このOppenheimerという映画はJ. Robert Oppenheimerが米国の安全保障に関わる聞き取り調査されている中で知られざるマンハッタン計画の事実が明らかになっていくストーリーだ。そこにLewis Strauss(Oppenheimerの上司)という別の人物の上院での国会聴取の回顧も含まれるため常に時系列が乱れる。最後にOppenheimerとStraussの回顧が重なり一致した時に視聴者は衝撃の事実にたどり着く。
“Don’t let that crybaby back in here!”(あんな泣き虫を2度と招くな!)
その後、水素爆弾の開発を推し進めようとするLewis Straussと何度もOppenheimerは衝突する羽目となる。OppenheimerはRoosevelt大統領が立ち上げた国際連合(The United Nations)による核縮小を支持していたが、彼の望みも虚しく1945年以降ロシアとの冷戦によって核は抑止するどころか拡大し続けた。欧州へのアイソトープの輸出をめぐりOppenheimerによって大勢の面前で恥をかいたStraussはOppenheimerが共産主義者と繋がりがある点に漬け込み、彼に関する機密書類をBordenに渡して起訴するように唆す。それによってOppenheimerは冒頭に出てきた安全保障に関する聴取に晒されるのだ。