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2025.10.30
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カテゴリ: 人類学
 スペインは、約85万年前のホモ・アンテセソールの時代から青銅器時代まで、かなり食人(カニバリズム)が普遍化していたようだ(ホモ・アンテセソールの食人については、25年8月24日付日記:「初期人類、ホモ・アンテセソールの幼児の首の椎骨に切り傷を発見、85万年前から共食いの新たな証拠か」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202508240000/を参照)。

◎11個体のバラバラの骨に加工痕
 このほどスペインで、新石器時代末の食人の可能性を示す研究報告が出された。約5600年前の人骨の集合体が、古代スペインにおける食人のさらなる証拠を提供する可能性を報告する論文が、このほどオープンアクセスジャーナル『サイエンティフィック・レポ-ツ(Scientific Reports)』 に掲載された。
 アタプエルカ山脈のエル・ミラドール洞窟(El Mirador Cave: 下の写真の上 =発掘中の様子)で発見された推定11個体の骨を分析した結果、数十の骨に火を受けた痕跡( 下の写真の中央 )、人間の歯の痕、または解体の痕跡( 下の写真の下 =解体によりバラバラになった骨)が確認され、死後に処理を受けた可能性が示された。







 イベリア半島には、集団埋葬や死後の遺体の再分配を含む多様な埋葬慣習の記録が残っている。半島での食人の例は冒頭のような85万年前まで遡る記録があるが、当時の文化慣習の曖昧さや埋葬条件の不確実性から、人体処理の直接的な証拠は稀で、解釈が困難である。

◎半数近い239点の骨に加工の痕跡
 カタルーニャ人類古生態・社会進化研究所(IPHES)の研究チーは、エル・ミラドール洞窟の2つの異なる地域から発掘された、死後改変の痕跡を示す650点の個体の骨断片を分析した。これらの骨は、新石器時代末から青銅器時代初頭(放射性炭素年代で5709年~5573年前)のもので、幼児、青少年、および成人が含まれていると推定され、同位体分析から地元住民のものと推定されている。
 研究チームは、サンプル中の239点の骨に加工の痕跡を発見した( 写真 =バラバラになり、カットマークの残された骨の一部)。これらの遺骨は、より最近の集団埋葬の遺物と混ざり合った状態で発見された。222点の骨には火葬に伴う色変化が認められ、そのうち69点の骨には死後に行われた可能性のある解体痕が確認された。さらに、132点の人骨には切り裂き、削り取り、切り刻みなどの切痕が認められ、これらは皮剥ぎや肉除去と関連している可能性がある。著者らは、一部の骨に人間の歯跡の可能性を示す痕跡があるとも指摘している。



◎バラバラの骨は解体作業によるもの
 確認された外傷は、いずれも生前に発生したものとは考えられない。チームは、加工のパターンは、紛争中に受けた傷や戦利品としての身体部位の切断よりも、解体作業によるものとの一致が最も高いと述べている。
 チームは、これらの発見は、新石器時代のコミュニティーに特徴的な、より深い社会的緊張と紛争の動態を示す、単一の紛争関連の食人事件を反映している可能性があると指摘している。

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Last updated  2025.10.30 05:45:01


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