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ここは船でしか行けないとされるのももっともだ。険しい岩の海岸で、道もない。 洞窟は海蝕洞窟で、激しい波だけが岩に穴をうがつことができたのだ。
◎上陸不可だが、凪で上陸
近づくと、船が接岸できそうに岩が削って整えられている( 写真
)。毎年11月、土井ノ浦教会の信者を中心に100名ほどが上陸し、ミサを行っているというから、そのためなのだろう。
しかし一般観光客は危険なので、上陸できないという。
ところがこの日は、異例の凪ぎ状態だ。海上タクシーの船長が僕たちに配慮して、岩の接岸してくれた。すると、上陸はしないように、という添乗員の制止もものかは、7、8名は上陸した。むろん僕も、である。
◎足場の悪い岩場にキリスト像と十字架
上陸してみると、確かに巨岩がゴロゴロしていて、足場が悪い。岩に足を滑らせて転落すると、怪我をしかねない。
その僕を見下ろすようにキリスト像と十字架が立つ( 写真
)。いずれも高さ3~4メートルはあるものだ。よくもこんな所にキリスト像と十字架を立てたものだと思った。


3家族12人が潜んでいたキリシタン洞窟は、キリスト像の足下の岩をさらに乗り越え、岩の窪地になった所をもう1度乗り越えた先にあった(キリシタン弾圧=「五島崩れ」などについては、12月25日付日記:「長崎・五島、世界遺産の旅⑧:明治初年の厳しいキリシタン弾圧『五島崩れ』の記念碑=キリシタン洞窟」を参照)。
◎海から見えない海蝕洞窟
高さ5m、幅5mの典型的な海蝕洞窟で、奥行き50mの先に向こう側出口も見える( 写真
)。
ここまで行ったのは、一行で僕ともう1人の中高年男性だけだ。見上げると、十字架もキリスト像も空の果てに立つかのようだ( 写真
)。
海水に浸からないから、逃避場所としてはまずまずだが、海から見えなかったはずのこの洞窟をクリスチャンたちはよくぞ見つけたものだ。その点、隠れ場としては格好のものだ。
◎弾圧から逃避したキリスト教徒哀れ
周囲には水はないから、雨水を溜めて飲み水にしていたに違いない。
食べ物は、前の海でいくらでも魚を釣れたろうが、それ以外のコメ、味噌、野菜には不自由したはずだ。維新の明治になっても、なお弾圧の下に逃避したクリスチャンが哀れであった。
「行きますよー」という添乗員の声が聞こえてくる。僕は、足下に気をつけて海上タクシーに戻った。
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