再出発日記

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2015年07月07日
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カテゴリ: 洋画(12~)
6月に観た映画は5月に続いて11作品でした。三回に分けて紹介します。春休みや夏休みには、つまらない大作が多いのですが、この時期は見逃せない秀作がたくさん来ます。よって次第と観る本数が多くなります。画像が入手できなかった作品もありました。ご了承ください。



「ザ・トライブ」
ろうあ者の寄宿学校というのは、一つの閉じられた世界である。どこにも助けを求めることはできなかったのだろう。

そこでは、人間の原始的な「力」、暴力と性が幅を効かす。初めは弱々しかったセルゲイは、おそらくたまたま喧嘩が強かったのだろう。また、従順性と協調性があった。不良仲間の中に入って行くのは、必然だったのかもしれない。

そういう彼が、金で買ったとはいえ、初めての「女」を知る。夢中になったとしてもおかしくはない。そして、あのような展開になってもおかしくはない。しかし、見ていられなかった。無音の世界では、人は震動ぐらいでは、起きないのか。

アンゲロプロスを思わせるような、重ぐるしい長回し。現代の話でありながら、まるで荒々しい神の誕生譚のように思えるのは、その撮り方があの巨匠のそれに似ているからだろう。しかし、アンゲロプロスと決定的に違うのは、生きるのに必要な「歌」がなかった。好き嫌いでいうと、私は嫌いだ。いい経験をさせてもらいました。

(解説)
世界中の映画祭が熱狂!
全篇手話のみで描かれる前代未聞の衝撃作

2014年カンヌ国際映画祭で批評家達を震撼させ、批評家週間グランプリ含む3賞受賞の他、各国の映画祭で30以上の賞を受賞、「サイト&サウンド」誌のベストテンにも選ばれた驚異の問題作が登場する。



登場人物の背景や心理的な説明を全て排し、純粋な身振り、表情、眼差しによる表現方法に、観客は想像力をフル回転させてスクリーンと向き合う、という初めての映画体験に身を委ねることになる。そしていつしか彼らの会話を理解している事に気付く。

(あらすじ)
ピュアで、過激で、
パワフルな純愛が暴走する

ろうあ者の寄宿学校に入学したセルゲイ。
そこでは犯罪や売春などを行う悪の組織=族(トライブ)によるヒエラルキーが形成されており、入学早々彼らの洗礼を受ける。何回かの犯罪に関わりながら、組織の中で徐々に頭角を現していったセルゲイは、リーダーの愛人で、イタリア行きのために売春でお金を貯めているアナを好きになってしまう。

アナと関係を持つうちにアナを自分だけのものにしたくなったセルゲイは、組織のタブーを破り、押さえきれない激しい感情の波に流されていく…。
inシネマクレール
2015年6月1日
★★★☆☆



「予告犯」
先ず宣言します。傑作です!


違いました。見事に騙されました。

ブラック企業、貧困の連鎖、メディアと世論、それらの「現代社会」の問題に、しっかりと目を向けていて、ビックリ。

「頑張ることが出来る分、貴方は幸せなんだぜ」
「たとえ小さなことでも、人のためになるのなら、人は動くんです」

監督賞或いは脚本賞候補です。


インターネット上に、新聞紙製の頭巾にTシャツの男(生田斗真)が登場する動画が投稿され始める。彼は動画の中で、集団食中毒を起こしながらも誠意を見せない食品加工会社への放火を予告する。警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野絵里香(戸田恵梨香)が捜査に着手するが、彼の予告通りに食品加工会社の工場に火が放たれる。それを契機に、予告犯=シンブンシによる予告動画の投稿とその内容の実行が繰り返される。やがて模倣犯が出没し、政治家殺害予告までもが飛び出すようになる。
■ 解説
「ジャンプ改」で2011年から2013年にかけて連載されて人気を博した筒井哲也のコミックを実写化したサスペンス。法では裁けぬ悪や罪をネット上で暴露し、その対象への制裁を予告しては実行する謎の予告犯シンブンシとエリート捜査官の攻防が展開する。監督は『ゴールデンスランバー』、『白ゆき姫殺人事件』などの中村義洋。『脳男』などの生田斗真が、新聞紙製の頭巾を被った異様な主人公を怪演、その脇を戸田恵梨香、鈴木亮平、濱田岳、荒川良々ら実力派が固める。息詰まるタッチに加え、社会のさまざまな闇に光を当てる硬派な視点にも注目。
■ キャスト
生田斗真、戸田恵梨香、鈴木亮平、濱田岳、荒川良々
■ スタッフ
監督: 中村義洋
脚本: 林民夫
原作: 筒井哲也
in movix倉敷
2015年6月8日
★★★★★



「おかあさんの木」
本来これだけの戦死者を出した家の物語ならば、戦前ならば「誉れの家」として語られてもいいような話ではある。それを、逆転させて厭戦作品として生まれ変わらせたのが、この原作の真骨頂なのだと思う。

しかし、時間的には仕方ないとはいえ、あまりにも一郎、三郎、四郎、六郎、誠のエピソードが少なすぎて、おかあさんの悲しみが伝わりきれない。

あまりにも重すぎて、鈴木京香はおろか、ほとんどの女優では映画としては演り切れないのではないか。或いは演出上の工夫があまりにもなさすぎ。

「おかあさんの木は切っちゃいけない」それはその通り。いまの時代だからこそ、その通り。おじいちゃんおばあちゃんしか観にきていなかったのが、この作品の限界を示している。

■ あらすじ
昭和初期、長野県の田舎の村。7人の息子を生んだミツ(鈴木京香)だったが、若くして夫・謙次郎(平岳大)が心臓発作により他界。息子たちは立派に成長するも次々と出征し、ミツはそのたびに畑に桐の木を植えていた。謙次郎の同僚だった昌平(田辺誠一)やその娘・サユリ(志田未来)らに気遣われながら、ミツは木に語り掛け、息子の帰りを待っていた。
■ 解説
小学校の国語教科書に長期にわたり掲載された大川悦生の児童文学を基に、7人の子供を戦地に送り出した母の愛を描いたヒューマンドラマ。貧しいながらも子供たちを育て、戦地へ行った彼らを待つ母親を、『血と骨』などの鈴木京香が演じる。メガホンを取るのは、『解夏』『がんばっていきまっしょい』などの磯村一路。共演には、三浦貴大、志田未来、田辺誠一、奈良岡朋子らが名を連ねる。母と子供の関係性や周囲の人々との交流、どんなつらい時代にも強く生きる登場人物たちの姿が感動を呼ぶ。
■ キャスト
鈴木京香、志田未来、三浦貴大、田辺誠一、奈良岡朋子
■ スタッフ
原作: 大川悦生
監督: 磯村一路
公式サイトはこちら
in movix倉敷
2015年6月11日
★★★☆☆

「あん」
なんとなく世間に引け目を感じて伏し目がちに悲しい目をして生きている人は、ハンセン病患者や出所者以外にも多くいると思う。

「私は何もなし得なかったかもしれないけれど、生きていていいんだ」

徳江さんの長い人生で掴んだ結論には普遍性がある。

それが「あん」の美味しさに凝縮するという面白さ。

それにしても、樹木希林の演技は化け物だった。何時の間にこの女性は何を演じても凄い女優になったのか。永瀬正敏の涙を見せない泣きは絶品だった。内田さんの気品は見事。あの美代ちゃん(浅田美代子)があんなにも嫌らしい妻を演じることができるとは思わなかった。

【ストーリー】
刑務所から出所したのち、どら焼き屋「どら春」の雇われ店長となった千太郎の店に、徳江(樹木希林)という女性がやって来る。その店で働くことを強く希望した徳江を千太郎は採用。徳江が作る粒あんが評判となり、店は大繁盛。そんな中徳江は、つぶれたどら焼きをもらいに来ていた女子中学生のワカナと親しくなる。ところがある日、かつて徳江がハンセン病を患っていたことが近所に知れ渡り……。

『殯(もがり)の森』などの河瀬直美が樹木希林を主演に迎え、元ハンセン病患者の老女が尊厳を失わず生きようとする姿を丁寧に紡ぐ人間ドラマ。樹木が演じるおいしい粒あんを作る謎多き女性と、どら焼き店の店主や店を訪れる女子中学生の人間模様が描かれる。原作は、詩人や作家、ミュージシャンとして活動するドリアン助川。映像作品で常に観客を魅了する樹木の円熟した演技に期待が高まる。
【監督・脚本】 河瀬直美
【原作】 ドリアン助川
【出演】 樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅、市原悦子、水野美紀、太賀、兼松若人、浅田美代子
イオンシネマ岡山
2015年6月14日
★★★★★





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最終更新日  2015年07月07日 11時07分16秒
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