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2025.05.30
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カテゴリ: 日本史
​ ポーツマス講和の妥結は、陸軍と政府には大歓迎だったが、日本軍の苦しい内情を知らされていなかった国民には憤激で迎えられた。暴徒化した国民に日比谷一帯の焼き討ちと東京市の交番の8割が破壊されるほどの騒乱に陥った( 写真 )。講和交渉の全権を務めた小村寿太郎の自宅も襲撃された。​



​◎旗艦も含め戦艦すべてを失ったロシア・バルチック艦隊​
​ バルチック艦隊を壊滅させた海軍は、戦う相手がいなくなった。大勝利したからポーツマス講和には、不満だったかもしれない。何しろ日本海海戦では世界海戦史上、最大の戦果でロシア、バルチック艦隊(第2・第3太平洋艦隊)を壊滅させたのだから( 写真 =ロシア第2太平洋艦隊)。​
​


 この戦果は、かつてないほどのものだった。パルチック艦隊の最新鋭を含む戦艦8隻のうち6隻撃沈(旗艦の「クニャージ・スヴォーロフ」を含む= 絵 :マストや煙突も吹き飛ばされ、沈没寸前の姿)・2隻捕獲、装甲巡洋艦3隻すべてを撃沈などで、ヴラジーボストーク軍港に向かうことを目指していた38隻のロシア艦隊のうち軍港に到達できたのは、小型巡洋艦1隻、駆逐艦2隻の計3隻のみだった。​



 対して日本の連合艦隊の損害は、100トン未満の水雷艇3隻の沈没のみだった。

​◎司令長官含む将官2人も捕虜​
 損失排水量合計では、ロシア、バルチック艦隊は19万5162トンに対し、日本の連合艦隊はわずか255トンと1%程度に過ぎなかった。
​ バルチック艦隊の司令長官ジノヴィー・ロジェストヴェンスキー中将= 絵 :佐世保海軍病院に入院した同中将を見舞う東郷平八郎連合艦隊司令長官=も重傷の末に捕虜になり(第3太平洋艦隊長官のニコライ・ネボガトフ少将も降伏後に捕虜)、彼ら2人を加えたロシア海軍の捕虜は6106名となった。​
​


 ロシア、バルチック艦隊がこれほどの大惨敗を喫したのは、ロシア軍港リバウ港を出港して1万7000海里の海路を7カ月もかけて対馬沖に達した士官・兵の疲労とその間の訓練不足などがあった( 図 =バルチック艦隊の航路)。​



​◎急遽、編成された第3艦隊を待つために熱帯マダガスカル島で待期​
 途中、急遽編成された第3艦隊をマダガスカル島のシノベ港で待つように本国から訓令され、ここで3か月も滞留させられたことも大きい。熱帯にあり、酷暑で高湿度で、寒冷地で育ったロシア水兵には耐えがたい所であり、10数人の病死者も出た。

​◎恐怖にかられてドッガーバンク事件起こして​
 そもそも出発時から第2太平洋艦隊は、ケチがついた。
​ 日本軍の戦術の流言で、バルト海の北海への出口のデンマークの狭い海峡のあちこちに日本軍の水雷艇が待ち構えているという極度の緊張感を強いられ、そのあげく海峡を抜け出た北海のドッガーバンクで、恐怖に駆られた艦隊はイギリスの漁船を日本海軍の水雷艇と見誤り、漁民に死者・負傷者多数を出させ、漁船も沈没させるドッガーバンク事件も起こしてしまった( 絵 =イギリス漁船を攻撃するロシア軍艦を描いた絵葉書)。​



 この事件は、日本と日英同盟を結んでいたイギリスを激昂させ、以後の航海に様々な妨害を受けることになってしまった。あげくに途中寄港地のフランス領アフリカでも寄港を断られる始末だった。こうした苦難の長途の航海は、乗組員に重い疲労を強いたのである。
 1万7000海里の海路を7カ月もかけたバルチック艦隊の極東への回航は、欧米新聞には壮図とも称えられたが、将兵たちに重い負担だった。バルチック艦隊は敗れるべくして敗れたのだ。

​ 昨年の今日の日記 :休載​





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Last updated  2025.05.30 05:23:30


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