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3年生、4年生で「指示語が指す内容を答える問題」で、ちょっとややこしいのが出てきて、大人だと「これに決まっているでしょ?」と思ってしまう問題に、子どもはつまずいてしまいます。そんなとき、どうアドバイスしていいものか…と、相談される方も多いです。問題集は、また上手にひっかかるような設問が多いですしね。 (例題) 駅前の郵便局の横に新しく本屋が出来ました。 そこへお母さんといっしょに行って、いろいろ迷って『宇宙』という本を一冊買いました。 それは、面白そうな本がいっぱいあったからです。 でも、これにしてよかったです。 写真もたくさんのっていて、星座や惑星の説明がたくさんあってわくわくします。 (1)「そこ」が指す内容を抜き出して答えなさい。 (2)「それ」が指す内容を「~こと」という形で答えなさい。 (3)「これ」が指す内容を抜き出して答えなさい。 間違ってしまう生徒さんは、だいたいせっかちです。 (1)の問題で、「駅前」とか「郵便局」とか言ってしまう。落ち着いて、ルールにのっとって答えましょう。 まず3つのルールを頭に叩き込みましょうね。 ********************* 1) 線の後ろにヒントあり! 2) 線の前に答えあり!(例外あり) 3) 線の中にあてはめろ! ********************* この 1)をいい加減に扱うと、ミスが出てきてしまいますよ。線の後ろにあるヒントをしっかりつかんでから、前に探しにいきましょう。 (1)の場合、「本を買った」というヒントから、「本屋」が正解だとわかりますね。 線の中にあてはめて、読んでみたときにぴったりきますね。 (2)は、抜き出しではないので少し難しく感じる生徒さんもいるかもしれませんね。線の後ろのヒントをつかみますよ。「面白そうな本がいっぱいあったから」 とありますね。これが理由で起こったことを、線の前の言葉を使って答えればいいのです。 「いろいろ迷って」 という部分が使えますね。 線の中にあてはめてしっくりくる形で答える必要があります。「は、」という助詞があとに続くので、原則として形式名詞などをつけて、名詞の形として答えるのが一般的です。 「いろいろ迷ったこと」と答えます。 (3) 線の後ろのヒントをつかみます。 「よかった」「星座や惑星の説明がたくさんあってわくわくする」 とありますから、 「これ」が本であることがわかりますね。 ここも、せっかちさんは 「宇宙」とだけ答えたり、「本」とだけ答えたりしてしまいます。 「『宇宙』という本」 、もしくは本のタイトルだとわかるように二重かぎかっこつきの「『宇宙』」であれば正解です。かぎかっこなしだと、宇宙そのものを手に持っていることになってしまいますからダメですね。また「本」だけでも、不正解ですね。いろいろ迷ったけど「これ」にしてよかった、とありますから、他の本ではなく、どの本かということを明確にする必要がありますね。 とにかく上の太字の部分を繰り返し呪文のようにつぶやいたり、目をつぶって言ったりして、この手順を踏んで答えるということを繰り返してくださいね。 国語を勉強する上で、感覚的に我流を積み重ねて、ムラを作ってしまうことが後々大きな弱点を作ってしまいます。簡単な設問であっても、基本のルールに忠実に解いていきましょう。
2016年04月05日
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□ 過去入試問題(赤本)の使用例受験する学校の過去入試問題への取り組みは、同じぐらいの実力の生徒の明暗を分けるのに十分な要素です。塾によっては全体に向けての総復習で膨大な課題が出るかもしれません。優先順位や間引く必要があることもありますね。活用法としての例を挙げたいと思います。1] 第一志望校・第二志望校の過去入試問題を入手する。 合格を確実にしたい第二志望(若干成績的に余裕のある学校の)入試問題からスタートし、合格ラインをこえたという経験をさせてあげてから、ステップアップするというやり方を勧めます。 2] 最近の年の入試問題1~2年分の問題・解答はホッチキスで留めるなどして封印する。 入試目前に時間・服装なども当日に近づけ、緊張した状態でリハーサルするときに使用するため。3] 極力コピーして、「テスト」として使用する。目覚まし時計やタイマーなどで正確に時間を計って取り組む。4] 採点する。塾の講師か保護者の方が採点することが望ましい。 また、本人は自分の手ごたえとしての予想点数を記す。 (採点については漢字まちがいなどは本人が気づきにくいということと、 人に見せる答案という意識をもって欲しいということ。 本人はどうしても自分に甘めの採点をしがち。 自分の手ごたえと実際の採点がかけ離れている場合は、要注意。 厳しい目で見直しできるように指導し、ラスト5分の精度を上げたいところですね。)5] 点数ばかりにとらわれず、時間配分などの反省はないか考えて記録する。入試当日に比べればリラックスした状態なので、ここで合格最低点を超えたからといって安易に安心しないこと。目安として基準点より20点以上取れていれば合格確率は50%ぐらいだと厳しめに思っておく。また、思わぬ高得点が取れた場合、喜ぶのはまだ早い。その年の入試問題には自分の得意分野が固まって出題されたとも考えられる。意地悪な言い方をすれば、今年、苦手単元が固まって出題されるかもしれない・・・というように考えて、苦手単元に前向きに取り組もう。6] ×の問題を時間関係なしに再度チャレンジする。多くの学校が、似たような傾向の問題を出題してくるので、過去の問題のやや難しい問題を解けるようにしておけば有利。 7] 再度チャレンジしてもできなかったものを先生に質問して解決させる。中にはいわゆる「捨て問」もあったりするので、『作戦』が必要だったりする。塾の講師なら、自分にあった得点アップのアドバイスがもらえるので、絶対に利用するべき。8] ある程度納得したあとで、(数日以上間をあけるのが理想だが)もう一度時間を計って取り組む。このとき、質問した問題を理解して自力で解けたかどうか、前よりも速く解けるようになったかがポイント。入試問題をすらすらと解けたと体験することが大切。9] 以上のことを生かすことを意識して、次の年の問題に取り組む。10] 以上のことを繰り返す。11] 入試がいよいよ近づいてきたら、当日に限りなく近い状態を作り、 封印していたテストを試す。 (ただし、塾によっては授業ですでに学習している場合もあるので その場合は点数は参考にならないが、緊張感や時間配分の練習にはなる。)受験生であれば、当然全員が過去問に取り組んでいます。ですから、ただやり流しても何の役にも立ちません。じっくり徹底的にやりこむことで、5年分もすれば体が自然と時間配分を覚えこむでしょう。過去と同じ問題数・同じ傾向での出題というケースが多いですから、受験生の中で一番過去問をやりこんだというのは、精神的な自信以上に有利にことを運ぶでしょう。万が一、自分の第一志望校が急に出題傾向を変えたとしても、不利となることはないはずです。特に人気のある上位校をねらう生徒は、その1ランク上を受けている生徒が第二志望として受験しにきていることも考えて、1ランク上の入試問題にもできるだけ取り組むことが必要です。1ランク上の入試問題に挑戦することで、難問に目が慣れ、自分の志望校の問題が解きやすく感じたり、スピードアップするといった効果、また、入試当日に必要以上に周りの生徒に対して緊張することも防ぐということを期待できます。
2017年11月03日
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