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2017年08月20日
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テーマ: 本日の1冊(3719)


「千の顔をもつ英雄(上)」ジョーゼフ・キャンベル ハヤカワ文庫



「指輪物語」を引き合いに出すまでもなく、英雄は日常から召喚され、旅立ちをし、死地に向かい、様々な試練に逢い、そして勝利或いは大きな恵みを与えられ、英雄は帰還してその物語を終えるのが一般だ。

キャンベルは、第一部において、それを更に細かく分類する。「出立」は、「冒険への召命」(英雄に下される合図)、「召命拒否」(神から逃避する愚挙)、「自然を超越した力の助け」(下された使命にとりかかった者に訪れる思いもよらない援助の手)、「最初の境界を越える」、「クジラの腹の中」(闇の王国への道)という具合である。次の舞台「イニシエーションの試練と勝利」では、「試練の道」(神々の危険な側面)、「女神との遭遇」(取り戻された幼児期の至福)、「誘惑する女」(オイディプスの自覚と苦悩)、「父親との一体化」、「神格化」、「究極の恵み」と移ると云う。「英雄の帰還」は更にこのように分類される。「帰還の拒絶」(拒絶された現世)、「魔術による逃走」(プロメテウスの逃走)、「外からの救出」、「帰還の境界越え」(日常の世界への帰還)、「二つの世界の導師」、「生きる自由」(究極の恵みの本質と役割)となっている。上巻では上記のうち「イニシエーション」までが書かれている。

すべての神話がすべての要素を持っているわけではない。しかし、確かに、ヤマトタケルから桃太郎まで、驚くほどにその構造をなぞっているのに、気がつくのである。

以下、上巻で面白かった部分の一部を記す。
○クジラの腹の中というのは、子宮のイメージを持つ。英雄は、未知のものに「呑み込まれ」、1度死ぬ。そして再生する。
○障害物や人食い鬼などすべてを乗り越えたあとの最後の冒険は、一般的には勝利を手にした英雄の魂と世界の女王女神との神秘的な結婚で表現される。
○男でもあり女でもある神は、神話の世界では珍しくはない。

2017年8月読了





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最終更新日  2017年08月20日 21時58分02秒
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