真理を求めて

真理を求めて

2003.12.12
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日本が自衛隊を送る予定地のサマワで次のようなことがあったことを伝えるニュースがあった。

「<イラク>サマワで失業者デモ続発」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031210-00001006-mai-int

オランダ軍部隊は治安に当たっているという報道があった。上記のデモに対して、その対応を誤っていたらかなり危険な状況になっていただろう。デモ隊が、鬱積した不満から石を投げるなど、暴動の兆しが見えたようだが、その不満や心理などを十分理解して対応すれば、石を投げる程度のことは危険な攻撃ではないことが分かるだろう。しかし、いつ危険な攻撃が来るかもしれないという恐怖心におびえている米兵などは、石を投げられるという程度でも自分がねらわれていると思いこんで思わず携行している武器で反撃をしてしまうかもしれない。そうすれば、デモは大混乱し大惨事になったことだろう。

もしオランダ軍がそのような間違った対応をしたら、治安の維持という危険な任務に就いているのだから、人々の恨みを買って攻撃の対象になったに違いない。今のところオランダ軍に犠牲が出たというニュースを聞かないので、オランダ軍はサマワの市民にはその仕事ぶりを認められているのだろうと思う。小泉さんが政権を執っている限り自衛隊の派遣を止めることはできないだろうと思うので、自衛隊はイラクに行ったら、オランダ軍にはなぜ犠牲が出ていないのかをよく研究して欲しいと思う。そして、それが見習うに値するものであれば、そのやり方を手本にして欲しいものだと思う。完全武装の軍隊が、武器を持たない市民に銃を向けるなどと言うことは、間違ってもないようにと願っている。

サマワの市民は日本が来ることによって仕事が出来るという期待にふくらんでいるようだ。しかし、自衛隊は危険を避けるために、すべてを自衛隊のみで活動をするのではないかという予想もあった。これは人々の期待を裏切ることになるのではないかと思う。危険を避けるすべをオランダ軍から学び、何とかして現地のイラクの人々と協力して復興事業に当たることが必要だろう。現地の人々との接触を避ければ危険は減るだろうが、そうしたら、アメリカのために軍隊を送ることが目的だったのだと受け取る人が増えるのではないかと思う。

今となってはもう遅すぎるけれど、アメリカとは一線を画し、軍隊ではない民間企業が行ける条件を作ったら、どんなにイラクの人々に歓迎されただろうかと思う。

アメリカのやり方を手本にすると次のような結果が待っているような気がする。

「イラクの自爆攻撃で米兵ら61人負傷、モスクでは爆発



「米兵ら7人死傷=輸送機にミサイル攻撃か-イラク」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031211-00000475-jij-int

「米兵15人自爆攻撃で死傷 バグダッド中心で連続爆発音」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031212-00000030-kyodo-int

それにしてもアメリカは対策というものを何も考えていないのだろうか。いつまで同じやり方でやられ続けるのかなと思う。自動車による自爆テロに関しては、自衛隊もその対策として、自動車がまっすぐ入ってこれないような壁をジグザグに作るとか、爆破の影響がない遠くで攻撃するための武器を持っていくとかいうような対策をテレビが報道していた。アメリカだってこの程度のことをしているのではないだろうか。それでもやられるというのは、この対策は役に立っていないと言うことではないのだろうか。

たとえ壁を作っても、入り口の門のところには人を配置しなければならないのかもしれない。犠牲になるのはその兵士だろうか。また、向かってくる自動車のすべてを攻撃することも出来ないのかもしれない。つまりテロ攻撃なのか、無関係の車なのかの区別が付かないのかもしれない。道路に仕掛けられた爆弾による攻撃は相変わらず続いている。少数で移動すると言うことはゼロには出来ないことなのかもしれない。そうであれば、少数の移動の際には常に危険と隣り合わせになるだろう。そのような心理状態の時には判断を間違えることもあるかもしれない。間違って市民に銃を向けてしまうことがないだろうか。そのようなことが重なっていくと、ますます泥沼にはまることになる。

軍隊が危険だと言うことは次のニュースからも伺える。

「<イラク>新陸軍、3分の1以上が任務拒否 テロ恐れ

 【ワシントン中島哲夫】「イラク人による治安維持」を目標に米国が大きな期待をかけるイラク新陸軍は最初の大隊を編成するため約700人が訓練を終えたが、3分の1以上にあたる約250人が作戦任務に就くことを拒否して既に辞職した。10日、米メディアが伝えた。テロを恐れたケースも多いと見られる。

 イラク新陸軍は、旧イラク軍を解体させた米英占領当局が治安改善の中核戦力として育成を急いでいる。最初に募集した約700人は9週間の基礎訓練を10月に終了。ブッシュ大統領は11月11日の演説で、この第一陣が既に軍務に就いており、来年中に3万5000人を現場配置したいと期待を表明していた。

 ところが、10日のAP通信によると、第一陣のうち約250人が、今月始まる現場での作戦任務を前に既に辞職したことを米国防総省当局者が認めた。当局者らの証言によると、辞職した一部は月額60ドルの給与では安すぎると不満を漏らし、その他は占領統治に協力するイラク人を標的にした抵抗勢力の攻撃を恐れた可能性がある。」



「<イラク>バグダッドで米誌記者2人が負傷 米軍同行取材中

 AFP通信などによると駐留米軍は11日、バグダッドでパトロール中の米軍車両が10日に手りゅう弾の攻撃を受け、米軍兵士2人と同行取材していた米誌タイムの記者2人が負傷したと明らかにした。軍スポークスマンによると負傷した記者の1人は重傷で、もう1人は軽傷だという。(毎日新聞)」

米軍は、自分たちのやり方をもう一度見直すべきなのに、いつまでも次のようなやり方を続けている。これは、イラクではなくてアフガニスタンでの出来事だが、米軍の本質を表している出来事ではないだろうか。

「<アフガン>米軍の攻撃で新たに子供6人の死亡が判明

 【カブール西尾英之】アフガニスタン駐留米軍は10日、東部パクティア州で米軍が5日に行った攻撃で、子供6人が死亡したと明らかにした。翌6日には隣接するガズニ州で攻撃機による機銃掃射で子供9人が死亡しており、2日連続で米軍の攻撃により子供の犠牲者が出たことになる。



 AP通信によると米軍は5日夜、イスラム武装組織タリバン司令官のジラニ師がいるとの情報でパクティア州ガルディズ近郊の住宅兼武器庫とみられる施設に空と陸から攻撃を行った。この際、弾薬に引火し二次爆発が起きた。現場に入った部隊が施設内で大人2人と子供6人の死体を発見したという。

 米軍のヒルファティー報道官は、死亡した8人は崩れた壁に押しつぶされたようだと述べ、「施設内に非戦闘員がいることは知らなかった」と釈明。一方で「非戦闘員が、テロリストが使うとわかっている施設で武器弾薬に囲まれていれば、このような結果となっても我々は完全に責任を負うことはできない。米軍がさらに多くの市民を負傷させないという保障はできない」と発言した。(毎日新聞)」

殺されたのは、そこにいた子供が悪いと言うことを主張している。この主張は、相手が同じアメリカ人でもそういう風に言うのだろうか。たとえば、ギャングと一緒にいる子供が巻き添えになって死んだ場合も、それは死んだ子供がギャングと一緒にいたから悪いんだというのだろうか。もしアメリカ人に対してはそういうことが言えないのなら、なぜアフガニスタン人だったらそういえるのかを問いたい。

それでもアメリカがこの論理をどこまでも押し通す気なら、次のようなことは言わないだろう。

「イラク、民間人犠牲者の集計中止=占領当局が好まず?-米紙」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031211-00000746-jij-int

上記のような論理が通じないことはアメリカも分かっているのだろう。だから民間人がどれだけ死んでいるかと言うことを知らせたくないのだろうと思う。イラクがこのような状況なのに、アメリカでは次のようなことも起こっている。

「イラク戦争支持が上昇=米世論調査

 米紙USAトゥデー(電子版)が9日伝えたCNNテレビとギャラップ社の最新合同世論調査によると、イラク戦争を支持する回答が6割に上り、8月以降では最高水準に達した。
 同紙は、11月27日の感謝祭にブッシュ大統領がイラクを電撃訪問したことなどが支持上昇につながったとの専門家の見方を伝えた。 (時事通信)」

ブッシュ大統領の、ごまかしの人気取りのための訪問がこれだけ効果を上げるというのは、アメリカの民度というのもなんなんだと思いたくなってしまう。民主主義の手本などには出来ないなと言うのが率直な感想だ。

アフガニスタンでは、タリバン穏健派とアメリカとの接触があったそうだ。力で排除することが出来ないので、今度は取り込んで何とかしようという風に方針が変わったのだろうか。イラクでもそういう道を歩みそうな気がするが、そうなると旧フセイン政権の実力者で、交渉に応じそうな人間を探すことになるのだろうか。そうなると、旧フセイン政権を倒してイラクに民主主義をもたらすと言った、最後の大儀もまた変わってくるのだろうか。戦争における正義などは、このようにご都合主義的なものなのかもしれない。だから、正義のための戦争などという言葉は信じてはいけないのだと思う。





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最終更新日  2003.12.12 09:35:07
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