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2025.10.18
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 前回で1万カ所以上知られている日本の旧石器遺跡は99.9%は石器だけ出土するものばかりと書いた。

​◎旧石器人の墓?から出土した琥珀製ビーズ​
​ しかし北海道知内町の湯の里4遺跡は、おそらく旧石器人の墓と推定される土壙から装身具類などが出土する希有な遺跡だ。おそらく遺跡外からもたらされた琥珀を加工したビーズが出土している( 写真 )。細石刃を伴うので、年代は1万5000年以上前か。人骨は、酸性土壌のために残らなかった。
​


 琥珀は道内では道央の三笠市で見つかるが、あと細い水道で隔てられた古本州島の現岩手県久慈市でも産出されている。湯の里4遺跡の琥珀産地は分からないが、案外、久慈産ではないかと思う。

​◎下北の石灰岩洞窟で石器とノウサギの歯​
​​ あまり知られていないが、古本州島の最東北端、下北半島東通村の尻労安部(しっかりあべ)洞窟( 下の写真の上 )でおびただしいノウサギの歯と石器が見つかっている( 下の写真の中央と下 =ノウサギの歯とナイフ形石器)。年代は、2万年前頃か。おそらく旧石器人が狩った動物と石器の共伴する唯一の遺跡である。​​







 慶應義塾大学の民族考古学教室が、旧石器人骨の発見を目指して長年発掘調査してきた石灰岩洞窟だが、旧石器人骨はついに見つからなかった。その代わり、獲物にしていたノウサギの歯はたくさん見つかった。ここで、石器でノウサギの皮を剥ぎ、肉は食用にしたのだろう。
 ここで旧石器人骨が見つからなかったのは、日本の旧石器人は、死者を洞窟に埋葬しなかった可能性を高める。石灰岩洞窟に埋葬したのなら、人骨が残るからだ。
 古本州島で旧石器人骨がただ1カ所を除いて見つからないのは、遺体は開地に埋めたからかもしれない。旧石器時代の開地なら、海面が上昇した今なら海の底だ。

​◎古本州島と北海道半島で見つかった旧石器人骨は浜北1カ所のみ​
 その古日本島の唯一の旧石器人骨が出土したのは、石灰岩地帯の静岡県旧浜北市(現浜松市)の根堅(ねがた)洞窟である。ここは、石灰岩採掘場で、石灰岩層に混じって様々な獣骨が発見されていた。人骨は1962年に発見された。
​ 出土層位は上層と下層があり、展示の実物人骨は上層のものである( 写真 )。年代は1万4000年前くらいか(右脛骨のみ出土した下層は1万8000年前)。推測だが、保存されやすい石灰岩層でも写真のように破片でしか見つからないのは、女性と推定されるこの旧石器人が肉食獣に捕食された残骸ではないだろうか。
​


 古本州島では、旧石器人骨はここだけでしか見つかっていない。しかし前回でも述べたように古本州島と北海道半島での旧石器遺跡は1万カ所以上も見つかっているのだ。ヒトがいなければ石器は作れない。古本州島と北海道半島の旧石器人は、幻の中にある。
​
昨年の今日の日記 :「デンマークでヴァイキング時代の保存状態の極めて良い人骨50体を発掘」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202410180000/​





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Last updated  2025.10.18 03:44:32


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