小沢代表辞任の報を受け、ショックを受けているかと思いきや、意外と平然としていた最低人2838観察記・第五十五回です。まぁ、小沢氏と民主党の行動を、全て自分の都合の良い様に解釈しているだけの話なのですが……そのポジティブさだけは賞賛に値します。
とは言え、やはり都合の悪い事を無視し、現実から逃避するだけではダメなようで……小沢ショックを受けて書かれた全ての日記がやっぱりダメっぽいです。
と言う事で始めましょう。まずはこちら。その間違いは有り得ないよ、と言う話。
民主・小沢代表、辞任の意向固める(いよいよ本格的に選挙態勢に入る)
>かつて幕末、佐賀藩の松平春嶽は言った。(現役の殿様では自由に行動が取れない。何事か成そうと思えば隠居するに限る)と。
また幕末の話ですか……しかも 例によって間違ってますし
。
「隠居するに限る」と言った人がいたかどうかまではわかりませんが、 松平春嶽でない事は確実だと思われます
。
まず、春嶽公は 佐賀藩主ではなく、越前福井藩主です
。佐賀藩主は鍋島家で、化け猫騒動で有名なので、 これを間違えるというのは普通に有り得ません
。
春嶽公が隠居した事情についても間違いがあります。彼の隠居は安政の大獄において政敵・井伊直弼によって仕組まれたものであり、 隠居すると同時に江戸藩邸への謹慎・蟄居を余儀なくされています
。
その後、桜田門外の変で井伊大老が暗殺されると、春嶽公も表舞台へ復帰してはいますが、隠居特有の身軽さを利用しての行動ではなく、 政事総裁職(大老と同格)という要職に就いて幕政に参与する立場
にあり、「何事か成そうと思えば隠居するに限る」などと言ったとは到底考えられない境遇にありました。
>つまりこれからの小沢一郎は全く、何事に縛られない、自由行動が出来るというわけである。
と言うのは、まぁ当たってるかも知れませんが、 春嶽公を引き合いに出すのは決定的に間違っている
と思います。
お次はこちら。どう見ても自爆、な話。
小沢ショックで民主党が動揺しない理由
>それは議事録等を常に点検している支持者の皆さんは既にお分かりかと思いますが、民主党が(政策の職人)の集団だからである。極端な話、自ら1人を政策のプロと自任している人も少なくない。
民主党の議員が政策のプロだと言う主張には大いに異論があります
が、それはまぁこの場では置いておきます。つか、政策のプロだから代表の実力は関係ない、と言うんだったら、 暗に「小沢代表なんて必要ない」と言ってるのと同じだと思うのですけどねぇ
。特にこの部分。
>自らの力だけで政策を自民党に呑ませる、省庁に呑ませるために全力を尽くすであろう。
民主党の議員が本当にそんな有能な人材ばっかりだったら、 とっくに政権奪取に成功してるでしょう
よ……マーサ氏が小沢氏やその他民主党の議員を持ち上げれば持ち上げるほど、 現実のギャップが酷く目立つと思うのは私だけでしょうか?
お次はこちら。やっぱり聖☆小沢大権現如来原理主義者なのね、と言う話。
全ては管代表代行の、この言葉にある。
>我が党の小沢代表に対しても、いろいろな議論があります。しかし、私は、特に一点において小沢代表を支持しているんです。なぜか。それは、自民党のど真ん中にいた人がわざわざ飛び出して、二大政党をつくるためにわざわざ飛び出して、そして新たな政党を生み出して、今は我々と一緒です。
民主党と自由党の合併時は、 最初は菅氏は合併消極派だったと言うのに、白々しい事を言うものです
。
私は菅直人と言う人は、薬害エイズ問題でも政治的役割を終えた人だと思ってますが、この発言を見てますますその思いを強くしましたね。
小沢氏が自民党を離党したのは、 自民党で反主流派になったことが最大の理由
ですし、離党後も一貫して二大政党を目指して活動していたわけではありません。保守党時代には 自民党との提携による保保連合構想
、自由党時代にはやはり自民党と組んだ 自自公連立政権
を作っています。
で、挙句の果てには西松問題で民主党に大打撃を与えているわけですから、いい加減信用にも限度があっていいとおもうのですがね。
マーサ氏は日記のタイトルからして、菅氏と全く同意見だと看做しますが、正直小沢氏のどこがそこまで信仰に値するものなのか、非常に疑問です。 信仰だから理屈ではないんでしょうが
……
菅氏といえば、もう一つこういう日記があります。いや、その理屈はおかしいと言う話。
民主党管代表から国民への問いかけとメッセージ(真の国会の役割を一緒に考えて下さい)
>しかし、憲法を見てください。議院内閣制というのは、国会の第一の役割として、立法ではありません。国民にかわって総理大臣を選ぶのが国会の役割です。第二の役割が立法です。
日本国憲法
を見てみましょう。国会の役割は第4章にありますが、その先頭、第41条の条文はこうです。
「第41条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」
まず 第一に立法機関であることを明確にしています
。総理大臣の選出は内閣について書かれた第五章の三番目の条文、第67条です。
「第67条 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。」
まぁ当たり前な話ですが、 総理大臣と言うのは国会の会期ごとに選ばれるわけではありません
。ですから、 国会の第一の役割が総理の選出ということは有り得ません
。菅氏は一体何を言ってるのでしょうか?
この発言の意味は、こっちの日記を見ると明らかになります。
マスコミに意図的に隠されていた民主党の政権交代への積極的意志表示
ここに、菅氏の発言を載せた議事録が引用されています。
>二大政党になったときには、一方の政党が行き詰まったら、いや、 行き詰まっていないと言うんだったらまさに解散すればいいんですよ
。行き詰まったならば、一たん下野して、例えば麻生総理が総辞職をした後、皆さんが白票を出せばいいんですよ、白票を、次の首班指名で。そうすれば野党の党首が決選投票の部分で過半数をとりますから、それによって、 下野することによって野党に政権を渡して
、そうすれば、最低限のことを、緊急のことだけやったら即座に解散になりますから、そういう形で次の政権選択を国民に任せる。
たぶん、大半の人は「こいつは何を言ってるんだ?」と思ったのではないでしょうか。菅氏の発言を整理するとこうなります。
・政権が行き詰っていない場合:今すぐ国会を解散して民主党に政権をよこせ。
・政権が行き詰っている場合:今すぐ内閣は総辞職して民主党に政権をよこせ。
どっちにしても「政権よこせ」と言いたいだけで、 まさに政権亡者
と言うべきでしょうか。こんな民主党に一方的に都合のいい主張を、自民党が了承するはずが無いでしょう。
要は野党の党首(要は民主党代表)が総理の席を取るために、 憲法を曲解(と言うより捏造レベル)して、国会の第一の役割は総理大臣の選出なんだと、無茶な主張をしている
のが菅氏の「国民への問いかけとメッセージ」の正体なわけですね。これに対しては一言で返させていただきましょう。
ちょっとおまけ。世の中にはコールドゲームと言うものがあってね、と言う話。
小沢代表の辞任の意味(野球と同様)
>1回の表が終了したから、1回の裏に回っただけ。
>試合は今、ようやく1回の表が終了しただけ。
ピッチャー小沢は ボークとエラーで相手チームに二桁得点を献上する大炎上の末の降板
だったようですが……しかも次のピッチャーはどっちにしても小粒ですからねぇ。
ネタが多いので、 第五十六回
に続きます。
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