巻く環境、その中で、彼女が自らの特性、IQ164の天才的頭脳を発揮して自閉スペクトラム症をものともせず、いくつもの裁判で勝訴を重ねていくところが見ものである。法律という難しくお堅い感じのもののなかで人情や温情を描くこのドラマは見るものを感動させる。また、淡々と進む事務職員との恋愛も絡めて、訴訟、生い立ちにまつわる秘密、恋愛と同時進行で描かれるため切り替えもテンポもいい。最後まで見て、インターンから正職員に採用されたというクライマックスは大いに感動した。とても素敵でおもしろいドラマだといえよう。NETFLIXにて2026年/日本/全9話監督:ユ・インシク脚本:ムン・ジウォン出演:パク・ウンビン、カン・テオ、カン・ギヨン、ハ・ユンギョン、チュ・ジョンヒョク、チョン・ベス、チュ・ヒョニョン、ペク・ジウォン、チン・ギョン、チェ・テフン、カン・エシム、ハヨン、イ・ユンジ 原題:이상한 변호사 우영우お薦め度「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」★★★★(80%)映画.com4.4/FilmarksなしIMDb8.5/10
2026.09.12
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金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』|TBSテレビ演技巧者と見られる蒼井優と松山ケンイチが主演である。松山ケンイチは「時すでにおスシ!?」に続いて連ドラを見ることになる。浮気か不倫かと思える既婚者がそれぞれの伴侶でない相手と二人でバス旅行なんて、それだけでもう普通の関係ではないと思える。バスが事故を起こしてしまい、乗客乗員は死亡。悲惨な事故であった。ところが逃避行(?)の女性・園田あずさ(夏帆)は死亡したが、同乗の男性・瀬尾充(松山ケンイチ)の遺体が見つからない。捜査捜索するも見つからず、途中下車して行方不明ということがわかるなぜ彼は生存しているのなら妻・咲子(蒼井優)に連絡してこないのか。また、なぜ途中下車したのか。謎が解決しないままコインランドリーで園田の夫(中島歩)と咲子(蒼井優)との交流が始まり、続く……。バスの交通事故の遺族と遺族でない者との交流。ドラマの中には死亡したあずさ(夏帆)が姿を現し、それぞれと話をする。なんとも奇妙奇天烈な話である。また、行方不明だった夫の真相。これもまた不可思議なものであった。見ていても妙竹林(みょうちくりん)は話に?(はてな)を三つ以上思い浮かべながら、見入っていたのは脚本の妙味か出演者の演技力なのか。さて、最後まで見た感想は変人が変人と結婚して、普通の生活を送っていたけれど、やっぱり変人なので崩壊してしまったという、言葉にしたら絶対に映像化されない物語なのだけれど、人気と評判と数字を持っている人だと映像化されて、それをまた見続けるに値する作品にしたという快挙(?)といえるかも。お気に入り俳優・高橋文哉が出演していたのも挫折しなかった理由の一つである。
2026.09.12
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島本理生、好きな作家である。なぜ、ここまでシンパシイを感じるのか。アンニュイな雰囲気、小柄で女性であるという弱者の立場、ナイーヴでセンシティヴな風合いが私の心にマッチするのだろう。三作の短編からなる一冊。「大きなクマが来る前に、おやすみ」北海道に縁があるような主人公。暴力的で高圧的な父親は彼女の心に大きな痛手を負わせていた。亡き祖母のおかけで大学まで行けた女性。なんとなく始まった彼との生活は彼女にとってはおびえるものだったのか。「クロコダイルの午睡」はなりゆきでたびたび手料理を食べに来るようになった大学の同級生男子。彼を避けていたのは自分に似たところがるからなのか。生活圏の違いは感覚の違いとなるのか。白ワニの件がおもしろい。「猫と君のとなり」は中学時代の後輩と久々に葬儀で出会い、酔いつぶれた彼を介抱したところから始まる交流。彼の恋心は再燃す。感情の感じられない言葉に感情があることを知る。このままつきあうのか。若き男女の薄い感情から始まる交際に愛を感じる。そこにこの作家としての痛みの記憶、感情を散りばめる。はっきりとしない感情の行方をさも淡々と描く。そのイメージは読者を酔わす。大きな熊が来る前に、おやすみ。 (新潮文庫) [ 島本 理生 ]
2026.09.10
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オタクというか、あまりにマニアックな映画・音楽・漫画を羅列したぶっ飛んだ本だ。とんでもないのでリタイアしても良かったけれど映画化されていて、その映画を見たくもあったので読了した。主人公である朴秀美は南沙良のような気がした。今、見たら南沙良だった。映画好きな人気者、矢口美流紅は出口夏希だった。当然か(笑)。残る一人、岩隈真子は吉田美月喜だ。吉田美月喜は知らないので映画を見るときによくチェックしたい。さて、小説はあまりにぶっ飛んでいた。Wikipediaには”茨城県東海村を舞台に、工業高校に通う3人の女子高生たちがこのままでは未来が見えないと考えて、一獲千金を狙って同好会「オール・グリーンズ」を結成し、禁断の課外活動を始める姿が描かれる。”とある。原発に翻弄される茨城の田舎町で定員割れの工業高校へ通う、腐女子のような高校生。クラスに女子は3人しかいない。仲が良いとは言えない。将来に夢も希望も進学もなく、ラップに発露を見出していた女子高生がその土地では有名なラッパーにはめられそうになり、ぶちかましたことにより、大金の元になるグリーン(葉っぱ)を手に入れて……。下劣で低俗で悲哀に満ちた生活の中、アクセル全開でぶっ飛び生きていく主人公の迫力と行動力。毒々しい展開も結末のぶった切りENDもしびれる痛さだ。こんな本がどんな映画に仕上がっているか、楽しみ。万事快調〈オール・グリーンズ〉 【電子書籍】[ 波木銅 ]
2026.09.09
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(C)2022 le Bureau Films-Heimatfilm GmbH + CO KG-France 2 Cinema映画.comには”イザベル・ユペールが主演を務め、フランスの原子力会社の労働組合代表が国家的スキャンダルに巻き込まれていく姿を、実話を基に描いた社会派サスペンス。”とある。労働組合と会社側の丁々発止の争議の話の社会派かと思って見た。ところが、冒頭はそうであっても、その最中に発生したイザベル・ユペール演じるフランスの原子力会社の労働組合代表であるモーリーン・カーニーが自宅で襲われイスに縛り付けられていという事件が起こった。それに伴う、カーニーの警備、事件の真相の追求と月日は流れた。やがて犯人を示す物的証拠がみあたらないことからカーニー自身の自作自演ではないかとなり、被害者から加害者へととってかわった。その当事者カーニーをめぐる裁判の日々を描いたものであった。実話ネタであり、明白な解決があるかと思って見ていたが、真実が不明な展開となり……。この結末には釈然としない。なのに、なぜ映画化されたのかと思うと観客に問いかけることに意味があると思ったかもしれないと推察する。U-NEXT にて2022年/フランス・ドイツ/121分/G監督:ジャン=ポール・サロメ原作:カロリーヌ・ミシェル=アギーレ脚本:ジャン=ポール・サロメ、ファデット・ドゥルアール出演者:イザベル・ユペール、グレゴリー・ガドゥボワ、フランソワ=グザビエ・ドゥメゾン、ピエール・ドゥラドンシャン、アレクサンドラ・マリア・ララ、ジル・コーエン、マリナ・フォイス、イバン・アタル原題:La Syndicaliste(「組合活動家」)お薦め度「私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?」★★★☆(70%)映画.com3.7/Filmarks3.7IMDb6.6/10
2026.09.06
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The Bluff (2026)Amazon Prime Video Original としてアマゾンでされている。配信の視聴者囲い込みのためか、各々が各々の作品を製作して独占配信している。広く知れ渡った作品はいづれあちこちで配信されることもあるようだが、独占配信となる自社物は他者での配信は難しい。この作品、「ザ・ブラフ ブラッディ・メアリーの戦い」は大海原の海賊船の戦いというスペクタクルなシーンから始まり、孤島での1対多数の銃撃戦というハイライトを経ての画像にある1対1の戦いというクライマックスへとなだれ込む。冒険活劇でどんどん人が死んでいく、正しく血塗られた物語で映像的には見ごたえはある。このような作品のドンパチを楽しみたいか方には良いと思える。因縁の黄金の件とかあるけれど、もっと恨みつらみ、そして愛情を感じさせるものであってほしかった気もする。とはいえ、インドの名花、プリヤンカー・チョープラー・ジョナス演じるメアリーの大活躍は痛快であった。amazon prime video にて2026年/アメリカ/103分/監督:フランク・E・フラワーズ脚本:ジョー・バラリーニ、フランク・E・フラワーズ出演:プリヤンカー・チョープラー、カール・アーバン、イスマエル・クルス・コルドバ、テムエラ・モリソン、ザック・モリス、サフィア・オークリー=グリーン、ヴェダンテン・ナイドゥー、ゲイリー・ビードル、デヴィッド・フィールド原題:The Bluff(「断崖・絶壁」)お薦め度「ザ・ブラフ ブラッディ・メアリーの戦い」★★★☆(70%)映画.com3.1/filmarks3.2IMDb5.8/10
2026.09.06
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エッセイのように軽いタッチですらすら読めた。陽子さん58歳、専業主婦。一人息子は就職して家を出て定年退職し再雇用で働く夫と二人暮らし。はたと気づく、こんな生活(人生)を望んでいたのではなかったのに……。アラカンの専業主婦の思いがひしひしと伝わってくる内容。ほぼ同じ時代を生きてきたから痛いほどわかる時代感。ああ、そうなんだ。そうなのよねぇ、と他人事のようであり、自分事のようであり、シニアに向けてのあれこれ思う人生と日々。うん、そうなんだ。そうなんだよねぇ。うなずきながら読んだ(笑)陽子さんはお元気ですか? [ 山内マリコ ]
2026.09.06
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失礼ながら本作「モナリザの裏側」を読んだ時、作者・一色さゆりはいっぱしの作家になったなと思った。デビュー作「神の値段」を読んで、粗削りながらも用意周到に感じされる設定と展開に興味を持ち美術に関する小説ということで原田マハのように注目した。そして、ミステリーとして連作したコンサバター・シリーズ、「コンサバター 大英博物館の天才修復士」を読んでミステリーとアートの掛け算と思える妙味に興味を持ち「コンサバター 幻の《ひまわり》は誰のもの」「コンサバター 失われた安土桃山の秘宝」「ルーヴル美術館の天才修復士 コンサバターIV」「ダ・ヴィンチの遺骨 コンサバターV」も読み、「ユリイカの宝箱 アートの島と秘密の鍵」と「モネの宝箱 あの日の睡蓮を探して」でアートの旅と美術・芸術におよぶ人生観に感じ入った。そして「音のない理髪店」を読んで、感嘆する。作家としての実力をつけ読み応え、読みどころのある本を紡ぎだしてきた。そして、本作を読んだ時、予測のつかない展開に興味津々、あざやかと思える結末は各章感じ入るものであった。【オスロで光の種をまく】…絵を描く背景を読み解くことが出来、ためになった。【青い馬の瞳】…第二次世界大戦、ナチスの行状を知り、芸術を思う。【富士山のハンマープライス】…強烈な印象を残したプライスレスの芸術におけるプライス感。みごと。【千年のあこがれ】…画家・美術家としての胸中を、作家・一色さゆりの心に思いを馳せ、深く感じながら読んだ。【モナリザの裏側】…現代の小説といえる設定。その設定があることで母娘の思いを汲み取ることが出来たと思う。短編集であるが卓越した技術というか、力量を持って結実した作品たちに思えた。これからも素敵な作品を書いてください。モナリザの裏側 [ 一色 さゆり ]
2026.09.05
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猥雑な、とまではいかないけれど、複雑でややこしいこじらせてしまった感のあるストーリーであった。秀逸と感じさせるよりは困惑なダブルネーム。同定することを避け、読者を困惑させる設定。クライマックスの謎解きはおもしろいよりも消化不良を感じるような混迷さをはらんでいた。要はすっきりしない。とはいえ、恋の矢印が突如、浮上したエンディングはニヤリとした。とてもユニークで、とても迷路で、とても不明な、謎解きパラダイム(物事を見るための枠組み)。パラダイムシフトが起こるストーリーとして結実しているのかもしれない。ある種圧倒された、不可思議な物語であった。探偵小石は恋しない [ 森 バジル ]
2026.09.02
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NHK BSシネマで放送される映画の中からおすすめ作品を紹介します。9月のおすすめ作品は「ターミネーター」9/1、「暗くなるまで待って」9/2、「オレゴン魂」9/4、「ダ・ヴィンチ・コード」9/5、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」9/7、「リンカーン」9/8、「カリフォルニア・ドールズ」9/9、「天使と悪魔」9/12、「チャンス」9/14、「サンセット大通り」9/17、「雨月物語」9/21、「山椒大夫」9/22、「グリーンマイル」9/22、「近松物語」9/23、「キング・コング」9/26、「時をかける少女」9/27、「ジャッカルの日」9/28、「おとうと」9/29。この作品の中から選んだ5作品はこれら。未見の「雨月物語」「山椒大夫」「近松物語」「おとうと」を除き、また紹介済みの「ターミネーター」お薦め度★★★★(80%)「暗くなるまで待って」お薦め度★★★★☆(90%)「ダ・ヴィンチ・コード」お薦め度★★★★(80%)「カリフォルニア・ドールズ」お薦め度★★★★(80%)「サンセット大通り」お薦め度★★★★(80%)「グリーンマイル」お薦め度★★★(60%)「ジャッカルの日」お薦め度★★★★☆(90%)を除く。5作品となります。(チラシ画像の下のリンクは画像の出展元を掲載)(C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BMI)LIMITED「オール・ユー・ニード・イズ・キル」2026年9月7日(月)午後1時00分~Edge of Tomorrow2014 アメリカ /114分/G見た時にはわけがわからず、評価を低くしてしまったが、未だに忘れられない作品として強烈な印象を残している。それゆえ、素晴らしい作品なのかもしれない。主演はトム・クルーズ。お薦め度★★★(65%)映画.com3.8/Filmarks3.7映画.com ALL TIME BEST配信:Prime Video/U-NEXT/J:COM STREAM/TSUTAYA DISCAS2014.11.29鑑賞 「オール・ユー・ニード・イズ・キル」ブログ(C)2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION and DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC「リンカーン」2026年9月8日(火)午後1時00分~Lincoln 2012 アメリカ/150分/Gスティーブン・スピルバーグ監督が、ダニエル・デイ=ルイスでリンカーンを描いた伝記ドラマ。ダニエル・デイ=ルイスが3度目のアカデミー賞主演男優賞を受賞した。お薦め度★★★★(80%)映画.com3.4/Filmarks3.5映画.com ALL TIME BEST配信:DMM TV/TELASA/J:COM STREAM/TSUTAYA DISCAS2013.05.03鑑賞 「リンカーン」ブログ天使と悪魔 : ポスター画像「天使と悪魔」2026年9月12日(土)午後9時00分~Angels & Demons 2009 アメリカ/140分/「ダ・ヴィンチ・コード」のヒットを受けて、大評判。満席の映画館の思い出がある。宗教ものは馴染みも素養も知識もなく、やや難解に感じた。お薦め度★★★★(85%)映画.com3.4/Filmarks3.7配信:Prime Video/U-NEXT/Hulu/J:COM STREAM/TSUTAYA DISCAS2009.05.31鑑賞 映画「天使と悪魔」ブログチャンス : ポスター画像「チャンス」2026年9月14日(月)午後1時00分~Being There 1979 アメリカ/131分/「ピンク・パンサー」シリーズで有名なピーター・セラーズがゴールデン・グローブ賞主演男優賞を受賞した晩年の評判作。見逃していたけれど、2023.03.27にU-NEXTで見た。(鑑賞ブログ)お薦め度★★★☆(70%)映画.com3.6/Filmarks3.7映画.com ALL TIME BEST配信:U-NEXT2023年3月27日鑑賞キング・コング(2005年) | あらすじ・内容・スタッフ・キャスト・作品情報 - 映画ナタリー「キング・コング」2026年9月26日(土)午後9時00分~King Kong 2005 アメリカ/189分/第55回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞し、第75回アカデミー賞でも作品賞ほか7部門にノミネートされ、監督賞、主演男優賞、脚色賞の3部門で受賞した戦争ドラマ。ナチスドイツ侵攻下のポーランドで生きた実在のユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの自伝を映画化。お薦め度★★★★(85%)映画.com3.7/Filmarks3.5配信:Prime Video/U-NEXT/J:COM STREAM/TSUTAYA DISCAS2005年12月26日新宿プラザにて鑑賞
2026.08.30
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La Captura (2026)実話ネタなので見てみた。(以下、FILMARKSより)”勤務中に冷酷非道な麻薬カルテルのボスと遭遇してしまった、2人のメキシコ人警察官。シフト終了までの数時間を彼らは生き延びられるのか。実話を基にした犯罪ドラマ。Netflixで2026年8月21日配信開始”(以上、FILMARKSより)銃がはびこり、犯罪組織が国中にいることは恐ろしいことである。そんな中で大物を捕まえるのは至難の業。ワイロ、内通者がうようよいて警察内部だけでなく国家組織でも誰をどこを信じていいかわからない。それがこのような捕物になったのだろう。海軍からはじまり、警察、陸軍と総出での逮捕劇。クレジットでのヒーローの身元秘匿は現実を思い知らされた。Netflixにて2026年/メキシコ/91分/監督:チャバ・カルタス脚本:ベルナルド・エスキンカ原作:ヘクトール・デ・マウレオン出演者:アルフォンソ・ヘレラ、ノエ・エルナンデス、エクトル・コツィファキス、フアン・パブロ・クルス・ガルシア、パオラ・フェルナンデス、アントニオ・フォルティエ、アラン・デュレル、フェルナンド・クオートレ、ヘラルド・トレホ・ルナ原題:La Captura/Facing El Chapo(「ラ・カプチューラ/エル・チャポに立ち向かう」) お薦め度「カプトゥーラ -エル・チャポの逮捕」★★★☆(70%)映画.com---/Filmarks3.6IMDb6.7/10
2026.08.30
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(C)2017 Phantom Thread, LLC All Rights Reserved題名「ファントム・スレッド」を”脅迫の亡霊”と思っていたのだが、Thread(糸)をThreat(脅し)と取り違えたからの勘違いであった。ファントムは訳しにくく感じるけれど、「オペラ座の怪人」と訳されるようにここでは「糸の怪人」と仕立て屋が使う糸の達人のような解釈が一番妥当な気がする。本作の題名である phantom thread とは、19世紀のロンドンで生まれた表現であり、裁縫師たちが激務の後、そこに糸があるかのように(phantom thread)手が裁縫の仕草をしてしまう動作を指す言い回しである。 という一文を発見した。なるほど、そういうことか。さて、映画だが、来月9月にNHK-BSで放映されることを知り、ようやく見ることにした。「ファントム・スレッド」放送日時:9月15日(火)午後1:00〜午後3:12(NHK-BS)名優ダニエル・デイ=ルイスの引退作であり、アカデミー賞衣装デザイン賞受賞作である。静謐な生活を好む1950年代のロンドンで活躍するオートクチュールの仕立て屋レイノルズ・ウッドコックは、姉と二人でアトリエを運営しており、多くのスタッフを抱えていた。旅先で出会ったウェイトレスの女性アルマを気に入り、生活を共にするが猥雑な生活音を立てる彼女とは合わないようであった。それでも、紆余曲折の末、献身的な彼女を気に入り、結婚することになる。といった内容で映画は終わる。わがままな仕立て屋男の静けさと長い間を見続ける作品である。U-NEXT にて2017年/アメリカ/130分/G監督:ポール・トーマス・アンダーソン脚本:ポール・トーマス・アンダーソン出演者:ダニエル・デイ=ルイス、ビッキー・クリープス、レスリー・マンビル、ブライアン・グリーソン、カミーラ・ラザフォード、ジーナ・マッキー原題:Phantom Thread(「糸の幻影」)お薦め度「ファントム・スレッド」★★★☆(70%)映画.com3.6/Filmarks3.8IMDb7.4/10
2026.08.30
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©2026 Lions Gate Ent. Inc. All Rights Reserved.これはなんなのだろう。話題になっていたので、つい見てしまったが、見終えて改めて原作がスティーブン・キングだったことに気づいた。デス・ゲーム自体が好きじゃない。ゆえに、それに関する映画作品はほぼ見ていない。死が前提のものってトライすることがそもそもナンセンスに思えて、毛嫌いする。さて、このただ歩くだけの物語はそのロングウォークの成り立ちについては説明しない。軍が指導する国を挙げてのイベントということだけがわかり、未来の話だと理解するけれど、一獲千金のために生存率が50分の1といえるイベントに参加する気が知れない。前提について疑義を挟んではこの物語は成立しないのでスルーした。一歩も休むことなく、割と速いスピードで常に歩かなければならない。この映画のように何百キロも歩けるだろうかと思ってしまう。結末を見終えて、感動はなく、その意味するところ、面白さも享受することなく、意味不明とさえ思えることに、ただ、見たという満足感のみを得た。amazon prime video にて2026年/アメリカ/108分/R15+監督:フランシス・ローレンス原作:ウsティーブン・キング脚本:J・T・モルナー出演:クーパー・ホフマン、デビッド・ジョンソン、ギャレット・ウエアリング、トゥット・ニュオット、チャーリー・プラマー、ベン・ウォン、ローマン・グリフィン・デイビス、ジョーダン・ゴンザレス、ジョシュア・オジック、ジョシュ・ハミルトンジュディ・グリア、マーク・ハミル原題:The Long Walk(「長い歩行」)お薦め度「ロングウォーク」★★★(60%)映画.com3.4/Filmarks3.7IMDb6.6/10
2026.08.29
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(C)2025『か「」く「」し「」ご「」と「』製作委員会評判の映画だと気にはなっていたが、ほぼ知らないキャストでの高校生物語であることで見逃していた。気になった時点で、唯一わかる奥平大兼が覇気の感じられない俳優なので見ることを敬遠していた。注目の若手女優をAIに尋ねた時に早瀬憩がピックアップされて、見てみる気になったところ、一押しでピックアップされた出口夏希も出ていたので見ることにした。見る目が変わったせいか、この作品で見る出口夏希はとても素敵でモテる女子と言えそう。あとの仲良し5人組は見た目パッとしない(笑)。前出の奥平大兼の印象はそうだけれど、Aぇ! groupのアイドルである佐野晶哉もアイドル性やスター感を感じさせない背が高いだけの凡庸さで女子なのに背が高い菊池日菜子がそのスタイルで圧倒するくらいで、注目の早瀬憩もパッとしない。けれど、地味に見えてアンニュイさもあるような彼女は演技派として重宝される逸材なのかもしれない。超能力ではないが、いろいろなタイプで人の心や感情を汲み取れる各人各様の有り様は不思議でユニークで、通常の作品とは違った世界観のあるものとしてなしている。それゆえにある種の面白さを加重している。それぞれの特性(人の感情を読み取る力)を図として表現していて、それぞれの人物から見た仲間との関係をうまく醸し出している。見ていてとても面白かった。ただ、京(奥平大兼)がミッキー(出口夏希)と同じ大学に行かないのも、行くのもその意味がよくわからなかった。amazon prime video にて2018年/日本/115分/G監督:中川駿原作:住野よる脚本:中川駿出演:奥平大兼、出口夏希、佐野晶哉、菊池日菜子、早瀬憩、ヒコロヒーお薦め度か「」く「」し「」ご「」と「★★★☆(70%)映画.com3.6/Filmarks3.7IMDb6.4/10
2026.08.29
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高校生の松岡清澄が主人公なのか。彼から始まるそれぞれの物語、心持ちを淡々と描く。家族の姿、ありようはそれぞれが関わり合わないようにと思えるほど希薄だ。お互いのことがわからないようで自分のことだけ一生懸命で、と思える日々の暮らしである。それぞれがそれぞれである生き方はこれまでの結果。別れた夫と絶縁し一姫二太郎の姉弟の子供を育てた母とその実母との4人暮らし。唯一の男である清澄は刺繡が好きである。表題の「水を縫う」ということを気に留めていなかったけれど、6話からなる連作短編集のような最終章の第六章で伏線回収とも思えるような意味をそこかしこに見つけ、静かな物語であるのだが、大いに心を揺さぶられた。静かなる余韻、深い感動。この本を読めたこと、読んだことが嬉しい。寺地はるなの本は「リボンちゃん」「こまどりたちが歌うなら」「川のほとりに立つ者は」と読んでいるけれど、これほど感動したのは驚きである。著作はたくさんあるようなので、これからもたくさん読みたい。水を縫う (集英社文庫(日本)) [ 寺地 はるな ]
2026.08.27
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ドキュメンタリーの文章なのかと思ったけれど、どうなのだろう。ロマンス詐欺ということだけれど、恋はしていても恋仲ではないように思えて、頼りになる親戚の兄さんくらいの距離間で、過剰に筆者がのめり込み援助しすぎたように思えた。また、書かれた内容は上目線に思え、大学の名誉教授であった私でさえ騙されたのだから、読者はよくよく気をつけて同じような失敗は繰り返さないようにと言った感じである。筆者が定年退職されているのに手元に預金が少なく、あちこちの親戚や友人に借金をしまくりとあったので初手の数百万円以外はみな借金だったのかと思えた。友人に頼んで350万円もの借金をした話は載っているけれど、その借金を返した話も詐欺の相手が捕まった話も凍結されていた振込先口座のお金の話も決着がない。ひとりで孤独をかこっていた69歳の老人がいそいそとお金を振り込み続けた軌跡だけがわかる。友人や親せきの信用を無くした70歳の老人は今、どのように暮らして立ち直っていこうとしているのか。そこまで書けていたら、もう少し読み応えのある本になっていたと思える。70歳の法学者が、なぜロマンス詐欺に騙されたのか [ 高倉 良一 ]
2026.08.26
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第23回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作!!ミステリー感があまりないけれど、おもしろく楽しく読んだ。(以下、Amazonより)’’大学一年生の市倉小春は漫画家を目指しつつ、大阪府豊中市にあるパン屋〈ノスティモ〉でアルバイトをしていた。あるとき、同じパン屋で働いている親友の由貴子に、一緒に行くはずだったライブビューイングをドタキャンされてしまう。誘ってきたのは彼女のほうなのにどうして?疑問に思った小春は、彼女の行動を振り返り、意外な真相に辿りつく……。パン屋を舞台とした〈日常の謎〉連作ミステリー!’’(以上、Amazonより)表紙の絵が素晴らしく、きっと主人公はこんな女性なのだと想像しながら読んだ。パンの作り方や味わいが書かれてあって、関西風味を加えたような小事件の連続はとてもおもしろく読めた。あとがきの講評を読むと作者は漫画家であるらしく、このような嬉しい展開にしたのかなとほっこりするような作品で微笑ましく思えた。謎の香りはパン屋から [ 土屋うさぎ ]
2026.08.25
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(以下、Amazonより)’’内海薫が刺された。犯人は70歳ほどの老人。飛び降り自殺を図るも失敗し、取り調べには黙秘を貫く。やがて内海に恨みを抱く若い娘が捜査線上に浮かぶが、老人との関係は不明。それどころか、内海への本当の復讐はこれからだった。彼女が迫った「究極の選択」とは一体――。一方、湯川と草薙は、老人の“ある持ち物”を手掛かりに、「忘れてはいけない謎」の扉を開く。シリーズ最新、最高峰の謎がいま明かされる。’’(以上、Amazonより)ガリレオ・シリーズ最新作。全く知らなかったが、送り仮名をつけた漢字を別読みで意味のある言葉をお題に小説を書くという募集をしていたようだ。結果、最優秀の言葉でなく、優秀作から二つ、一部と二部でこの物語「永遠の記憶」を書き下ろした。率直に言って絶賛できるほど秀逸な物語ではないと感じた。しかし、第二部の終幕。過去の事件との絡みが出てきた時に心の底が震えるような感じがした。これが東野圭吾の遺作となるのか。まだ、次なる作品を執筆していたのか、知る由もないが、闘病生活をしていたならば、これが最期の作品なのかもしれない。直木賞選考委員を辞退された時にまだ若く期間もそれほど長期に及んでなかったので、多くの作品を書きたいという辞任理由を不審に思い、病気か何かかと頭をよぎった記憶がある。ご本人が何も発表なさらないので、まだ若く力のあるうちに精力的に書いていきたいと思ったのだろうと考えなおしたが、すでに病と闘かっていたのかもしれない。平均寿命まで生きなくても、せめてあと10年生きて、多くの傑作を残したかったと思える。表紙の下地が真っ黒であることにこのたびの訃報を暗示しているような気もした。この本の事件にかかわる過去の事件の本を読み直してみたいと思った。永遠の記憶 [ 東野 圭吾 ]
2026.08.24
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男はつらいよ 私の寅さん | 作品 | 松竹映画『男はつらいよ』公式サイトマドンナ役を演じた岸惠子さんの訃報を悼み、見てみた。ロケ地として大分と熊本が出て来るが、おじちゃんとおばさんとさくらと博と満男の家族5人での3泊4日の旅行先だった。本来、寅次郎が奮闘するのがロケ先であるのだが、今回は東京・柴又がその地となりメインは東京都となる。フランスのパリ在住で、テレビドラマ「赤い疑惑」の中での’’巴里の伯母様’’の印象が強い岸惠子にはスペインではなくフランスに飛んでほしかったが、絵となるとスペインだったのだろうか。また、「赤い疑惑」は1975年のドラマなので、1973年の映画では岸惠子にそれほどパリ感はなかったのかもしれない。とはいえ、スレンダーな彼女をキリギリスと呼ぶ蔑称に思える単語は現代なら使用禁止となったかもしれない。彼女を売れない絵描きとした設定よりはモデルやファッション・デザイナーとしてより洗練された女性として見せてくれたら私的には嬉しかったかもしれない。映画撮影時、渥美清45歳、岸惠子41歳。釣り合う年齢で中年といったところがいい。ワンシーン登場の津川雅彦がその外連味を見せつけ気障な金持ち男を演じているのが板についてて良し。男女の恋愛よりは友愛といった微妙な気持ちを表現しようとしたところが不思議に思えるが、寅さんシリーズで最高最大の動員観客数とのこと。’’観客動員:241万9000人(シリーズ歴代 1位)’’(Wikipediaより)これは、前作の「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」’’観客動員数:239万5000人(シリーズ歴代 2位)’’(Wikipediaより)の余波であろう。鑑賞ブログ2020.09.13 第1作「男はつらいよ」2013.06.22 第11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」2017.03.02 第17作「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」2012.01.29 第39作「男はつらいよ 寅次郎物語」2020.02.09 第46作「男はつらいよ 寅次郎の縁談」2020.01.11 第50作「男はつらいよ お帰り 寅さん」
2026.08.23
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しあわせは食べて寝て待て | NHK特集ドラマ「しあわせは食べて寝て待て~早春の養生編~」放送日決定のお知らせ - NHK作品の中の冬服着用の状況から、また題名からも本来これは2月3月の早春に放送されるものだったかも知れないと想像する。番組編成の関係からか、もしくは何かの思惑でこの日の 2026年8月18日(火) 夜10時~11時12分に放送された。暑い日が続く夏の日に、冬コートの映像を見る。なんだかなぁ。さて、内容は雰囲気が連続ドラマのまま。そこはかとなくただようほんわか倦怠感。治らない病気を抱えながら無理のない仕事、無理をしない近所付き合い。連続ドラマで登場した人物たちがカメオ出演と思える程度にしか出演しない不満と満足を感じつつ、ドラマ全体での完結具合を見るけれど、完結しないところがこのドラマのあるべき姿、と思い至る。日々の暮らしが続いていく。なんとも、いいなぁ。
2026.08.23
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© 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved推し女優、母親として八面六臂の活躍を見せる異空間恐竜映画である。突然、恐竜たちがたくさん出てきた状況が呑み込めないまま、脱出を図ろうと奮闘する一家族を描く。「ジュラシック・パーク」ほどのスペクタクルも超大作感もないけれど、陳腐にはならない程度で異空間恐竜映画を満喫できるように作られている。次々と恐竜たちの食い物にされていく人間を映し出し、必死に脱出と抵抗を試みる家族たちはすごい。驚きのクライマックスと意表をつくエンディングで楽しめる作品に仕上がっていると思える。2026年/アメリカ/100分/G監督:デビッド・ロバート・ミッチェル脚本:デビッド・ロバート・ミッチェル出演:アン・ハサウェイ、ユアン・マクレガー、メイジー・ステラ、クリスチャン・コンベリー原題:The End of Oak Street(「オーク・ストリートの終わり」)お薦め度「オークストリートの異変」★★★☆(70%)字幕翻訳:野口尊子映画.com3.4/Filmarks3.8IMDb6.6/10
2026.08.22
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リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界 : ポスター画像リー・ミラーという女性報道写真家がいたことを知らなかった。ヒトラーの浴室を写真に収めたということで有名らしい。ケイト・ウィンスレットが演じるので見てみた。ヨーロッパの話で第二次世界大戦の巴里も舞台になるのでマリオン・コティヤール、ノエミ・メルランというフランス女優も出演するが全編ほぼリー・ミラーの半生と従軍しての撮影のシーンが多いので、ケイト・ウィンスレットが演じるリー・ミラーを映し出す内容である。戦場の悲惨さ、むごさを映し出そうとしているのだが、いわゆる戦争映画には及ばない気がしないでもない。描きたかったのはリー・ミラーであるならば、むべなるかな。amazon prime video にて2023年/イギリス/116分/G監督:エレン・クラス原作:アントニー・ペンローズ原案:レム・ドブス、マリオン・ヒューム、ジョン・コリー脚本:リズ・ハンナ、マリオン・ヒューム、ジョン・コリー出演:ケイト・ウィンスレット、アンディ・サムバーグ、アレクサンダー・スカルスガルド、マリオン・コティヤール、ジョシュ・オコナー、アンドレア・ライズボロー、ノエミ・メルラン、アリンゼ・ケニ原題:Lee(「リー」)お薦め度「リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界」★★★(60%)映画.com3.8/Filmarks3.9IMDb6.9/10
2026.08.22
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ちょこちょこ読み始めたせいか、話が頭に入ってこない。登場人物の女性たちがひらがな二文字のなまえであたまに「お」ついたり、下に「ちゃん」がついたりで混乱した。そして女性なのに自分のことを「おれ」というので男の言葉に思えて、これまた混乱した。長い人生、半生の物語なのだが、時間が10年くらいとんでしまったりで、話をなかなかつかまえられず、最後には字面を追うだけのように読んでしまった。私にはおどろおどろしさと驚きを感じさせてくれたが、神妙に思うことはなかった。私には合わない作品なのかもしれない。けんぐゎい [ 朝倉かすみ ]
2026.08.20
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短編書下ろし集を読んだ。新潮文庫の100冊50周年記念作品とのこと。新潮文庫の100冊」50周年記念作品。(以下、Amazonより)’’ここでしか読めない全編文庫書き下ろし!7人の作家が「夏」をテーマに描く小説の面白さが全て詰まった奇跡の一冊!これはこれまで小説を愛してきてくれた人へ、そしてこれから小説の世界へ一歩踏み出す人へ贈る一冊のプレゼント。何気なく読んだ物語が、ふと目にした一行が、意外な言葉ひとつが、人生を大きく変える。現代を代表する7人の作家が「夏」をテーマに書き下ろした、驚きと切なさ、怖さと不気味さ、何よりとびきりの面白さを詰め込んだ奇跡の一冊。さぁ、あなたの人生に小説という選択肢を。’’(以上、Amazonより)■目次(※掲載順)伊坂幸太郎「ウッドペッカー荘事件」江國香織「二つの宇宙」宮部みゆき「真実のトランク」町田そのこ「きっとあの日の光と同じ」米澤穂信「無明」梨木香歩「見越しのマツ」恩田陸「伝説の季節」とある。その作家さんを読んでいればこそ楽しめる短編なのかもしれない。プレゼント(新潮文庫) 【電子書籍】[ 伊坂幸太郎 ]
2026.08.19
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一目会いたかった岸惠子さん。2026年8月7日に逝去とのこと。彼女の代表作である映画「君の名は」は見たことがない。岸惠子さんを初めて知ったのはテレビドラマ「赤い疑惑」で主演の山口百恵のパリの叔母様であった。百恵の父役の宇津井健の妹役、パリ在住の叔母。スレンダーな容姿は外国住まいの上流を思われてくれた。記憶に残るのは朝ドラ「こころ」で伊藤蘭の母親役、主演・中越典子の祖母役である。細身の中越の祖母として納得のいく岸恵子の立ち姿のスレンダーな見事さ。伊藤蘭も同じく立ち姿が美しかった。映画は「たそがれ清兵衛」しか見ていないのだが、この作品の彼女の記憶はない。と、思ったら「細雪」を見ていた。細雪 : 作品情報・キャスト・あらすじ - 映画.com岸惠子さんを意識したのは晩年、著書を読んでからである。2016.03.11 「歩いて行く二人」岸惠子 吉永小百合:対談 世界文化社このときは吉永小百合目当てで読んだ。2021.06.19 「岸惠子自伝 卵を割らなければ、オムレツは食べられない」岸惠子:著 岩波書店2022.06.30 「わりなき恋」岸惠子:著 幻冬舎文庫2023.01.15 「愛のかたち」岸恵子:著 文藝春秋2024.10.24 「91歳5か月 いま想うあの人 あのこと (幻冬舎文庫) [ 岸惠子 ]」岸惠子:著 幻冬舎岸恵子さんのトークショーに行けなかったことが悔やまれる。著書を読んで、その人となりに関心を持ち、お会いしたかった、お顔を拝見したかった。ご冥福をお祈りいたします。
2026.08.19
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川口春奈「広告業界のタブー破った」電撃婚でスポンサーは大混乱…気になる次のCM女王”最有力候補”の記事では、川口春奈のあとは今田美桜とあり、芦田愛菜の名も生見愛瑠の名もある。しかし、そんな既知の大有名人よりはネクスト・ブレイクというか知名度を上げている若手が良いような気がする。川口春奈は大河ドラマの代役で再ブレイク、その後は主演をまかされるようになった。大河ドラマの代役つながりで白石聖が良いと思えるし、朝ドラの上坂樹里も良い。上坂樹里はローソンのCMに出演していて、ローソンの早業に驚いたものだ。何を隠そう、上坂樹里は私の一押しである(笑)。そういえば、出口夏希もいいな。AIにきいてみたら大友花恋、南琴奈、早坂美海という名も挙がった。はてさて、誰が今年や来年のCM女王になるか。楽しみである。白石聖 | FLaMme official website「ローソン51%増量」の衝撃。佐野勇斗、ヒコロヒー、上坂樹里…PRタレントも増量だ |BEST TiMES(ベストタイムズ)INCENT GROUP Official Site大友 花恋 | アーティスト | 研音 - KEN ONBOX CORPORATION早坂美海 | スターダストプロモーション
2026.08.18
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(C)2026 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.映画館へ見に行こうと思った作品である。結果、行かなかった。フランケンシュタインが出て来る物語。原作者メアリーの名前が出て来るので「メアリーの総て」のような傑作なのかと気持ちが弾んだ。2019.08.12ブログ「メアリーの総て」キャスティングも「ハムネット」のジェシー・バックリーに「ダークナイト」「フォードvsフェラーリ」のクリスチャン・ベール。アネット・ベニングにジェイク・ギレンホールにペネロペ・クルスと有名大スターが連なると期待せずにはいられない。そして、脚本・監督がマギー・ギレンホールとなれば、さらに期待が高まる。見終えてみると、期待外れというか私好みではなかった。フランケンシュタインが花嫁を求めるという動機が希薄だった点。墓を掘り起こし、死者を行き返えらせる点。映画スターの足跡を追って各地を飛び回る点。その他もおもしろみとして描かれているものが要所要所つながりも理由もなく、不可思議なものばかり。観客が納得のいく説明や展開があれば良かったと思う。結局、わけの分からない終わり方となってしまう。にぎやかしで悪ふざけの作品と切り捨てるしかないのかなぁ。U-NEXT にて2026年/アメリカ/127分/PG12監督:マギー・ギレンホール脚本:マギー・ギレンホール出演者:ジェシー・バックリー、クリスチャン・ベール、ピーター・サースガード、アネット・ベニング、ジェイク・ギレンホール、ペネロペ・クルス原題:The Bride!(「花嫁だ!」)お薦め度「ザ・ブライド!」★★★(60%)映画.com3.4/Filmarks3.5IMDb5.6/10
2026.08.16
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ボディーガード・キリの第2作。痛快エンタテイメントのアクション・ヒーロー物語。(以下、Amazonより)’’目の前で依頼人が爆死!?自分は呪われている―生前に残した言葉の意味は?本名、年齢不詳。凄腕のボディガード・キリ。依頼人との打ち合わせ場所に指定されたホテルに到着した途端、ホテルが爆発した! しかも爆死したのは依頼人のトマス・リー。ニュージーランド在住のフィッシングガイドだが、その正体は増本貢介という日本人だった。リーにキリを紹介した大物フィクサー・睦月の話では、増本は生前「自分は呪われている」と話していたという。増本は呪い殺されたのか!? キリは睦月から事件の調査を依頼される……。’’(以上、Amazonより)何という不思議な現象。これは神がかりなのか、念力で人を呪い殺せるのか?焼き尽くせるのか?爆破できるのか?その真相にたどり着くためにキリは奔走する。中背細身でとてもボディガードに見えないキリが関わり合う美女たちに惚れられながらも銀座や赤坂の街を深夜に動き回る。クライマックスは急展開。驚きの結末ではあるが、この時、本文で種明かしされるよりも、真犯人はそうではないかと気づいてしまう。それぞれの思いの深さ、強さに驚き、おののく内容である。爆身 (徳間文庫) [ 大沢在昌 ]
2026.08.15
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(C)1984 Studio Ghibli・H金曜ロードショーで「風の谷のナウシカ」を放送していた。こどもが見ていたので見ることにした。以前、見たのは映画館であった。2020.08.13ブログ「風の谷のナウシカ」”Nausicaa of the valley of the wind” in a movie theater初めて見たのがビデオで、お薦めされて見た。それが、39年前。それから数回目の鑑賞となる。感動も感心も遠く過ぎ去り、記憶と心に残ったシーン以外はこうだったのかと思いながら見た。ナウシカの無私とも思える心。命を賭しても他の生き物を救おうとする行動。戦争を起こすものは勝つと思うから始めるのだろうけれど、勝負は時の運、必ず勝つとは限らない。いろいろと思いながら、感じながら、見た。(「風の谷のナウシカ」2017.02.27のブログ)1984年/日本/116分監督:宮崎駿原作:宮崎駿脚本:宮崎駿出演:(声の出演)島本須美、辻村真人、京田尚子、納谷悟朗、永井一郎、宮内幸平、八奈見乗児、矢田稔、吉田理保子、菅谷政子、貴家堂子、坂本千夏、TARAKO、松田洋治、冨永みーな、寺田誠、坪井章子、榊原良子、家弓家正、水鳥鉄夫、中村武己、太田貴子、島田敏、野村信次、鮎原久子、大塚芳忠お薦め度「風の谷のナウシカ」★★★★☆(90%)映画.com ALL TIME BEST映画.com4.3/Filmarks4.0IMDb8.0/10
2026.08.14
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東京都美術館開館100周年記念 大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画|東京都美術館昨日「東京都美術館開館100周年記念 大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」の展示会を見てきた。そこそこの来場者で平置きになっている絵巻などは列が遅々として進まず、何を見ているのか、何を読んでいるのか。待つことに耐えられず列の肩越しから眺めて通り過ぎる。壁掛けの絵もじっくり見ることが出来たものもあれば、あまりの団子(渋滞)にながら見過ごしたものもある。とはいえ入場して約二時間、ゆっくりじっくり見たものだと思う。見たことのない浮世絵を、日本画を、掛け軸を、屏風を見て、江戸時代に隆盛を誇った絵師たちの偉業を顧みた。満足の行く美術館探訪であった。【開幕レポート】東京都美術館開館100周年記念「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画」10月18日(日)まで東京都美術館(上野公園)で – 美術展ナビ時代を超えて守られ受け継がれゆく日本の美。「大英博物館 日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画」(東京都美術館)レポート|Tokyo Art Beat
2026.08.14
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Humint (2026)ヒューミントとは、人間を媒介とした諜報のことをいうらしい。この映画で見る限り、その捜査したい状況に置かれている人に密告をさせるもののようだ。そして、この作品ではその密告がばれて消されてしまうということを阻止しようとする諜報部員を描く。北朝鮮と国境を接するロシア極寒の街ウラジオストクで繰り広げられる壮絶な銃撃戦がクライマックス。韓国国家情報院(NIS)のブラック要員・チョ課長(チョ・インソン)は麻薬取引の捜査でウラジオストクに潜入する。また、北朝鮮の国家保衛省の捜査官パク・ゴン(パク・ジョンミン)は北朝鮮総領事のファン・チソン(パク・ヘジュン)の不正の捜査にウラジオストクへと送り込まれる。この二人に絡むレストランの従業員チェ・ソナ(シン・セギョン)が北朝鮮総領事に逮捕され北朝鮮へ送致されることに。しかし、闇取引に巻き込まれロシアに……。見どころ見ごたえのある丁々発止の攻防戦。敵が味方か、見方が敵か。疑心暗鬼になってしまう北朝鮮は恐ろしい。圧巻の映画だった。氷の街で交錯する4人の運命・・。氷の下に沈められた真実を巡り、南北の要員たちがスパイ活動(HUMINT:ヒューマン・インテリジェンス)を展開し、命懸けの死闘を繰り広げる。Netflixにて2026年/韓国/121分/監督:リュ・スンワン脚本:リュ・スンワン出演者:チョ・インソン、パク・ジョンミン、パク・ヘジュン、シン・セギョン、ロベルト・マーザー原題:휴민트/HUMINT(「人的情報」) お薦め度「HUMINT ヒューミント」★★★★(80%)映画.com3.1/Filmarks3.5IMDb6.4/10
2026.08.13
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(画像提供=SBS)『エージェント・キム:リアクティベーティッド』Netflix見てるならとお薦めいただいた「エージェント・キム:リアクティベーティッド」を見た。全10話、なかなかの過激で重みのある作品だった。とても良かったと思う。第一話でシングル・ファーザーで女子高生を育てる小市民サラリーマンおじさんが登場する。一階にクリーニング屋がある二階に住んでいる。年頃の娘との意思疎通に悩むお父さん。娘は学校で快活に過ごしてると思ったけれど都合よく使われる女子一人を除いては友達と呼べる者はなく、新興財閥の娘のグループに意地悪され、それがエスカレートする。その結果、いじめ問題が逆噴射!いじめていたほうがいじめられていたという体になり学校側は金持ち優遇、小市民の娘は転向を余儀なくされる。それなのに、財閥の娘は腹の虫がおさまらず、小市民の娘を呼び出し、ひと悶着。怒りにまかせた令嬢は小市民の娘を殴り殺してしまう。遺体を遺棄され、行方不明となった娘を探し、小市民サラリーマンが奔走する……。この小市民が正体を偽る元凄腕エージェントのキムであり、彼が娘の行方を探し求めていくと、新興財閥のチュハク建設の悪逆非道の裏仕事が明らかになり、また北朝鮮の諜報部の暗黒活動も知られてくる。命を懸け、祖国のためにと全身全霊をかけた戦いが単に幹部の出世に利用されていたなどとんでもないことが次々と明らかになり、外交や諜報のひどさが描かれる。とんでもない銃火器や大勢の敵がかかってくるのだが、元エージェント・キムは長年の友人であるテコンドーの使い手ソン・ハンスと元海兵隊のパク・ジンチョルとともに無敵の戦いを制していく。どのキャラクターも濃いけれど、この主要3人はすごくて、何をしてもかわらない寡黙な男のエージェント・キムとテコンドー道着でのしていく道場主と恐妻家であり一番様相がカメレオンのようにかわる打たれても倒れない強靭な男パク・ジンチョルの三者三様はすごい。パクの変貌ぶりが本人とわかるけれど超絶変化しているのは驚きであった。アクションの武闘はすごいし、爆発などのスペクタクルなシーンも圧巻だし、人の心を持ち合わせない自分ファーストの考え方、その行動がありえないくらい恐ろしかった。悪漢たちに人情という感情が一ミリもない、と思える。これが現代のドラマなのか!‥‥‥。衝撃すぎる。タイプは違うがキムの娘キム・ミンジを演じたソ・スミンとキムの同僚チョン・サンアを演じたソン・ナウンはかわいくて、とても好感が持てた。NETFLIXにて2026年/日本/全9話監督:イ・スンヨン脚本:ナム・テジュン出演:ソ・ジソブ、チェ・デフン、ユン・ギョンホ、チュ・サンウク、ソン・ナウン、キム・ソンギュ、イ・ジェヨン、ウォン・ヒョンジュン、パク・ジヌ、チョ・ボンネ、イ・ドンハ、ソ・スミン、キム・ギョンリョン、キム・デハン原題:김부장/Agent Kim Reactivatedお薦め度「エージェント・キム:リアクティベーティット」★★★★(80%)映画.comなし/Filmarks4.2IMDb7.6/10
2026.08.13
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Ladies First (2026)お気に入りのロザムンド・パイクが主演なのでコメディとあり、見てみた。冒頭は良かったが、男の主演、CEOが頭をぶつけて現実世界とは男女の立場が逆転した異世界へと入り込んでしまった。抜け出すには、元の世界に戻るにはこの異世界でCEOに上り詰めなければならない。この異空間に行ってしまった時点で興味を失い中断しようと思った。私には不向きな映画である。しかし、すでに25分見ている。この一本前の作品も10分程見て断念した。さらに未見の作品で興味を持てるものを探す気力も時間もなく、続行して見ることにした。映画は現実世界の男性優位を皮肉った内容で男女逆転世界で男性がないがしろにされる姿を描く。そして、その憂き目にあった女性蔑視差別野郎が被差別の境地にて改心し……という内容に、苦い笑いを感じて見終えた。好きな人は好きかもしれないが、やはり私向きではなかった。Netflixにて2026年/アメリカ/93分/監督:テア・シャーロック原作:エレオノール・プリア脚本:ナタリー・クリンスキー、シンコ・ポール、ケイティ・シルバーマン出演者:サシャ・バロン・コーエン、ロザムンド・パイク、チャールズ・ダンス、エミリー・モーティマー、トム・デイビス、リチャード・E・グラント、フィオナ・ショウ、ウェルチェ・オピア原題:Ladies First(「女性優先」) お薦め度「レディ・ファースト?!」★★★(60%)映画.com3.5/Filmarks3.4IMDb5.8/10
2026.08.12
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© 2026 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.アニメの実写なんて絶対見るもんか、という気持ちに変わりはない。だけど、映画館に行くたびに予告編を見てモアナの歌声を聴き、その伸びやかな歌声に、歌は良いので歌を聴きに見に行く気になった。最近は何事も嘘のように忘れて行っていて、アニメ版をしっかり見たのに記憶がない有り様。大丈夫か、オレ、と思いながら見る。ピュアな心で見たのか、いつもなら二番煎じだ、とか、アニメのほうが良い、といった皮肉ともうがった見方ともとれる感情が渦巻くのだけれど、今回はそれが一切なかった。素直に感動した。朝早いせいもあってか、前半というか小一時間ほどは睡魔と闘い寝ないように見ていたので集中度は足りなかった気がする。けれど、眠気が去り、見入るようになると、何事にもめげず向かっていくモアナの姿に打たれたのか、涙した。涙は枯れることなく、どくどくと流れて、目をしばたたかせては涙をぬぐい、また涙をぬぐい、そして、涙をぬぐって見た。号泣ではない。ただ、単に涙が流れて流れて仕方なかった。何に感動しているのか自分自身でもわからない。ただ、純粋に感動していたのかも。幼少期のあどけない少女たちの顔、その中心にいるモアナ。成長しかわいい少女のまま。そして、大人にならんとするまだうら若き乙女のモアナ。モアナのはつらつとしたあどけなさと輝きがとても良かった。本当に、涙、涙、涙の鑑賞であった。2026年/アメリカ/115分/G監督:トーマス・ケイル脚本:ジャレド・ブッシュ、デイナ・ルドゥー・ミラー音楽:リン=マニュエル・ミランダ、マーク・マンシーナ、オペタイア・フォアイ出演:キャサリン・ラガイア、ドウェイン・ジョンソン、フランキー・アダムズ、レナ・オーウェン、ジョン・トゥイ原題:Moana(「モアナ」)お薦め度「モアナと伝説の海」★★★★(80%)字幕翻訳:中沢志乃 映画.com3.6/Filmarks3.9IMDb5.8/10
2026.08.11
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(C)2026 CPII. All Rights Reserved. (C)& TM 2026 MARVEL悪者がいない、というか怪人や怪獣があまり出てこないスパイダーマンである。メインの敵は若い女性なのだから。全世界の人々からスパイダーマンの正体を記憶から消し去ってから4年後。スパイダーマンことピーター・パーカーは友人たちに失った記憶を認識させるために再び出会うという約束を果たせないまま遠くから見守り続けた。彼が愛したMJは今……。ニューヨークの街は人の脳、意識を占領するという超能力を備えた女性に翻弄される。巨悪をやっつけ、ニューヨークの街と人を守るという使命と矜持を持ち闘うスパイダーマン。彼の心は悲鳴を上げていた。そんな中、手ごわい敵と戦うスパイダーマンに思い出されるのは亡きおばさんであった。荒ぶる魂の敵との決戦、元恋人MJを思う気持ち、いろいろなことで心も体も押しつぶされそうになりながら立ち向かうスパイダーマンの孤独と孤高。ニューヨークの人々からの声援は力強く嬉しく感じるものであった。スパイダーマンとMJの二人きりのシーンはとてもエモーショナルなものであった。スペクタクルで、大惨事となるアクションはとてもすごくてスクリーンで見る価値があるものであった。心の問題に触れる内容も格別であった。終映時に字幕でスパイダーマンは帰ってくる”とあった。続編が待ち遠しい。2026年/アメリカ/145分/G監督:デスティン・ダニエル・クレットン脚本:クリス・マッケンナ、エリック・ソマーズ、ジャスティン・クリツケス出演:トム・ホランド、ゼンデイヤ、ジェイコブ・バタロン、ジョン・バーンサル、トラメル・ティルマン、ライザ・コロン=ザヤス、マイケル・マンド、マーク・ラファロ、セイディー・シンク原題:Spider-Man: Brand New Day(「スパイダーマン:真新しい一日」)お薦め度「スパイダーマン ブランド・ニュー・デイ」★★★★(80%)字幕翻訳:林完治映画.com4.1/Filmarks4.3IMDb8.1/10
2026.08.09
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©金城宗幸・ノ村優介/講談社 ©CK WORKS映画館へ行って女子率の高さに驚く。十代、二十代の女子二人連れが圧倒的に多い。男の子の姿は見かけない。あとはおじさんかおじいさんが一人で見に来ているくらい。なんなんだ!?原作もアニメも特に女子だけに人気があるとは思えない。サッカーファン、アニメファンでもこれほど女子率が高いわけでもないだろう?困惑していると、ふとキャストにアイドルがいるのかもしれないと思えた。映画「ブルーボーイ事件」を見た時にも女子率の高さに驚いた。大人女子だらけで、弁護士役で出演していた錦戸亮のファンたちだと後々知った。原作漫画については知らないけれど、アニメは配信で一気見をしてずいぶんと興奮した。アニメ映画はまだ見ていない。アニメしか知らないけれど、登場人物たちの見た目はほぼそっくり、似ていて且つ寄せたと思えるが、似て異なっていてもそっくりに思える窪田正孝の絵心甚八は絶賛できる出来栄え。主役の潔世一こと高橋文哉や蜂楽廻こと櫻井海音もいいし、我牙丸吟こと橘優輝などはアニメから出てきたよう。鰐間兄弟を演じる三浦獠太や凪誠士郎を演じたK(&TEAM)もアニメを彷彿とさせる。と、ここでK(&TEAM)がアイドルなのではないかと気づく。彼のファンが大挙して見に来ていたのかも。似せて寄せて作った映画であるだろうけれど、キャスティングが素晴らしいと思えた。サッカー選手のメンバーは当然だが、潔世一の親である野間口徹と野波麻帆という名前も実力もある芝居巧者を出演させていて感心した。映画作品はテンポよく感情的に感動的に作られていて続編を見たいと思わせてくれる。1年以上サッカーの訓練したという高橋文哉の妙技はあまり見られなかったが凪誠士郎のK(&TEAM)の妙味に魅了されたのだから、ただのアイドルではない。エンディングでのADOの歌声にしびれた。とても満足した映画であった。2026年/日本/128分/G監督:瀧悠輔原作:金城宗幸、ノ村優介脚本:鎌田哲生出演:高橋文哉、櫻井海音、高橋恭平、野村康太、青木柚、西垣匠、橘優輝、石川雷蔵、岩永丞威、浅野竣哉、櫻井佑樹、倉悠貴、東啓介、K、綱啓永、樋口幸平、畑芽育、窪田正孝、富本惣昭、木田佳介、三浦獠太、平山祐介、山時聡真、野間口徹、野波麻帆、春海四方お薦め度「ブルーロック」★★★★(80%) 映画.com4.0/Filmarks3.9IMDb7.4/10
2026.08.09
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(C)2024 – FOZ – FRANCE 2 CINEMA – PLAYTIME秋が来てきのこ狩りに行って毒キノコを食べてしまうということから始まる物語。疎遠となっていた母娘は断絶してしまう。それを母の親友の息子が何とかしようとして……。フランスのブルゴーニュの田舎町で暮らす元娼婦の老婆の日々の暮らしを友人親子を絡めて映し出した作品。このような作品が映像化される意義はあるのだろうかと見終えて思う。とはいえ、人生の終末を突然に終える人ばかりだったなぁ……。見た甲斐はある。U-NEXT にて2024年/フランス/103分/G監督:フランソワ・オゾン脚本:フランソワ・オゾン、フィリップ・ピアッツォ出演者:エレーヌ・バンサン、ジョジアーヌ・バラスコ、リュディビーヌ・サニエ、ピエール・ロタン、ガーラン・エルロス、ソフィー・ギルマン、マリック・ジディ原題:Quand vient l'automne(「秋が来るとき」)お薦め度「秋が来るとき」★★★☆(70%)映画.com3.8/Filmarks3.9IMDb6.9/10
2026.08.08
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