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この散文的な表題が何を意図するものなのか読んでみてもピンとこないけれど、本書は作家島本理生の私小説とも思える内容のような気がした。
出奔した父。シングルマザーの母。一人娘の主人公。
彼女は一人暮らしである。
徒歩圏に恋人が住んでいるけれど、断りもなく泊まることはなく、何人たりも入れない境界線のようなものを心に抱えていた。
大学院生である彼女の研究材料は宮沢賢治ともう一人。その関連性と「銀河鉄道の夜」のカムパネラについて論文を書く。小説で提出することも可ということなので、彼女は小説とそれに付随する小論文を提出しようと考えていた。あれこれ模索し、思想してみるも書き始めることはできずに書きあぐね、解決策を試みて小説家の補助のバイトをしたり、気が合わないと思っていた同級生(?)たちとの交流を試みたりした。その中で、いざ交流してみると同級生の人となりに違う面を見たり発見をしたり、小説家に親近感を抱いたりと、予期せぬことが起こり、恋人とのわだかまりも頑なな自身の心持もいつしか解きほぐれ、何とか卒論(?)は書き終えた。
数少ない交流の中で新たな発見をし、くぐもった心を救い出したかに見える彼女。
感動も共感も特にはないけれど、これはこれで島本理生の思想、気持ち、作家性を書き表したなんともいえない小説であると思う。
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