マックの文弊録

マックの文弊録

2005.09.25
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◇日曜日:旧暦八月二十二日 壬子(みづのえ ね) 下弦の月、八専始め
ひるが野湿原(花らっきょう)

今 日は晴れていれば夜半の空には下弦の月が掛かるはずだが、台風17号の影響もあって観ることは叶わないだろうと思う。下弦の月を迎えて旧暦の八月も四分の三を過ぎた。いよいよ秋も本格化する。

暦 を見ると、今日の欄には「はっせん始め」と書いてある。なんだろうと思って調べてみたら、「 壬子 みづのえね の日から 癸亥 みづのとゐ の日までの12日間の内、干支の五行が同じになる8日のことを云う」とある。例えば「みづのえ」は五行で「水」。「ね」もやはり「水」なのだ。
はっせんは陰陽道から来ており、一年に6度あるのだそうだ。棟上げには吉日だけど、結婚や家畜の売り買い、そして神仏のことには忌み日という。

市販されている暦を見ると、一年三百六十五日必ず何がしかの選日とか忌み日として定められて居る。それぞれにはもっともらしい理屈立てがあって、これが陰陽思想や五行思想、或は道教の教えからきているもののようだ。

これは昔の人々の生活上の必要から、自ずと定められて伝承されてきたものだろうか?どうもそうではないような気がする。
それよりも、民草に「価値のある情報と指針」を発信してやろう。」而して自らの糊口を凌ごうと考えた、一部のはしっこい連中によって喧伝されたものだろう。彼らは自らの情報を権威付け、理屈を立てるために、あれこれ古典を引きずり出してそれを組み合わせたものであろう。どうもそんな気がする。

そ
情報という目で世間をある確度から見ると、其処は茫漠と広がる無限の荒野である。其処に、何でもいいから適当な理屈を、しかしもっともらしい理屈を用意して「サービス」すれば、アラ不思議。たちまち新規のビジネスが生じ、それによって録を食む連中が生まれてくる。そのうちそれが当たり前になって飽和し、皆が飽きてくると、いつのまにか廃れてしまう。

そんなことを思いながら「はっせん始め」などと書いてあるのを見ると、「ああそうですか」と思うばかりである。

こ の週末は下の娘が通う高校の秋の学園祭だった。埼玉県の公立高校は伝統的に男女別学が多いようで、娘の学校も女子高である。

僕の卒業した高校は、やはり地方の公立高校で、当時は県内有数の進学校であった(今もそうかも知れないが)。僕自身は何となくこの学校の雰囲気に馴染む事が出来ず、課外活動ははなっからサボるし、周りを常に理不尽にも馬鹿にしていた。
とにかく気に入った数人の連中とだけ付き合っていたのだ。だから自慢じゃないけれど、高等学校の三年間を通じて「友達」は六人しかいなかった。学園祭などもあったのだろうけれど、僕自身はそれに積極的に参加した記憶が全く無い。
それが今では適当におだてられてこの高校の首都圏に在住する卒業生の同期会の幹事をやっているのだから、訳がわからない。ともかく初の参加者に会えば、先ず例外なく「初めまして」の挨拶だ。高校時代の話になれば、まるで同じ高校を卒業したのが疑われるほど話が通じない。

そういう過去があるから、彼女が入学した年の学園祭に初めて彼女の高校を訪れた時は、どんな雰囲気だか興味津々だった。ところが色々な展示を眺め、生徒たちに接して驚いた。みな本当に楽しそうで、明るい。彼女は課外活動に英語劇クラブを選んだが、その公演を見て感動した。これは、まさに青春時代ではないか。「良い高校に入って良かったね」と心から思った。

こ の高校はやはり県内でも有数の進学校だが、詰め込みのがり勉を養成するのではなく、生徒の自主性に任せるのが方針のようだ。云うならば「女子高のバンカラ版」らしい。それでも、多勢の先輩たちが各方面で活躍している様子なのは頼もしい限りである。

彼女は、二年の時は英語劇の監督の大役をこなした。家では小さい頃からと変わらない子供に過ぎない子が、カーテンコールで多勢の観客に向かって明瞭な声で堂々と挨拶をするのを見て、親ばかじゃないけれど(親ばかか)ジンと来るものがあった。

今年はもう彼女にとって最後の学園祭だ。三年生はもう演劇のラインを外れ、野外でのカジュアルな寸劇だった。演題は毎年同じに決まっているそうだが「ライオンキング」だった。
彼女にとっては本当に得がたい三年間だったろうと、そう思う。


来 訪者でごった返す校内から逃れて、最寄の駅まで続く道を帰りながら、自分の高校時代や通学路の光景を思い出していた。似ているようで全く違う。
何れにしろ、彼女には本当に「良かったね」と思う。本人が身に沁みてそう思うのは未だまだ先のことではあろうけれど。





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最終更新日  2005.10.01 21:07:31
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