まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2024.12.02
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缶コーヒー壺装束の日向ぼこ 足袋重ね自製みそ汁暖を取る 敵役と輪になりすする粕汁や チャルメラの湯気立つ夜空降る笑顔 江戸を出て髷でコーヒー時雨傘 冴ゆる夜や野の石拾う老殺陣師 冬の暮子役がくれるガム硬し 冬の雨もうロケバスを出たくない
11月28日のプレバト俳句。
お題は「撮影の休憩」。




野村麻純。
缶コーヒー 壺装束の日向ぼこ


壺装束は、
大河「光る君へ」のさわさんが、
石山詣のシーンで着てました。

短大で俳句・短歌を学んだだけあり、
前回に続いて才能アリの1位。




清水アナ。
冬の雨 もうロケバスを出たくない


これは率直な口語表現の勝利かな。
冷たい雨に濡れながらのロケだったのね。





千原ジュニア。
冬の暮 子役がくれるガム硬し


寒さが身に沁みるなか、
元気な子供の姿が健気ですね。

助詞は「が」より「の」のほうが文語っぽいかな、
…って気もするけど、
文語で「が」を使うのが間違いなわけじゃない。


「呉れる」の連体形は「呉るる」と書くべきですね。
冬の暮 子役の呉るるガム硬し

文語表現が厳密に古語であるべきかは分かりませんが。



的場浩司。
冴ゆる夜や 野の石拾う老殺陣師


老殺陣師は何のために石を拾うのか?


珍しい石を集めてると解釈できなくもない。

作者の言うとおり、
演技の足場を整えるためなら、
冴ゆる夜や 野の石を除 く老殺陣師

と書くほうが明瞭かもしれません。



松下由樹。
足袋重ね自製みそ汁 暖を取る
ジャーにみそ汁 足袋重ね履くロケ現場
(添削後)

季語は「足袋」で冬。

作者の話を聞くに、
京都の太秦の場面だろうと思うけど、
字面だけでは撮影風景とは分からない。
下五「暖を取る」は不要な情報です。

なお、
「涼」は夏の季語「涼し」の子季語ですが、
「暖」は春の季語「暖かし」の子季語ではありません。
むしろ冬の季語「暖房」の子季語と考えるべきでは?
そうだとすれば、この句は季重なりになります。


添削句が、
上7の字余りになってるとおり、
17音に収めるのは困難な内容ですが、

あえて無理やり詰め込むならば、
重ね足袋 自前スープの楽屋裏
ぐらいが精一杯ですね。



コットン西村。
敵役 てきやく と輪になりすする粕汁や
敵役と輪になり晴れ待ちの粕汁
(添削後)

原句は、
動詞「すする」が不要だし、
下五を「や」で締める効果も疑問。

添削句は、
5・9・4の破調/字余りですが、

定型に収めるならば、
粕汁を囲む主役と敵 かたき

のようにも出来ます。



純名里沙。
チャルメラの湯気立つ夜空 降る笑顔
ラーメンの振舞い 極寒のロケ地
(添削後)

原句は、
字面だけでは撮影風景とは分からない。
ケータリングの屋台ラーメンじゃなく、
普通のチャルメラ屋の描写に見えます。

下五「降る笑顔」も意味不明ですが、
実景じゃなくて作者の心象だそうです。

なお、
室内の加湿のための「湯気立つ」は冬の季語ですが、
屋台ラーメンの湯気は加湿が目的じゃないし、
ただの「湯気」だけでは季語になりません。

一方、
添削句の「振舞い」は、
たしかに「御馳走・もてなし」の意味があるものの、
ふつうに「挙動・態度」の意味とも取れるし、
ややぎこちない表現です。

ふつうに、
ラーメンの差し入れ 極寒のロケ地

と書けばよいのでは?



石井正則。
江戸を出て髷 まげ でコーヒー 時雨傘
髷のまま珈琲飲みに出て時雨
(添削後)

原句の「江戸」は、
撮影所の時代劇空間の比喩表現だけど、
東京の旧称と誤読されますよね。

ちなみに、下五の「時雨傘」は、
《時雨に差す傘》というよりも、
《時雨に備えて持ち歩く傘》なのでしょうね。
もしかしたら、これも時代劇の小道具なのかも。

まあ、添削句が妥当だと思います。


▽過去の記事はこちら
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12



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最終更新日  2024.12.03 02:01:41


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