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2005.06.14

ニュースを見ていた。
イジメを苦に、自殺をした中・３の女の子に関する報道だった。
自分の娘がまさか自ら命を絶つなんて、誰が想像しますかと声を荒げて憤る父親も、彼女が生きていた頃の思い出話をする時は穏やかであった。
短い時間しか見れなかったので、彼女の背景に何があったのかなど、具体的な事はわからなかったが、短時間であっても、幼い少女が死を望むほど追い込まれている状況を想像すると、とても胸が苦しくなる。

彼女の残したメモが見つかったらしい。
そこにはイジメを認めざるを得ないような内容が書かれていたそうだ。
それを持って、教育委員会のおエライさんに、詰め寄る父親。

コレを見てみろと言わんばかりに、おエライさんに突きつけ、なぜイジメがあったと認めないのか、なぜ一言「すいませんでした」と謝れないのか、イジメがあったと認めたら自分達の立場が悪くなるのか・・・。
父親の憤りはおさまらない。

ま、正直言えば、彼らは自殺した少女の事なんて知らないのであろう。
見ていても、「厄介な事に巻き込まれたなぁ」とでも言いたそうであった。

ナも教師をしながら何度か思ったが、結局上の人は、自分の立場とかしか考えてないんだと思う。
教育機関だけじゃなくても、普通の会社でもそうだと思うが、「部下の失敗は部下本人の責任、部下の成果は上司である自分の成果」とでも言いたいのだろうか。
面倒な事は出来るだけ関わりたくないのは誰も一緒だと思う。
だけど、自分の役職に見合った報酬をもらっているのなら、その役職に応じた責任も負わなければいけないと思う。
最近のおエライさんは「いいとこ取り」する事に躍起になりすぎではないのだろうか。

今回の件に関しては、確かに、教育委員会に直接的な落ち度があったのではないのかもしれない。
がしかし、彼らに全くの責任がない無関係な問題でもないのだ。

家を後にした教育委員会のおエライさんにインタビューした。
「メモ、ご覧になられましたよね？どう受け止められました？」

『いやぁ、よく見えなかったんですよねぇ』
その時点で、ナはあまりにも痛々しくて、直視出来なかったという意味なのだと解釈した。
彼に対する印象はよくなかったが、そう思うと、彼なりにいろいろ深く考えるものがあったのだと思ったのだ。
ナは次の言葉に耳を疑った。
『今日はメガネも持って来てなかったんで・・・』

ナはテレビの前で、思わず、「お前、アホか！？」と吐き捨てた。
彼は老眼のせいで、文字が読めなかったと言うのだ。
話にならない。
それをテレビのインタビューでバカ正直に素で答えている。
バカとしか言いようがない。

父親にメモを見せられて、手に取って、でも見えてなくて、彼はその間何を思っていたのだろう。
父親がここに彼女からのメッセージがこめられてるんですよと言われても、「いや、何て書いてあるかわかれへんし」って心の中では思っていたのだろうか。
それなら、借りて家に持って帰って、老眼鏡かけて見てみろよ！！！
ナはその一言で、彼が今回の自殺に関して、どんだけ軽く見ているのかというのが見えてしまった。
なんであんなヤツを教育委員会に入れているのかわかんない。
もし、委員長だとしたら、その地域の教育は終わってるね。
っていうか、今すぐ辞めさせるべきである。

そりゃ、一人一人の心理状態まで管理するのは難しいことだと思う。
子供の言葉には裏もある。
言葉として出て来る「言葉」だけが、本心ではないと思う。
それを全て見抜けとは言わないし、無理に近いと思う。
だけど、子供達に心を開かせるのも教師の仕事だし、親ともマメに連絡を取り合って変わった事がないか、連絡を取り合えるように信頼を得るのも教師の力量にかかっていると思う。
とても難しい事だけれど、やりもしないのは問題外だと思うし、努力は必要と思う。
後は、事後のケアも必要だと思う。
言葉だけで気持ちのない「謝罪」はいらない。
今後同じ事を繰り返さないように、もう一度見つめ直す事が必要だと思う。
もう罪のない子供達が犠牲になるのは見ていられないよ・・・。

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