マックの文弊録

マックの文弊録

2005.11.22
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カテゴリ: 小言こうべえ
◇ 火曜日:旧暦十月二十一日 庚戌; 小雪、豊川稲荷秋季大祭
紅葉に雪の朝
今 日は二十四気の小雪。太陽の黄経は240°になり、いよいよ冬の気配が忍び寄ってくる。北国では里山にも初冠雪を見る頃ではある。
小雪は「しょうせつ」と読むのが正式だが、この字を見ると何となく「こゆき」と読みたくなる。晩秋の気配を漂わせて、山のほうから思わずしてちらちら飛んでくる風花を連想すれば、やはり「ショーセツ」ではなく「こゆき」だなぁ。
因みに風花は「フウカ」でも、「かぜはな」でもなく「かざはな」と読まねばならない。

漢 字も読みようで大いにイメージが変わる。日本人は元来言葉にそういうナィーブさを持っていることが、古来の美風であり大きな取柄だと思っていた。何しろ ことだま の宿る国である・・・・筈であった。然し、釈迦楽教授もお書きになっているように、その日本語に最もセンシティブであるべき我国営放送が、あろうことか スキウタ である。

こ の言葉だか符牒だかを初めて耳にしたときは、何のことか分からなかった。そしたら、今年から、この放送局の年末の大行事である歌謡大会で唄われる歌を公募するというのだ。「皆さんの好きな歌を寄せてください」というので、「好きな歌」がスキウタなんだそうだ。何と云う事か!

このおぞましくも貧困な言語感覚には情けなくてアホらしくて涙が出た。本来放送局や新聞・雑誌は、日本語という体系の改革者であるとともに守護者でもあった筈だ。少なくとも人気取りのために、脳の弱い若年層に迎合して意味不明の符牒を活字にしたり、電波に乗せて喧伝するなど、文化と公論の媒介者としての矜持にもとる行為であるはずだ。若しBBCがこんな類の言葉を電波に乗せたら、英国国民は怒り心頭、それこそ暴動騒ぎになり、BBCは焼き討ちでもされるんじゃないか。

諸兄姉、この一点だけでも料金不払いの充分な根拠になりますぞ。
秋の欅

こ のところ、家の近所の欅が急に黄葉を始めた。
欅は楡科の落葉高木で、樹高は時に30m以上に及ぶ。欅の語源は「けやけき木」である。「けやけし」とは「際立っている」、「素晴らしい」という意味の古い和語である。
我が家から駅に向かう道すがら、眼前に聳える欅の大樹は30mとは云わぬまでも20m超の高さは有るだろう。春には萌黄色の若葉を存分に噴き出させ、夏は入道雲を背景に清々と緑を繁らせていた。それが今や黄葉の盛りを迎えつつある。
欅は樹冠から順に黄葉する。夏の名残の緑とそれを縁取る黄色の織り成すグラデーションは、秋晴れの青空に映えていかにも美しい。やがて下の方の葉まで黄葉し尽くすと、今度は葉の色は樹冠から赤茶色に変わる。そして辺り一面に落ち葉の吹雪を作り出す。そうするともう冬である。

欅 は関東地方から北にかけて生育する木で、我住処の所沢では方々に街路樹として植えられてもいる。成長した欅並木は、道路を覆い隠すように夏は緑のトンネルを作る。近郊の農家に行くと、時代を感じさせる立派な樹相の欅が聳えていて、景観保護のための保存木に指定されていたりする。
東京を郷里とする亡父が好きであった。僕自身も大好きな木である。あのはるかな高みの枝に腰掛けて見渡せば、ひょっとしたら今も昔ながらの武蔵野の光景が広がって見えるのかもしれない。そんな気持ちになるのだ。





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最終更新日  2005.11.22 19:23:31
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