真理を求めて

真理を求めて

2003.02.20
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今日もちょっとマイナーな曲になったかな。この歌は<うたまっぷ>では検索が出来ない。<シャングリラ>というアルバムに入っている曲で、拓郎自身が作詞をしている。拓郎の詞は、作詞家のようなうまさがないけれど、逆にうまさがないからその率直さが心に響くという感じがする。初めて拓郎を聞いたときから、進歩がないのかもしれないけれど、初々しさを失わないという方が正確な感じがする。

若いときの拓郎は、直接的で率直な若者自身の想いを書いていたけれど、さすがにこれくらいの頃になると、もっと落ち着いた雰囲気で、率直ではあるけれど、青春をちょっと遠くから眺めるような余裕が感じられる。それが、僕の今の年にもちょうどよく響くような感じだ。

何気ない日常の景色の描写の中で、一人の若者に青春の痛みを見て、こんな言葉をかける。

      どこで自由を手にすればいい
      何を求めて歩いていけばいい
      あなたの悲しみよ 雲をつらぬいて
      銀河の彼方へ 突きさされ

吉田拓郎のように自由に生きてきたように見える人間でも、こんなふうに感じるくらい、人生というものはままにならないものだ。でも、若いときはどこにあるか分からない、いやそれ自体では存在しない「自由一般」というものを求めたくなってしまう。だから哲学青年というものになるんだろうけれど。

この青春の若い時代を過ぎると、具体的な日常生活の中に入り込んで、ここには「一般」で考えるものが何もなくなってしまう。すべては、具体的なそこに存在するものだ。そして、自分が求めていたと思ったものを一つずつ失っていく。「何を求めて」という想いが胸に迫ってきて、これが青春の痛みになるんだろう。



若いというだけで、何かが出来ると思ってはいけない。夢を追い続けることが、自分を燃やすことだというメッセージもいいものだ。若さには可能性はあるけれど、それはまだ現実性ではない。年の若さではなく、精神の若さを保つことが必要だ。それでも、人の心の弱さも知っているという言葉もあり、そこがホッとさせる一行だ。

優しい人々に、孤独から解き放たれるようにと願う一行も共感してしまうところだ。優しい人は世の中にたくさんいるはずなのに、なぜか彼らは孤立してしまう。「あなたはひとりぼっちじゃない、僕も同じ気持ちです」となかなか伝えることが出来ないからだ。優しい人同士というのは、なかなか気持ちを伝えるのが難しい。でも、孤独から解き放たれるとき、優しい人が強くなれるような気もする。

最後に、とても勇気づけられるセリフをもう一つ引用して締めくくりにしよう。

      生命のある限り 自分を捨てるな
      正直者よ 可愛い嘘をつけ

優しい人、正直な人、その人たちはみんな賢くならなければならない。だまされて傷ついてばかりではいけない。理不尽に傷つけてくるような相手に対しては、だまして返り討ちにするくらいの賢さを身につけなければならない。正直者が馬鹿を見るのではなく、馬鹿のふりをして最後にだますというくらいの賢さを持たなければならないと思う。可愛い嘘は許される。悪意のない嘘をつくことにしよう。





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最終更新日  2003.02.21 13:48:50
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