鬼ムスメの目にも涙 ―介護初心者の徒然日記―

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2022.03.26
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テーマ: 在宅介護(1614)
カテゴリ: 介護
父は、ある新聞の土曜日「書評」欄が大好きだった。

翻訳をしていて、いまも「やりたい仕事がある、あと1冊書きたい本がある」と言って、そのための資料となる言葉に赤ペンで線を引き、必要部分は切り取って。(8年前は「書きたい本があと3冊」だったんだけど、徐々に減って、1冊)


土曜日。

襖の向こうから、ガサガサ新聞をめくる音が聞こえない。

襖を開けると、いつもそこには、じーさん(父)がいた。

いまもいるような気がするけれど。
いない。



じーさんがガサガサ広げている新聞を邪魔そうに、横を通り過ぎていた私。それがきょうは、できない。
私はダイニングテーブルに座り、楽しみにしている朝ドラの再放送を見ながら、少し離れた場所で、父が新聞を読み、ご飯のあとの珈琲とチーズをたしなんでいる。せめて一緒にいられる時間を、とこの時間を私も一応、大切にしていた(つもり)。その時間が、きょうは、ない。いや、意識が戻ることはないと言われているので、もう、もう、やって来ない…かも…しれない…。



生きていてくれるだけで、有り難い。
生きていてくれて、ありがとう。
ありがとう。


後悔を感謝に換えたい…。
…なかなかできないけれど。

後悔は、深い。





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最終更新日  2022.03.27 21:38:02


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