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2014年01月03日
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テーマ: 本日の1冊(3795)

「現代語訳 竹取物語」川端康成 訳
高畑勲の「かぐや姫の物語」を観て、一度「竹取物語」をおさらいしたいと思い、この本を紐解いた。

先ず気がついたのは、アニメが中心的に描いたかぐや姫の幼少期の話は一章で終わっており、物語の大半は公達や帝の妻恋に多くを採っているということである。

高畑勲版は、比較的原作に忠実に描かれてはいるが、従来の話とは全く違う物語だということは、ここからも解る。

竹取の翁は終始出てくるが、その妻は「爺さんはそれを婆さんにあずけて育てさせた」と一文出てくるだけであり、視点が全く違う。姫や婆さんの目から見た世界はどう映っていたのか。私たちは、アニメというカメラを通して、自然の美しさ、人の世の愚かさを知るだろう。原作は、明らかに男の視点で見ている。それだけは、川端康成も認めている。

帝の望みをかぐや姫は断る。これは、当時としてはタブーだった。しかし、なぜ物語として許されたのか。川端康成は、そのことに延々と筆を及ばす。しかし、かぐや姫としては、それはあまりにも理の当然のことであって、私もあまり関心はない。月の使者が 「いったいそのかぐや姫は、ある罪を犯しなすったによって、汝のごとき賤しき者のところに、暫く身をお寄せになったのである。」 と書いているが、「罪」と書いて、川端康成は、ひとつも解説に言及していない。此処に、時代を越えて「支配する側」の世界の「限界」があると想うのは、私の穿ち過ぎなのだろうか。

最後に川端康成は解説に書く。

またかぐや姫は、彼女の周囲のすべての人間を一蹴した。勿論それは、彼女の高い清純さのためであろう。が、いかに高い清純さのためとはいえ、やはり現実を軽蔑した者の淋しさは受けねばならぬのである。」(163p)

原典に沿って解釈すれば、また、まだ女性の処女性が家の存続の為に当然のこととされていた戦後間もない男性社会にとっては、こういう解釈も当然だったのかもしれない。しかし、高畑監督の「かぐや姫の物語」を観てしまった我々から見れば、なんと狭く根拠のない解釈かと思うのである。
かぐや姫は、確かに「仰ぎ見る世界」月からやって来た。我々の世界を、全てを見渡したと見なければならない。京の都を飛び出て世界を見渡しただろう。それならば、彼女は十分に世界を見たから月に帰らざるを得なかったのである。「竹取物語」に描かれなかった物語を含めて、我々はこれからこの物語を見ることになるだろう。





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最終更新日  2014年01月03日 14時57分48秒
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