行政の紛争解決機関を利用した手続きにはどのようなものがありますか。
A.
当事者同士の話し合いで解決ができそうもない場合や、話合いをすること自体がためらわれる場合には、公的な機関を通じて解決を図る必要があります。労働紛争を扱う公的な機関としては各都道府県の労働局、労働委員会、そして、裁判所があります。また労働局には労働基準監督署、雇用均等室という部署があり、これらも独自に紛争解決機関としての機能を有しています。
労働基準監督署、雇用均等室、労働局、労働委員会は行政機関であって、その紛争解決手続きには一般的に強制力はありませんが公的機関が介入して解決を図るという点で実効性はあり、また裁判所の手続きに比べ比較的簡易に手続きを取ることができますので弁護士をつけなくても個人で利用することが可能です。
行政の紛争解決機関を利用した手続きには次のものがあります。
A66-1. 労働基準監督署に対する申告
労働基準監督署(以下、「労基署」といいます)は労基法違反を監督是正する権限をもっています。そこで不当解雇、賃金不払い、サービス残業強要、休みが取れないなど、労基法に反する使用者の違法な待遇について、労働者は労基署に対し労基法違反であることを申告し是正を求めることができます。違法な労働問題に直面した個人が無料で利用できる手続きです。使用者は労基署の是正措置を重く受け止めるのが一般で、ある程度の実効性も期待できます。また悪質なケースについては労基署が使用者を刑事告発することもあります。ただし労基署の判断に強制力はなく、また労基署の法的な認定には限界がありますので、使用者が違法性の有無を争う場合、最終的には裁判所で判断してもらうしかありません。
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