A56-3. 現状と課題
非正規雇用の労働者数は平成20年度までは増加する傾向にありましたが、平成20年に起きたいわゆるリーマンショックといわれる米国の金融破綻をきっかけに、世界規模で経済状況が悪化し、我が国では非正規雇用の労働者が調整弁として大量に解雇される事態となり、平成21年度からは減少に転じました。その後再び増加傾向に戻っていますが、派遣労働者は、平成24年1月20日に厚労省が発表した集計結果によると、前年度に比較して約10.1%減少しています(厚労省による労働者派遣事業の平成22年度事業報告の集計結果)。なお、派遣労働者のうち、常用型労働者数の占める割合が増えてきているようですが、未だ54%は登録型にとどまっています。平成20年度の8時間換算の賃金を比較すると、常用型労働者は16068円であるところ、登録型は11792円とかなり低めに抑えられていることが判ります。
派遣法の改正案では、派遣労働者の生活の安定を図るために、登録型を原則禁止とする内容が盛り込まれる予定でしたが、平成24年の改正では実現しませんでした。他方、常用型といっても、短期の有期契約を繰り返す実態があったり、派遣会社との雇用契約が中途解約されるケースもみられることから、どこまで効果的な改正できるか、疑問視する声も出ているようです。
Q70. 非正規労働者の組合 2014.02.02
Q70. 非正規労働者の組合 2014.02.01
Q69. 労働組合とは 2014.01.31