まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2022.01.20
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フジテレビのドクターホワイト。

医療ドラマの体裁ではあるものの、
実際には「恋つづ」や「わたどう」と同じく若年層向けの作品。
原作者は「金田一少年の事件簿」を書いた樹林伸です。

主人公の浜辺美波は、
天才的な推理で問題を解決していく役どころなので、
一昨年の「アリバイ崩し」や「タリオ」などと変わらない。
要するに、名探偵コナンくんみたいな話なのです。

こういう荒唐無稽な勧善懲悪ストーリーは、



たとえば、
「仮面ライダー」と「水戸黄門」は、
正義の味方が悪者をやっつける点で同じ構造をしてるし、
たとえば「名探偵コナン」くんは、
テレ朝の「科捜研」や「ドクターX」と同じように、
天才的な主人公が社会の難問を解決していく物語だからです。



今回の「ドクターホワイト」が、
若年層にも高齢層にも受け入れられるドラマになるのか、
それともターゲットを絞りきれないまま失速することになるか、
そこが今後の注目点になるのでしょう。

ちなみに、浜辺美波と柄本佑は、

その一連の流れの中で、このドラマは作られている。





TBS の「恋つづ」も、日テレの「わたどう」も、
お世辞にも脚本のレベルが高かったとは言えないし、
それはテレ朝の「科捜研」や「捜査一課」についても言える。


フジの医療ドラマということで注目したものの、
やはり結果は同じで、脚本はごくお粗末なものでしかない。
そのことは、多くの視聴者に初回から見抜かれていて、
企画の薄さと浅はかさが誰の目にも見え透いています。

これは、
たぶん制作局の問題というより、東宝の問題なのでしょうね。
東宝が関わるドラマは、
テレビであれ、映画であれ、総じて脚本の水準が低い。
これは構造的な問題だといえる。

もちろん、それでも、
一定の視聴率や興収が確保できれば結果オーライなのだけど(笑)、

せっかくの機会なので、
ここで東宝が抱える構造的な問題を考えておきたいと思います。







東宝映画のなかでも、
きわめて高い評価を得ている作品があります。
たとえば宮崎駿、庵野秀明、新海誠、是枝裕和などの作品です。

これらの多くは、
演出家が脚本を兼任した、ごく作家主義的な作品であり、
もっと言えば、
ジブリや ufotable のような外部プロダクションに委託した作品です。

その場合、
東宝は資金面と配給面で協力しているにすぎず、
コンテンツの中身にはほとんど関与していない。

実際、
優秀な作家やプロダクションに委ねる場合は、
とことん丸投げした方がいいし、余計な介入はしない方がいいのですね。



しかし、
自社によるプログラムピクチャーや、
ごく一般の制作会社との連携の場合は、そうではありません。

凡庸な作家に脚本を丸投げしてしまったら、
低次元な作品にしかならないのは目に見えています。
その場合は、
むしろ東宝側のチームで脚本制作をサポートすべきですが、
残念ながら、そのような仕組みや能力は見当たりません。

したがって、
東宝のプログラムピクチャーには、ほとんど見るべきものがありません。

本来なら、
若くて優秀なライターの卵を自社で募って、
脚本制作のサポートチームを作るべきだし、
それができれば、
プログラムピクチャーの質も全体的に底上げされるだろうし、
連携する制作会社との関係にも良い影響を与えるだろうし、

いずれは、チームの中から、
優秀な次世代の脚本家が独り立ちするかもしれないのですが、

そうした意欲もあまり見えてこない。



優れた脚本を書ける人はごく一握りです。

たんにシナリオが作れるというだけでなく、
広範な知識と経験、取材能力と考証能力が必要だからです。
それらを個人で出来る人はごく限られているし、
ほとんどの職業ライターは、そうした能力をもっていません。

しかし、
そうはいっても、脚本は作品の根幹なのだし、
どんなに優れた演出家や素晴らしい俳優たちを揃えても、
脚本が悪ければ、絶対に優れた作品にはなりえない。

なぜ東宝は、
低次元な脚本で駄作を量産し続ける悪循環に自足していられるのか。
この状況を断ち切らなければ、
とても国際市場を視野に入れることなど出来ないはずです。

各局と連携できるテレビドラマは、
さまざまな可能性を試みることのできる機会なのだから、
そこでこそ、優れたコンテンツを作るノウハウを磨くべきだし、
それが、ひいては映画制作にも活かされるはずです。

この機会に、
もうちょっとマシなコンテンツ産業を目指してもらいたいと思います。


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最終更新日  2024.06.17 16:45:42


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