真理を求めて

真理を求めて

2004.02.23
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今日注目のニュースはまず次のものだ。

「決裂なら「占領軍」と地主 サマワの宿営地交渉難航
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040218-00000259-kyodo-int

ここには、

「陸上自衛隊の宿営地となるイラク南部サマワの土地の賃貸交渉が難航、地主側が自衛隊に対し、交渉が決裂した場合は「(人道支援部隊ではなく)占領軍とみなす」と警告していたことが18日、分かった。」

という記述が見られる。これはひどい論理だ。賃貸交渉と人道支援か占領軍かというのは、論理的には全く関係がない。賃貸交渉が地主側の都合のいいように成立すれば、地主側には利益になるが、それによって何か人道的に素晴らしいことが出来るわけでも何でもない。これは、論理的にはこのような無茶な要求は突っぱねるのが正しい。しかし、突っぱねることで何らかの不穏な空気が生まれると困ると自衛隊の側が考えて、自分たちの損になっても地主側の要求を受け入れると言うことになれば、この交渉は圧力に屈したと言わなければならないだろう。果たしてどうなるのか。もし圧力に屈するようなことになれば、圧力とはこのようにかけるものだという教訓になるかもしれない。圧力のかけ方があまりうまくない日本は、簡単に圧力に屈する可能性もあるな。

「選挙人登録100万人に アフガニスタン、女性に記念の花束
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040219-00000038-kyodo-int

この記事には次のような記述が見られる。



確かに、アフガンで女性が選挙権を持つのは画期的なことだろうが、この女性の発言だけでニュースを作るのは、この女性がアフガンの女性を代表しているという錯覚を起こさせるのではないだろうか。この単純な記述だけの記事を見ていると、何か間違ったイメージを抱きそうな気がして気になった。カルザイさんを支持している人がいるというのは事実だろうけれど、それが代表的な意見だと思ってしまう恐れがありそうだ。それに、次のような記述を見ると考えさせられることが多い。

「(3)タイムリミットに立ち向かうアフガニスタン大統領 [要約]
  --任期半ば、あらゆる方面から重圧

〔カーブル 6月22日 ボストン・グローブ〕

2002年6月、国民大会議「ロヤジルガ」は、アフガニスタンを民主主義へと移行させる暫定政権の長として、カルザイを承認した。次の選挙に向け、カルザイ大統領に残された時間はあと1年。

2001年12月のボン和平合意によって、アフガニスタン政府は2004年6月までに「自由で公平な選挙」を実施し、1月までには憲法制定のためにロヤジルガを再度開催しなければならない。

憲法草案作成、1千万人の有権者の登録、選挙対象とするのはどういう政府役職者かなど、課題は山積みだ。

もしカルザイ大統領が何とか再選されても、地方に権限を拡大する、軍閥を指導者とみなす人々に大統領として認めさせるなど、難問が絶えない。

アフガン人は、遅々として進まぬ大規模復興事業や治安悪化のため、政府への不信感を増大させつつある。民主主義への道は前途多難だ。
http://www1m.mesh.ne.jp/~peshawar/23jun.html

これは上のページからの一部引用だが、これに寄れば、アフガニスタンの有権者は1千万人らしい。100万人では、まだまだ有権者の10分の1の意志しか確かめることが出来ないのだ。しかもカルザイ大統領は必ずしも多数に支持されているのでもなさそうだ。ヤフーの簡単なニュースだけを見ていると、どうも偏ったイメージを抱きやすい。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040219-00003023-mai-int

というニュースからは、次のようなことを考えた。今までは使用そのものが事実としてどうなのかということが問題にされていたが、問題は、次の段階に来たんだなということだ。つまり、今後は、その影響が事実としてどうなのかということが問題にされるようになったということだ。米軍は影響は心配するほどではないという表現をしている。それが、本当は深刻なものだということを証明することが、イラク戦争に反対する側にとっては重要な問題となったというふうに僕は感じた。

以前の「湾岸戦争」と呼ばれた時代の劣化ウラン弾被害については、次のページに詳しい報告がある。

http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/

ここで見られる一つのページ( http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/tokushu/index.html )か



「湾岸戦争では、戦車や戦闘機から米・英両軍合わせて約九十五万個(劣化ウラン約三百二十トン分)の砲弾が広範囲に使われた。その 結果、地上戦に加わった米軍兵士だけでも、四十三万六千人が放射能汚染地帯に入り、劣化ウラン粒子の吸入などで被曝したとされる。

 昨年七月までに、湾岸戦争に参加した退役米軍人五十七万九千人のうち、二十五万一千人(約四三%)が退役軍人省に治療を求め、 十八万二千人(約三一%)が病気や傷害に伴う「疾病・障害」補償を請求した。病名は白血病、肺がん、腎臓(じんぞう)や肝臓の慢 性疾患、気管支障害、慢性的けん怠感、皮膚斑点(はんてん)、関節痛などである。

 これまでに少なくとも九千六百人以上が亡くなり、湾岸戦争後に生まれた彼らの子どもたちの間には、先天性障害を抱えた子も多 い。また、同じ症状は湾岸戦争参加の英国兵にも表れている。」

この事実は、劣化ウラン弾の影響が心配するほどではないということを示すものだろうか。もしサマワの自衛隊にも、このような影響が見られるようであれば、この問題は一気に身近な深刻なものになってくるだろうと思う。

「脅迫受け異例の公演中止 ユダヤ教中傷で仏タレント
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040221-00000041-kyodo-int

この問題は、表現の自由と芸術の関係とか、それが他の人を傷つける表現であったときに、どちらの側の権利を守るかという難しい問題があることを感じた。このタレントの表現は次のようなものであったと報道されている。

「国営テレビの番組で昨年12月、デュードネさんはユダヤ教正統派の黒い帽子をかぶり「若者よ、善の枢軸、米シオニストの枢軸に加われ」と発言し、片手を挙げるナチス式の敬礼をした。」

これは、イスラエルが行っているパレスチナ住民に対する残虐行為への一つの批判の表現でありながら、同時にイスラエルの国民で象徴されるユダヤ教徒を十把一絡げに侮辱する行為とも受け取られる。単純にどちらか一方だと判断できないところに難しさがある。

もっと穏便な方法で批判すべきだと考える人もいるだろうが、穏便な方法では批判は弱くなる。しかもそれが芸術の高みまで上るような批判になるためには、強いインパクトがなければならないが、それは紙一重のところで誹謗中傷と重なりかねないところさえ持っている。全く事実のないところに表現が持って行かれたらそれは誹謗中傷になるが、ある種の事実が基になって表現されていれば、たとえそれが強すぎるインパクトを持っていても誹謗中傷とは言えないところもある。

ここには、

「デュードネさんは既に「傷ついたと感じる人がいるとしたら謝る」と謝罪しているが、公演中止には「表現の自由の侵害」と反発。約1200人のファンと同夜、劇場前で抗議のデモを行った。」

という記述もあり、表現そのものは間違いだったという判断も伺えるが、僕はそれも非常に難しい判断だなと感じる。たとえ誰かが傷ついたとしても、真実を表現するという権利を芸術家は持っているのではないだろうか。真実はしばしば人を傷つけるものであるだけに、「傷ついた」ということが表現を規制するようになることにも、何か違和感を感じ疑問を抱かざるを得ない。これは難しい問題だ。





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最終更新日  2004.02.23 00:10:02
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