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2026.06.04
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テーマ: 職業訓練(21)
カテゴリ: 職業訓練
​座学(電気)
電気設備技術科コースでは、第2種電気工事士資格の取得が大きな目標でした。そのため座学では電気の基礎と電気工事士の学科試験に向けた授業が行われます。授業内容は、テキストやプリントを使用して解説と設問を解くという学校の授業と変わらないものでした。

職業訓練で使用したテキストは、市販の第2種電気工事士の筆記・実技試験対策の本で、カラー印刷で見やすく解説が分かりやすいものでした。プリントは主に電気工事士の過去問でした。

電気理論では、オームの法則やキルヒホッフの法則等の電気の基礎理論、交流回路、三相交流等の配電理論、配線設計、誘導電動機や照明器具等の電気機器、配線器具や材料、電気工事の施工方法、一般用電気工作物の検査、電気事業法等の法令を学びます。電気理論の勉強は、理論や仕組みを理解するだけでなく公式や名称等の暗記ものも多いです。私は訓練で使用するテキスト以外にネットや他のテキストでも勉強して、ノートにまとめるようにしました。他の資格の勉強でも同様でしたが、私にとっては書いて覚える方法が習得の最適解でした。

座学では実習的なことも行います。実際に抵抗回路を作って各抵抗の電流、電圧を回路計で測定することもありました。その点は義務教育の授業と違うところで、大学の物理実験のようで理解しやすいものでした。

実習(電気)
実習では、スイッチやランプレセプタクル等の配線、金属管や樹脂管等を使った電線管工事の基礎を学び、最終的に全ての学習内容が網羅されたパネル課題を作成します。また、座学と同様に電気工事士の実技試験対策が行われます。

①器具の配線
実習ではまず工具の使い方から学びます。工具の名称や使用方法の説明がありましたが、見知ったものがほとんどで特に問題はありませんでした。ただ、線材やコンセント等の器具は種類が多いので名称を覚えるのに一苦労しました。

実習初日は、工具や配線資材の貸し出しがあります。実習用の工具はポリテクセンターで訓練生一人一人に貸し出されますが、古い工具で使い勝手が悪いものが多いです。使い勝手の悪い工具で実習を行っていて能率が悪く、電気工事士の実技試験では試験時間内に作業が終わらないです。訓練生の多くは訓練中に自前で工具を購入していまいた。私はドライバーやニッパー程度は持っていたので、電気工事士試験に必要な圧着ペンチ、VVFストリッパー、電工ナイフ、絶縁ドライバー等をホームセンターで購入しました。セット物もありますが高額で不要なものもついてくるので私はお勧めしません。



器具の配線は、最初に電工ナイフ、ペンチ、ワイヤーストリッパーを使ってシース(外装)とIV線の被覆を剥く練習で、VVF(600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形)の1.6-2.0Cを使って実習が行われました。電工ナイフは未経験でしたが扱いは割と簡単でした。ペンチで被覆を剥く作業は心線を傷付けてやすく、ワイヤーストリッパーは簡単であるがシースだけ剥くつもりが心線まで切ってしまい注意が必要でした。VVFは撚り線よりは被覆が剥き易いと感じました。

配線の結線では、圧着ペンチによるリングスリーブの圧着作業は圧着前の単線とスリーブの位置や寸法が仕上げに影響します。また、スリーブのサイズの大きいものは綺麗に仕上げることが難しいです。コネクターの結線は簡単で単線をコネクターに差し込むだけです。実際のビルや住宅の屋内配線ではコネクター結線がほとんどでした。ただ、電動機の電力線や振動のある機械設備等ではリングスリーブや圧着端子を使うことも多いです。

器具への配線は、ランプレセプタクル、片切スイッチ、ブレーカ、引掛けシーリング、コンセントへの配線を行います。ランプレセプタクルの輪作りは比較的簡単ですが、シースを電工ナイフで剥く時に心線の被覆を傷付けてやり直すことが時々ありました。また、線材やシースや切り取る寸法を定規やゲージで測っていては時間がかかるので、器具の外形、指の関節等の長さで寸法を測りとる方法を学びます。これは実務でも結構利用できます。私の場合、5cmは親指の長さ、10cmは握り拳の幅、15cmは人差し指と親指の間、20cmは小指と親指の間です。

パイロットランプの配線では、常時点灯回路、同時点滅回路、異時点滅回路の配線等を学びます。いずれの回路でも配線はきれいに仕上がったのでが、同時点滅回路から異時点滅回路の配線につなぎ替えがうまくできませんでした。回路図は簡単ですが実物では見た目に惑わされてしまい間違えました。これは現場の施工でもよくある話です。

②単線図・複線図
複線図は現場の施工や電気工事士試験の実技試験で必須の知識です。理論は頭で理解できても、実際に単線図から複線図に書き換えるのは当初戸惑いがありました。また、複線図を綺麗に書くことに気が向いてしまい、配線接続に誤りがないことや配線の使用量を最小にするという目的が疎かになりがちでした。

単線図と複線図




3路・4路スイッチとパイロットランプ回路では、複線図の作成は出来ても実際の配線作業には苦労しました。自前で購入したIV線用ニッパーが切れすぎで心線まで切ってしまったり、線材の切り取り寸法を間違えたり、スリーブ結線で違う線を圧着したりとミスを頻発しました。作業手順が定まっていないこと、単線図の読み取りが不慣れなことが原因でした。とりあえず配線は出来上がったものの欠陥が多く合格基準を満たしていないか不安で、指導員のチェックを受けるときは気が気ではありませんでした。

複線図に慣れてくると、単線図を見て実際の配線がどのように配線されているかが理解できるようになります。私は設備管理の仕事でマンションやビルの電気設備の図面を見る機会がありましたが、図面と実際の配線を照合できたので点検や故障探求で役に立ちました。ちなみに現場の電気工事ではわざわざ複線図を書き起こしたりせず単線図でそのまま配線します。(私は無理ですが・・・。)

余談ですが、複線図を書く時に“消せるボールペン”はとても便利です。黒・赤・緑・青の4色あれば電気工事士の実技試験では十分です。なお、青は白線用です。消せるボールペンは、普通のボールペンと違い修正できることが強みです。


訓練開始から1カ月ほど経過して、実習場での実習が始まりました。座学は実習室という学校の教室のような場所でしたが、実習場は天井クレーンのあるコンクリート床の倉庫のような建物でした。そこには2m四方の総合課題用木製パネルが20台ほど置かれており、主にこのパネルを使って模擬配線の実習が行われます。

最初はパネルにケーブル配線を施工する実習でした。まず、パネルに下げ振りを使いチョークラインで簡単な墨出しの練習を行います。その後VVFケーブルをステップルで固定する練習を行いました。次に単線図から複線図を作成、パネルに墨出しを行いましたが、レーザー墨出し器を使用した実習もありました。最近は安価なレーザーが販売されており、チョークでラインを引かなくてもレーザーの線に沿って施工すればいいので楽です。

次に、ランプレセプタクル、露出型スイッチ、露出型コンセント、ブレーカを取り付け、VVFケーブルで配線、ジョイントボックスの取り付け、配線の仮止め、ランプ等の輪作りと結線等を行いました。ブレーカは簡単に結線できたのですが、コンセント等は輪作りの際の採寸、被覆剥きが難しく長すぎると絶縁をネジで噛んでしまいます。配線の仕上げを行い最後に絶縁・接地抵抗の測定を行いました。

④電線管の実習
金属配管の加工では、ねじなし電線管(E管)のS字曲げを行います。指示された寸法に曲げ加工を行うのですが、寸法計算、材料の切り出し、ハイヒッキーという電線管をRに曲げる器具を使ってE19の薄鋼管を曲げます。金属配管の曲げ加工では、計算した寸法通りに曲げられなかったり曲げる方向を間違えてしまったりと悪戦苦闘しました。

ハイヒッキー(電線管を少しずつ力を加えて自由な角度に曲げる工具)



金属管の立体曲げでは、図面に切り出しの寸法があったのでその通りに切り出してベンダーで曲げ加工を行います。周りの訓練生は配管の水平・垂直を気にして加工していましたが、私は墨出し通りに取り付けられれば問題ないと思い、ジョイントボックス間で管が過不足なくつながるか、図面通りの取り付け寸法になっているかに重点を置くようにしました。見た目ばかり気にして、接続不良や寸法間違いがあっては意味がないと考えたからです。仕上がりは思いの外良好で、作業も効率的でした。

合成樹脂管(VE管)の曲げ加工では、ガストーチで簡単に曲げられますがフランジを加工するのは難しかったです。最後にコンセントボックス、ジョイントボックスの接地、配管への通線で完成、指導員のチェックを受けます。

⑤模擬家屋を使った実習
模擬家屋では、実際の住宅での電気工事を想定した実習を行います。始めに前の実習で取り付けられた蛍光灯、コンセント、石膏ボード等の撤去を行います。その後、ボードの貼り直し、呼び線の挿入、コンセント等の開口部を加工する作業を行います。次に、配線、壁、天井のボード貼り付け、器具取り付け部分の開口、取り付け、絶縁抵抗検査、通電検査を行います。

この実習では3名1組で作業を行います。私の班は連携が悪く他の班に比べて作業が遅れ気味でしたが、時間内に何とか最後の通電検査までたどり着きました。しかし、ビス止めがうまくいかなかったり、ボードを割ったりとトラブルが多発して散々でした。

模擬家屋




⑥総合課題
総合課題は、2カ月間実習で学んだ知識と技能を駆使して複線図作成から配線施工の課題を行います。2m四方のパネルを半分に分けて左右1名で製作します。課題の内容は、住宅配線を模したもので、電力線の分電盤への引き込みから金属管や樹脂管、ジョイントボックス等を使用して各器具(コンセント、スイッチ、ランプ)への配線を行います。また、電力計と電気温水器を模した端子台も取り付けます。

訓練生に与えられた総合課題のプリントには、単線図と指示事項が記されています。単線図は電気工事士の実技試験と同様に器具や寸法が記されていますが、ジョイントボックス等の取り付け位置や金属管の曲げ寸法等も記されており、その指示通りに製作することが求められます。指示事項には施工の細かい手順が記されていました。更に細かい注意事項(配線の曲げ位置を揃える等)は黒板に掲示されました。

まず問題となったのは複線図でした。単線図から複線図を書き起こすのですが、意外に難しい課題だったので不安になった訓練生は正答を指導員に尋ねました。当初はそれも課題だとなかなか正答を教えてもらえませんでしたが、根負けした指導員がやっと正答を示してくれました。案の定、正答の複線図を書けていた訓練生はおらず、正答を見ないまま施工していたら大惨事でした。

総合課題では、CV5.5電力ケーブルの配線と分電盤の取り付けはパネルに1個のため共同作業を行い、分電盤から先の金属管や樹脂管、線ぴ等の切り出しと取り付け、ジョイントボックス、スイッチボックス等の取り付け、入線作業、アース線の取り付け等は個々で作業を行います。

電力ケーブルはかなり太く固いので配線やスリーブの圧着に手間取り、コンセントのIV線を2.0ではなく1.6と間違えていたため余計な線を切ってしまったり、金属管の曲げ加工が寸法通りにならなかったりと悪戦苦闘しました。

また、一部のリングスリーブ結線がいつの間にか差し込みコネクターに変更になっていたり、接地棒の取り付けについて接地棒の本数が足らないので接地線を取り付けるだけに変更になったりしました。問題は指導員の怠慢で、変更の情報が作業中の私らを含め一部の訓練生に伝わっていなかったことです。おかげで余計な作業を強いられて内心腹立たしく思いましたが、文句を言ったところで詮無いことと思い淡々と作業を進めました。

他の組は午前中に竣工しましたが、私の組は最も遅く午後2時頃竣工しました。幸い、施工に問題はなく、導通確認で異時点灯ランプは点灯、コンセントへの電源供給も出来ていました。最後に完成報告書を作成して総合課題を終えました。

実習後は分別作業を行います。分別作業とは、実習で使用した電線や器具を分別して再利用又は廃棄する作業です。これが意外に手間で握力勝負になります。差込型コネクターにつないでいた電線は引き抜き、スリーブで固定している場合は切り落として線材毎に分別します。差込型コネクター、コンセント、スイッチボックス等の器具は再利用します。

総合課題用パネル(完成した状態)


課題作成中の状態


電源線のスリーブを使った接続







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Last updated  2026.06.08 16:13:55
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