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アメリカ、カーネギー研究所などの研究グループは、このほど太陽系に一番近い恒星(太陽系から4.2光年=約40兆km離れた所に位置する)のプロキシマ・ケンタウリで、大規模な爆発現象「フレア」を確認した。
◎たった2分間の大規模フレアだが
ケンタウルス座の11等星で太陽系最近の恒星プロキシマ・ケンタウリと言えば、地球よりやや大きい程度の岩石の惑星ケンタウリbを従えている赤色矮星であり、そのケンタウリb系は外惑星として生命存在の可能性が最も高い、と話題になった(16年10月10日付日記:「地球に最も近いプロキシマ・ケンタウリに生命存在可能な系外惑星プロキシマbを確認」を参照)。
しかしこの大規模フレア現象が確認され、しかもそれが頻繁に起きているらしいことから、誕生したとしても生命は存続しがたいことが明らかになった。
研究チームは、南米チリにあるアルマ望遠鏡で2017年1月から3月の間、約10時間、プロキシマ・ケンタウリを観測していた。その間、冒頭で述べたような大規模フレアが発生したが、それはわずか2分間ほどの出来事だった( 想像図
=プロキシマ・ケンタウリで発生した巨大フレア。右下は系外惑星のケンタウリb)。
◎過去に起こった太陽フレアの10倍
この規模は、過去に太陽で起きた最大のフレアの10倍もあり、周囲を回る惑星に膨大な放射線が降り注いだとみられる。
プロキシマ・ケンタウリのような赤色矮星(半径は太陽の7分の1)は、活発なフレア活動が見られることが多いという特徴がある。実際にプロキシマ・ケンタウリもX線フレアを頻繁に起こす星であることは知られていた。その中でも、今回観測されたフレアは最大級のものだった。
◎惑星ケンタウリbの受けた放射線量は地球の受ける4000倍
このフレアによってプロキシマ・ケンタウリからの電波強度は10秒間で1000倍も強くなっていた。
プロキシマ・ケンタウリと惑星ケンタウリbとの距離は太陽から地球までの20分の1しかないため、今回の巨大フレアでケンタウリbが受ける放射線量は地球が太陽フレアから受けるものの4000倍にもなった計算だ。
前記の過去日記でも述べたが、地球サイズに近いケンタウリbは、母星からもほど良い距離にあることから、大気があり、また表面に凍結状態ではない、液体の海が存在することが想定され、したがって生命が誕生していることが期待されている。
しかしこの桁外れに強烈な放射線をケンタウリbが頻繁に受けているとすると、その可能性はほとんどゼロに近くなる。表面に大気や水があったとしても、巨大フレアの発生の度ごとに強烈な放射線を受け、すべて蒸発してしまい、地表面も滅菌されてしまうという。
◎強烈な放射線で生命は焼殺
これまで、中心の恒星と惑星との距離が適切な条件であれば惑星に生物が存在できるかもしれない、と指摘されてきたが、今回の発見は、その条件だけで生命存在の可能性を議論できるほど状況は単純ではないということになる。
赤色矮星は銀河系内にありふれた存在とされ、その赤色矮星のほとんどに惑星を従えている可能性が考えられたが、少なくとも巨大フレアを頻繁に起こす赤色矮星の系外惑星には、生命存在の可能性は乏しくなったと言えるだろう。
系外惑星はこれまで5桁に迫るほど見つかっているが、やはり地球のような存在は、希有なもののようだ。安直に生命存在の可能性など論じられなくなったということだ。
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