心身健康レシピ(@自宅)byはんなりシェフ
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僕は、バーベキューがなぜあんなに楽しいのかの秘密を知っている。そこには、忘れていた『スローの価値』がすべて含まれているからだ。いつもはコンビに弁当で調理済みの肉を買っているような僕たちが、ものすごい手間隙をかけて、あるときは炭まで買い込んで、火と格闘し、鉄を暖める。仲間が一緒に汗を流しながら、なれない手つきで野菜を切る。そこには協力として必然的なコミュニケーションが発生し、一つ一つの肉を、(ときに生の状態での豚肉と牛肉の区別の仕方を初めて知りながら)自分の手で焼いていく。役割分担があり、食物の分配があり、協力と対話がある。そしてそれを、自然の中で行っているのだ。楽しくないはずがない。おいしくないはずがない。それは、肉の味だけではないからだ。そこにしか存在しない場所で、その仲間とでしかできないコミュニケーションを取りながら、自分たちの手で、時間を、食を、自然を、文化を、ぜんぶ一緒に食べているのだ。楽しくないはずがない。おいしくないはずがない。僕は、最近注目されている『スロー』という価値観の一番大切な本質が、この中に込められているように感じる。バーベキューに効率性は全くない。時間的にも金額的にも、コンビに弁当と比べたコストは莫大なものだ。しかし、私たちが感じる豊かさは、節約生活の末に手にする小金や隙間時間の、何十倍と心を潤してくれることだろうか。スローライフという言葉自体も、実はもともと『スローフード』という食を見直すイタリアでの活動を由来とするもの。これは北イタリアの小さな村から始まった運動で、ハンバーガーのようにすぐ食べられ、どこにでもあるファーストフードに対し、その土地しかない材料を使った料理を大切にし、家族や友だちと話しながらゆっくりと味わおうというものだ。そしてそこに、心や文化を味わう姿勢を見出す動きだ。私たちは日々、何を食べているだろうか?何のために、誰と食べているだろうか?もちろん、毎日をバーベキューにする必要はない。ただ、見直してみる価値はある。平凡な一日一日を、きちんと味わって生きる方法は、探せばきっとあるはずなのだ。【今日の人生レシピ】食も人生も、誰とどう味わうか。食材よりも、ひょっとしたら、大切なことかもしれない。
2005年01月19日
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