音楽が好きである。好きな音楽に踊りが加わる舞台芸術はもっと好きである。というより好きを超えて熱狂的になる。
舞台芸術のなかでも バレーと能
が特に気にいっている。
以前は生の舞台にけっこう足を運び、シュトットガルトバレエ団の「ロミオとジュリエット」に熱狂したり、能楽堂で「道成寺」に陶酔していたが、クライミングを始めてからは山ばかり行ってどちらもとんとご無沙汰である。
舞台を見て酔いしれるだけの受動的鑑賞と実際に自分が体を使って活動する能動的クライミングとの吸引力の差は大きく、舞台にはこの1年、妹を連れて行ったミュージカル「キャッツ」1本以外全く行っていない。
ここのところ時間がたっぷりある毎日なのでバレエの本を借りてきた。 熊川哲也「プリンシパルへの道」 と ニジンスキー の写真集である。どちらも魅力的な舞踊シーンが豊富に入っていてわくわくした。
ニジンスキーは希代の興行師ディアギレフとの関係で有名だが、踊っていた期間は短く、最後は統合失調症で亡くなったという。
あの男性とも女性とも思える姿、というより男性の体の中に女性が宿っているような独特の雰囲気と 「空を飛んでいる」
と言われた 跳躍力の高さの
裏にこんな悲劇が隠されていたとは知らなかった。
とても魅惑的なニジンスキーの姿 「牧神」を踊る
熊川哲也はハイジャンプに定評がある現在人気・実力NO.1のダンサーであり、 Kダンスカンパニー の芸術監督でもある。この人の驚異的な高さのジャンプ、「海賊」の連続するターンを寸分のゆらぎも見せず軽々と踊る姿、激しい動作のあとにピタッと着地して微動だにしない完璧なポーズを一度見て、とりこになってしまった。(全く私は年甲斐もなくすぐのぼせてしまう)
「テツヤ」をおっかけているわけではないが、憧れるものがあるということは生活に潤いをもたらしてくれる。
今年もあと4ヶ月だが、何とかして一度くらいは生のバレエと能を観にいきたい。
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