派遣先から派遣を打ち切られたことを理由に、派遣元から突然解雇を言い渡されました。どのように対処したらよいでしょうか。
A62-1. 派遣先による派遣契約の解除の効力
派遣元と派遣先は、労働者派遣の期間を定めて派遣契約を締結しています(派遣法26条1項4号)。派遣先は、この期間の満了前は、派遣元が債務不履行を行ったため法律上解除が認められる場合(民法541条・543条)や、派遣元と派遣契約を締結する際に合意した解除事由が生じた場合を除き、派遣契約を一方的に解除することはできません。また、「派遣労働者の国籍、信条、性別、社会的身分、派遣労働者が労働組合の正当な行為をしたこと等を理由として」派遣契約を解除することはできません(派遣法27条)。派遣先が正当な理由なく派遣契約を解除した場合、解除は無効であり、派遣元は派遣先に対して解除の無効を主張し現状回復を請求できます。
では、派遣先が正当な理由なく派遣契約を解除した場合、派遣労働者は、派遣先や派遣元に対し、派遣先での就労を請求できるでしょうか。この点について、派遣労働者は派遣元や派遣先に対して派遣先での就労を求めることはできず、派遣元に対して平均賃金の60%以上の休業手当(労基法26条)の支払いを求めることができるだけである、という見解があります。しかし、この見解では、派遣元が派遣先に対して解除の無効を主張しない場合、派遣労働者の保護に欠け、不当な結果となりかねません。派遣労働者は、派遣先や派遣元に対し、派遣先での就労を請求でき、そのような趣旨で交渉することになると考えます。
Q70. 非正規労働者の組合 2014.02.02
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Q69. 労働組合とは 2014.01.31