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2013年12月05日
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さて、読書ノートは粛々とつけておこう。


「新参者」東野圭吾 講談社
私はテレビ版と映画版の加賀恭一郎シリーズを評価していない。阿部寛が加賀に相応しくないからである。外見が、ではない。むしろこの作品でも加賀を「彫りが深くて浅黒い」と描いていて、ピッタリなのかな?とも思う。しかしテレビや映画にすると、必ず阿部寛が全面にでるのである。主人公だから当たり前だろ、というかもしれないが、このシリーズの素晴らしいのは、加賀は登場するのは必ず途中からであって、活躍するのは最後の最後であって、むしろむしろ謎解きだけしてそのまま居なくなることさえあったのである(初期は違う)。そこが素晴らしかったのだ。テレビや映画だと、どうしてもスターを最初から最後まで登場させなくてはならない。だから映像化は最初から期待できなかった。

「新参者」は、加賀の出番は比較的多いが、あくまでも物語視点を「謎を抱えた人物」に置く。しかも、犯人探しは最後にとっておいて人情話に終始する。事件推理を追いながら、同時に「日常の謎」解きの物語を作るという荒技を今回は挑戦している。しかも成功している。

東野圭吾の小説群の中でも、「白夜」や「私が彼を殺した」以来の傑作になったと思う。

ずっと知りたかった「眠りの森」に登場した浅岡美緒との関係が一つわかったのは収穫だった。加賀は多分、今でもずっと彼女を待っているはずだ。加賀が捜査一課から所轄に移ったのは、あの事件のあとの顛末のせいだとは今回分かった。また、そのあと所轄で華々しい成果をあげ、上司もそのことを認めていながら、上に上げないのは、彼女との関係を加賀が精算する気が一つもないからに違いない。

いつか再び彼女との物語が紡がれることを願ってやまない。
2013年11月23日読了





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最終更新日  2013年12月05日 14時26分22秒 コメントを書く
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