マックの文弊録

マックの文弊録

2005.07.02
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◇土曜日:旧暦五月二十六日 丁亥(ひのと い)

今日は「半夏生」だ。
暦には雑節というのが有って、半夏生はその内の一つだ。
二十四気は大体二週間おきに季節を区切るが、化学肥料も温室も無く、自然に密着しなければならなかった昔の農作業では、二十四の区分では粗っぽ過ぎた。だから昔の人は別に「七十二候」や「雑節」を設けて、更に季節の移ろいを細かく捉えようとしたのだ。
「四季」は新幹線。「月」は在来線の特急。「二十四気」は急行。そう考えると「雑節」は準急電車というところか。

半夏生は夏至から数えて11日目に当たる。今年の夏至は六月二十一日だったから、今日二日が半夏生になる。この日太陽の黄経は100°になる。

妙な名前のこの雑節、昔は「未だ本格化しない中途半端な夏」だと思っていた。実際には、この頃半夏という植物が生えるからだということが知れてなるほどと思った。「中途半端な夏」なんて決め方では農作業の指標にはならないから、考えてみれば当たり前だ。半夏が生えるから半夏生。

半夏の別名は烏柄杓(カラスビシャク)という。
全国の田んぼや畑のあぜ道などに普通に生える草だから、ちょっと田舎に行って注意して歩いていれば目にすることも多い。


この種類は、花序を包んで膨らんだ鞘を仏炎苞と呼んで仏様の光背に見立てる。まことにわが国の民の心はゆかしくも信心深い。
それに較べて、毛唐どもといったら…。
例えば半夏のことは英語でJack in the culpritという。いってみれば「囚人草」である。ありがたい仏炎苞が獄舎に変じてしまうのだから、狩猟民族の心根の殺伐さたるや、この一事で知れようというものだ。

ところで半夏生は”はんげしょう”と読む。
これを「はんゲしょう」と発音する人が大半だろうが、ここは一つ「ゲ」ではなく「nge」、つまり古来日本語に固有の耳に優しい鼻濁音で発音して欲しいものだ。





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最終更新日  2005.07.03 13:08:22
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