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2013年01月11日
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「孤愁」稲見一良、小川竜生、真保裕一、高村薫、貫井徳郎、花村萬月ほか、角川書店
北村薫のアンソロジー教室の本を読んで、アンソロジーを読みたくなった。図書館で目に付いたのがコレである。稲見一良や高村薫は好きだし、どうやら珍しいハードボイルド集らしい。

読んでみるとなかなか良かった。 選者の特別な拘りで作った本ではなく、全てかつての角川月刊誌「野性時代」からとって来た短編集なのであるが、見事に「独身者のハードボイルド」がキーワードになっていた。もともとハードボイルドの主人公は独身者が多い、というかそればっかりだから当たり前なのだが、それでもハードボイルドではない登場人物や設定でも、ハードボイルドになるのだということを認識させてくれるということでも良かった。しがない経理のおばさんでも、独身女流作家でも十分ハードボイルドしているのである。

独身者のアイロニー、淋しさ、ブライド、かっこよさ、かっこ悪さ、傷、様々な職業、なれのはて、がこういう色んなバリエーションで描かれると、ちょっと圧倒された。独身者のひとりとして。

稲見さんの「曠野」は「セントメリーのリボン」にも載っていた作品だが、巻頭を飾って異彩を放っていた。注目すべきは高村薫の「日吉町クラブ」だった。読んだ覚えがない題名だと思ったら、まさしく単行本未収録作品だった。しかも、読んだら紛うことなき「レディ・ジョーカー」の先駆形だった。競馬場で知り合った4人の男。ある会社社長の誘拐を企てる。目的は身代金にあらず。誘拐の後、日数が経てば無事開放の予定。その四人が集まる経緯から、犯行の細かな計画まで実に詳細に描かれている。「レディ」を読んだ人なら、こちらも十分に楽しめる。

そうそう、この本は既に絶版になっている。しかし、Amazon、楽天の古本には比較的安く出ていた。こういう類の本の運命としては、そんなモンだろう。
2012年12月22日読了





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最終更新日  2013年01月11日 22時04分40秒
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