A66-2. 各都道府県の労働局に設けられている個別労働紛争解決制度
近年労基法違反の紛争に限らず個々の労働者と事業主との間の労働紛争(個別労働紛争)が増加しています。これらについて裁判手続きによらないで円満解決を図れるようにと設けられた制度が「個別労働紛争解決制度」であり、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づき各都道府県の労働局に三つの無料解決援助サービスが設けられました。
(1) 総合労働相談コーナーでの相談・情報提供
労働局は、ワンストップサービスとして総合的な労働相談窓口を設けています。これは単に法令や判例を知らなかったり誤解していたりすることから労働紛争が生じていることも少なくないからです。この総合労働相談では法令や判例を案内するにとどまらず、適切な解決機関や解決方法を案内してくれます。
(2) 労働局長による助言・指導
上記労働相談窓口において労働局長による助言・指導の申出をすると、労働局長が労働条件・労働関係の紛争の問題点を指摘し、解決の方向を示唆して紛争当事者による自主的な解決を促します。
この助言・指導は、紛争当事者に対して強制力を持つものではありません。また労働者が助言・指導の申出をしたことを理由に、使用者が労働者を不利益に取り扱うことは禁止されています。
(3) 紛争調整委員会のあっせん
上記と同じく労働相談窓口に労働問題についてのあっせん申請をすることにより、労働局が労働者と使用者との話合いの場を用意し、専門の相談員が間に入って調整を行ってくれます。このあっせんについても、あっせん申請があったことを理由に使用者が労働者を不利益に扱うことは禁止されています。
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