2.中堅優良企業の上場準備
(2) 相続対策型公開の減少
中堅優良企業が株式公開を選択する場合は、企業としての成長力があるうちに実現させなければなりません。過去においても本来はそうであったのですが、オールドエコノミーに対する環境が厳しくなった現在の株式公開市場では、たとえ企業規模が大きく利益水準が高い企業でも、成長力を失い投資家を引き付ける魅力を失った企業は受け入れられない傾向がますます強くなっているからです。株式公開の目的の一つが相続税対策である中堅優良企業は実際には多いものと思われますが、それが主たる目的と誤解されるような発言は禁物です。
相続税の実質的な負担が、バブル経済期やその前後と比べ大幅に軽減されたことは前回でも説明しましたが、今日の中堅優良企業にとってより重要な課題は事業の再活性化のはずです。株式公開制度はそのための有効な手段となります。したがって、中堅優良企業が株式公開を具体的に検討する際には、主力取引銀行や信頼する専門家と十分な事前相談をし、自社の再活性化を目的とした長期ビジョンや中期経営計画を作成したうえで、望ましい事業継承のあり方を立案し、その一環として株式公開を実施していくのがよいでしょう。
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