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「永遠。」村山由佳を読んだ。。。~生きることに無器用なひとなのね。それが私にはいとしかった―葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と、一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ―。 ~切ないけれど優しく、悲しいけれど温かい物語・・・。村山由佳さんの作品の私のイメージどおりに、少女漫画的でドラマチックで、、、。そして、読後にぼーっとする時間がほしくなる、ラストはあいまいさがあるのに、後味のいい作品。解説を読んで、この本が『卒業』という映画とのコラボレーションとして生まれ、書かれたサイドストーリーだと知った。映画が先か本が先かと言われれば、映画を見ていないので語りようもないのだが(でもあえて言うと)本が先!と感じてしまうほど、ステキなストーリー展開で、物語の場面や気持ちを自分の中で充分に広げて(想像して)おいて、映画を鑑賞したい。。。なんとなく、ボリュームがないと思うが、本だけでも映画だけでもちょっと物足りなさを感じるように、作られているのかもしれない。”離れていたってね、血のつながりは永遠だよ・・・想いは、永遠なの。一度誰かとの間に芽生えたつながりは、ずーっと消えずに続いていく。たとえ、かたちを変えて、いつか思い出の奥にしまわれてしまったとしても、かつてそのひとと心をやり取りしたっていう記憶だけは、永遠に残るのよ。そうちょうど、海の底に沈んだ宝石みたいにね。”★★★★☆
2007/02/26
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「彼女の命日」新津きよみを読んだ。。。~胸を刃物で刺されて死んだ葉子は、1年後、別の女性の身体を借りて、1日だけこの世に戻ってきた。母と妹が住む自宅へと向かった葉子を待っていたのは悲しく切ない現実だった……。とても切なく愛しい女性たちの人間模様を描いた書き下ろし長編。~突然の事件でこの世を去った彼女は、”命日・山手線内周り・居眠り”をキーワードに、精神的に不安定と思われる女性の体を借りてこの世に帰ってくる。彼女が知りたいこと気にかかることは、病気の母親、社会に適応できない妹、結婚間近だった彼そして彼女を殺した犯人・・・・。彼女自身、この世に戻ってこられるのは犯人が捕まるまでの間だけに与えられた特権(ゲーム)であると感じているが、犯人のこと以外は最初に戻ってきたときにほとんどわかってしまい、それがさみしく腹ただしくもある。しかし、現実は変えようがなく彼女自身が生き返ることもないのだ。そして、その後戻ってくるたびに前に借りた他人のその後が気になってそれを確かめたり、人生を変えてしまってはいけないと修正を試みたりすることに時間をかけてしまって、彼女がこの世に戻ってくる意味自体が薄くなっているような気がする。突然殺されてしまった彼女に同情もするが、だからと言って彼女の勝手さが許されるはずもなく、自分の存在しない世界にしがみつこうとしているようなのも気になり、悲しく切ない話なのだが、もう少し彼女に謙虚さがあってほしいなあと思ったりもする、、、。過去は彼女にとってはすべてであるけれど、現在を生きる人にとっては思い出でしかなく・・・そのさみしい現実にきづいてもなお、彼女はこの世に戻ってくるのだろうか、別の誰かの体を借りて。。。★★★☆☆
2007/02/24
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「SWITCHスイッチ」さとうさくらを読んだ。。。~26 歳にして処女のフリーター。おしゃれだけれどもなぜか恋愛は苦手な苫子。だが彼女は、首の後ろのスイッチを押すことで、イメージの中で自分や他人を消すことができるのだ――。どこかズレたアンバランスな人たちとの出会いで、彼女はどう変わるか。『日本ラブストーリー大賞』審査員絶賛賞受賞。~ いわゆる世間からは外れてしまっているフリーター。冷めた眼で世の中を見ているようだけど、実は周りと関わり合いたい、認めてほしい・・・そんな気持ちを気づかれたくはないけれど、、、。いまどきの若い人は・・・なんていわれていても、いまどきの若者たちもいろいろ考えたり悩んだり実は周りに気を遣ったりしている、明るく華やかなばかりが女の子じゃないし、無関心・無気力に見えても傷つきやすい。”ラブストーリー大賞”にノミネートされて審査員に絶賛されたという・・・私的には、ラブストーリーの範疇じゃない気がしているけれど、最近はいろんな賞のククリがあって、デビューや注目されるきっかけになっているようだ、、、。淡々と進むストーリーに自分自身を重ね合わせて、引き込まれていく。。。「悩まないのが、正しいんですかね?」「・・・正しくないと、ダメですか?」(主人公:苫子)「人が本当に手に入れるべきものは、その先にあるものじゃなく、(必死になって何かをしている)そういうときなんだと、歳を食うと思うよ。満たされないからこそ、生きる意味があるんだ。」「世の中は、自分が思うよりずっと広い。境界線は、自分が引いてるだけなんだ。」(清掃先のビルで出会う老人)「上か下か、わかんないときはぁ、上にいってることにしとけばいいんですよぉ。」「でもたぶぅん、みんなそうですよぉ、きっと。求めてるのは相手じゃなくてぇ、自分のための温もりでぇ、・・・寂しいだけなんですよぉ。」(シゴトの後輩21歳の瑠夏)「会いたい、って思われてるのって、いいよね。」(同級生:結衣)苫子は、例えば、歌とか映画とか、みんなが、同じ切なさや虚しさの感覚に共感しているはずなのに、普段生きてて、人と少しも共感できないのはどうしてなんだろうと思っていた。それが、どうしようもないヤツ(だと思う)サル男に惹かれていくうちに、その何気ない言葉や関係の中で、救われ、満たされていくようだ。何の問題の解決もしていないのに、サル男の何気ない言葉ぐらいで、ずっと鬱々としてきた苫子が救われる道理はなかった。が、苫子はそのときはじめて、自分を肯定することができた。苫子を満たしたのは、苫子に決定的に足りないはずの、お金でも地位でも名誉でも経験でもなく、この、何の根拠も意味も補償もない、だが確かな、明るく温かな気持ちだった。ちょっと、上手く出来過ぎている偶然が多いのが気になるけれど、豊かな登場人物たちと苫子の個性に惹かれて、とても面白く読める作品だ。。。★★★★☆
2007/02/19
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41回目の私の誕生日。。。ダンナからのプレゼントは腕時計でした。子どもが生まれてから外出にも腕時計を使ってなくて、最近では携帯電話で時間を見てましたが、ちょっとしたお出かけにはおしゃれに使いましょう。。。同じものはありませんでしたが、同じメーカーのこんなかわいいカジュアルなものを見つけました↓
2007/02/18
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子どもたちにはチョコレートの本(レシピ本じゃないです)を贈ることにした。食べるチョコは、あちこちからいっぱい頂くだろうし、、、。~ジェニーは、4歳の女の子。明日は、弟の誕生日です。ジェニーは、プレゼントに「こねこのチョコレート」を買いますが、その晩、おいしそうなチョコレートのことばかり考えて、眠れなくなってしまいます。長い間お話会で語られ、子どもたちに愛されてきたお話が、初めて絵本になりました。子どもたちの共感を呼ぶ、心あたたまる物語。~ 超・人気ゾロリシリーズ。。。~ポワロがまだベルギー警察の刑事だったころ、大臣の座を目前にしたフランスの有名な代議士が急死しました。死因は病死か、毒殺か?ポワロの捜査でうかびあがってきたのは、なんとチョコレートでした…。ポワロが「わたしのただひとつの失敗の事件簿」として語る、奇想天外な物語。他『二重の罪』『あなたのお庭はどんな庭?』を収録。~
2007/02/14
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「神様からひと言」荻原浩を読んだ。。。~大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや…。サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。~ありがちなストーリー設定ではあると思う。つぶされそうな、やる気もなさそうなサラリーマンが、活躍してくれる姿は、会社づとめの人たちにたくさんの元気をくれるだろう。でも、ありがちな話がありがちに終わらないのは、仕事で行き詰まったり、思いもよらない方向に向かったりするだけでなく、プライベートでの何ともいえない頼りなさ、夢見ているような”ジョン”との出会い・・・そういうエピソードが無理なく心地よく散りばめられているからかもしれない、、、。旧態依然とした会社組織、その組織の中で自分の居場所だけ確保しようとするサラリーマンたち、はいあがろうとすれば蹴落とされ、足を引っ張られ・・・・それでも本当の自分の場所・自分の大切なものを見つけられれば、その先には希望があるということだろうか。。。涼平が「会社っていったいなんでしょう」とつぶやいたときに相談室の先輩が答える・・・。おでん鍋といっしょだよ。狭いところでぐつぐつに詰まってさ、部長だ課長だ役員だ何て言ったって、しょせん鍋の中で昆布とちくわが、どっちが偉いかなんて言いあってるようなもんだ。このおでんやじゃ牛スジが一番高くて偉そうだけど、他の食い物屋へ行けば使っちゃもらえない。こんにゃくはここじゃ安物だけど、味噌田楽の店に行けばエリートだよ・・・。ちくわぶは行ってみれば専門職。天職を見つけたやつだな。よそにはいけないけれど、おでんの中では存在感を示すことができる。似ていても、ちくわはよそにも転職が可能だ。そう考えてみれば、簡単だろ。お前がこのじゃがいもだとする。おでんの中なら、ただの平社員だ。でも肉じゃがの皿の中なら共同経営者だよ。じゃがバタなら押しも押されぬ社長。社員はバターと塩だけだけれどな。”神様からのひと言”・・・それは、立ち止まることなく一歩踏み出せと言う応援なのだろう。。。★★★★☆
2007/02/04
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「福音の少年」あさのあつこを読んだ。。。~小さな地方都市で起きた、アパート全焼の火事。同級生の少女が、焼死体で発見された。それが、事件の始まりだった。それが、二人の少年を結び付けていった。 十六歳の永見明帆は、同級生の藍子とつきあっていても冷えた感情を自覚するだけ。唯一、彼が心に留める存在は藍子と同じアパートに住む彼女の幼なじみ、柏木陽だった。藍子の様子がおかしい?そう気づいたある日、母親とけんかした陽が突然泊めてくれ、と訪ねてくる。その夜半、陽のアパートが火事で全焼、藍子も焼死体で発見される。だが、それは単なる事故ではなかった。真相を探り始めた彼らに近づく、謎の存在。自分の心の奥底にある負の部分に搦め捕られそうになる、二人の少年。十代という若さにこそ存在する心の闇を昇華した、著者渾身の問題作。~主人公たちが高校の同級生なので、青春小説だと思って読み始めたのだが、どちらかと言うとミステリー。始めに登場する元新聞記者のおっさんの正体がわかればこの事件は解決か!?と思ったが、このおっさんは事件を解決するカードの一枚にすぎない。二人の少年と火事でなくなった少女の心の闇が丁寧に描かれていて、事件の真相に到達するまでのドキドキ感と共に、十代の彼らの気持ちの移ろいのようなものを、ワクワクするようなちくちくするような気持ちで読み進めていくと、すっかり物語の世界にはまって入ってしまう。ただ、これだけ丁寧に心模様を描いているのに、事件の真相は小説的で現実味に欠ける(というか、事件らしくないと言うか)ような気がした。そして、含みを持たせたラストが、もやもや感を残しすぎていると思う。少年たちの気持ちの持っていきどころがあいまいな点と、事件の終わり方をきっちりしなかったところが、物足りない。。。ところで、タイトルの「福音」の意味するところは何だろう、、、。事件を追うこと、真相にたどり着くこと・・・そして、大人へ近づくこと、それが「福音」~喜ばしい知らせ~につながるのだろうか、、、。★★★☆☆
2007/02/02
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「夕子ちゃんの近道」長嶋有を読んだ。。。~アンティーク店フラココ屋の二階で居候暮らしをはじめた「僕」。どうにも捉えどころのない彼と、のんきでしたたかな店長、大家の八木さん、その二人の孫娘、朝子ちゃんと夕子ちゃん、初代居候の瑞枝さん、相撲好きのフランソワーズら、フラココ屋周辺の面々。その繋がりは、淡彩をかさねるようにして、しだいに深まってゆく。だがやがて、めいめいがめいめい勝手に旅立つときがやってきて―。誰もが必要とする人生の一休みの時間。7つの連作短篇。 瑞枝さんの原付/夕子ちゃんの近道/幹夫さんの前カノ/朝子さんの箱/フランソワーズのフランス/僕の顔/パリの全員~ 登場人物たちには、あまり親密な関係はない。骨董やとその大屋さんに関わる人々の集まり・・・なのだが、家族のような空気が流れている。帯に”人生の春休みのような日々を描く・・・”とあるように、なんとなく一休みしている人々の日常風景。でも、その一休みは怠けたりだらけたりしているのではなく、ちょっと一息、休憩しているだけで、その緩やかな時間があるからこそ次の一歩を踏み出せるための必要な時間なのだなあと感じる。連作を読み進めていくと、登場人物たちが、ゆっくりとではあるけれど確実に一歩ずつ新しい一瞬へと、人生を進めていっているのが判る。毎日毎日、何かに(シゴトだったりその他だったり)おわれていってしまいがちな現代において、こんな”人生の春休み”的な時間はとても貴重で大切なものだなあと思う。子どもにとっての道草とちょっとにているような気がする、、、。自分は「もう」と言う感慨を抱いたことがない。「もう」と思わないのは何かの感覚が未発達か、備わっていないのか、とにかく人生において誰もが近くできるなにかを自分だけが感じることができない、置いてきぼりにされたような気がするのだ。どんな生き方をしていても突然やってきた客が法外な値段を払うような逆転が起こり、急に莫大な勝ちが与えられる可能性もあるのではないか・・・・。「それは錯覚だよ。ものは古びることで価値をまとうけれど、人はナマモノなんだから。」そのとき不意に、自分が旅をしていると思った。昨日から旅をしていたのだが、そうではなくて、もっと前、フラココ屋の二階に転がり込んだときから、旅と言うものがずっとずっと途切れずに続いているように思って、一瞬立ち止まった。★★★★☆
2007/02/01
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