まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2023.03.24
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カテゴリ: ドラマレビュー!
読売テレビ「しょうもない僕らの恋愛論」 が終了。

ほとんどの視聴者は、
拓郎と絵里が結ばれるとか、
くるみと悠が結ばれるとか、
そういう結末を予想したと思うけど、

…ぜんぜん違いました。

かといって、
絵里は古舘の息子と結ばれるわけでもなく…。

わたしは見ていませんが、

そこでは、どうやら、
くるみと悠が結ばれ、
絵里と古舘の息子が結ばれる、
…みたいな方向に展開してるらしい。


高校生の男女があんなにいつも一緒にいるのに、
ぜんぜん異性として意識してないってのが、
さすがにちょっと不自然ではありました。


そのHuluの「10.5話」を見るかどうかは、
視聴者がそういう結末を望むかどうかでもあり、
有料コンテンツへの誘導という面もあると思うけど、

わたしとしては、
地上波をあえて未完に終わらせたことの意義を感じました。



前回までの絵理は、

ずいぶんと拓郎に無理難題を要求していて、

くるみ (あるいは安奈?) への嫉妬も相俟ったのか、
拓郎の想いが自分へ向いてないことに苛立ち、
結局は、自分で身を引いてしまったように見える。






高校卒業から数年経っても、
ずっと拓郎への一途な想いが変わらず、

もう成人してもいるので、
そのままいけば結ばれそうな雰囲気だったし、
わたしもそういう結末で納得しかけたけど、

…結局は、こちらも結ばれずに終わりました。

拓朗は、
最後まで安奈が好きだったわけですね。
しかし、いったんは絵理の想いを受け入れました。
ただし、くるみの想いは最後まで受け入れなかった。
そこには、やはり年齢の問題があったと思う。



悠がくるみに言ったセリフに、
「まともな恋愛をしろ」 という一言があったけど、
拓郎もまさに、その分別にしたがって、
絵理との恋愛は受け入れる一方、
くるみとの年の差恋愛は避けたように見えます。



つまり、
絵理との恋愛は「まともな恋愛」だけれど、
くるみとの恋愛は「まともじゃない恋愛」ってこと。
そういう年齢的な自制をかけていたのですね。

しかし、「まともな恋愛」っていったい何でしょう??



ドラマを見ている視聴者は、
「お似合いの男女」が結ばれることを無意識に望むし、
それにしたがって、
拓郎と絵理が結ばれるとか、くるみと悠が結ばれるとか、
そういうことを望みます。
その視聴者の願望に沿うのがドラマの予定調和でもある。

現実においても、
「誰と誰はお似合い」だとか、
「誰と誰はくっつくべきじゃない」とか、
外野の人間が、当人の気持ちとは無関係に、
「あるべき恋愛」や「まともな恋愛」について、
好き勝手なことを言いがちです。

つまり、
何が「まともな恋愛」なのかを、
当事者ではなく、世間が決めてしまうのよね。

親や友人でさえ、
当人の気持ちを無視して、
勝手な助言で恋愛の邪魔をするものだし、
しまいには当人も周囲の考えに左右されてしまいます。
恋愛ドラマも、その観念に沿って作られることが多い。

でも、
何が「まともな恋愛」かなんて、
本来なら他人が決めることじゃないし、
誰と誰が「お似合い」とか「お似合いじゃない」とか、
はっきりいって余計なお世話なのよね。



…まともな恋愛とは、いったい何なのか。

それこそ、
矢田亜希子が押尾学と結婚したときには、
わたしも正直「どうなんだろう?」と思ったし、
その結婚が破綻したときには、
「ほら言わんこっちゃない」と思ったけど…

今だったら、そういうことは考えない。

だって、
そんなことは当人の気持ちの問題だし。
結果的にそれが破綻するとしても、
外野がとやかく言うべき話ではない。

たとえお似合いの男女でも、破綻するときは破綻するし、
たとえ不釣り合いな男女でも、上手くいくときは上手くいく。

恋愛において、
何が「まともな恋愛」だとか、
誰と誰が「お似合い」とか「お似合いじゃない」とか、
そんなことは他人や世間が決める話じゃないし、
それは年の差恋愛についても言える。



ドラマの設定だと、
くるみが17才のときに拓郎が41才で、
くるみが20才になると拓郎は44才で、
くるみが25才になると拓郎は49才です。

もちろん、
年齢の差は埋まらないけれど、
徐々に恋愛の許容量は増す気もする。
あとは当事者の気持ちが持続するのかどうかの問題。

地上波の物語をあえて未完にしたのは、
そういう含みをもたせる意味もあったように感じます。

ちなみに、このドラマは、
原作者が男性で、脚本家はほぼ女性。
演出家は、2人が男性で1人が女性。
とくに松本花奈は、弱冠25才の若い演出家ですね。

おそらく制作陣のあいだでも、
年齢や性別によって、
物語の見方や考え方が違うだろうし、
そこもちょっと興味深いところではあった。







余談ですが、
三角テーブルって、何の伏線でもなかったのね(笑)。
てっきり3人が疑似家族になるのだろうと読み違えました。

さらに、漫画家のワカタマコは、
「ワカタ・マコ」なのか、
「ワカ・タマコ」なのか分からなかったけど、
そもそも女性じゃなくてキム兄だったというオチ!



なお、
このドラマは神保町を舞台にしていて、
神保町シアターがたびたび出てきました。
絵里と悠は、マキノ正博の「鴛鴦歌合戦」を観てました。

オープニングのテーマ曲も、
なにやら小津安二郎っぽい雰囲気があって、
もしかしたら制作陣のなかに映画オタクがいたのかも。

矢田亜希子って、
実際はお金持ちヤンキーみたいな人だから、
プライベートな実像と、演じるキャラに乖離があるけれど、
昔から、小津映画の原節子みたいに、
良家のお嬢様的な役を演じてきた面があって、

今回も、
強気なキャリアウーマンなのに、片思いをつづける映画オタク…
という、いまひとつ分かりにくいキャラを演じてました。

古館の息子くんも、
本業はミュージシャンなのだと思うけど、
ショボめの役でもぜんぜん選り好みしないのですね。

古舘佑太郎が作ったadieu「愛って」。 「ナラタージュ」にも出てたので、萌歌とは何かと縁がある。





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最終更新日  2023.03.28 11:31:27


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