登場人物
Aさん : 新人介護スタッフ 私立大学文学部卒。何にでも興味を持って前向きに知識を吸収するが、おっちょっこちょいで早とちり一面も。先輩にかわいがられる愛すべきキャラクター。
Bさん : (社長) コンサルティングファームを経て介護事業を立ち上げた変わり種。既成概念に囚われないやり方で事業所運営を成功させる一方で、スタッフに対しては細かい気配りを欠かさない。
Cさん : 福祉大学卒。おっとりとした性格だが、芯は強い。明るい性格で利用者からの人気も高く、上司の信頼も厚い。女性中心の職場で出会いがないのが悩み。
Dさん : 看護専門学校卒。人妻、子持ち。子供が小学校に入ったので、地元の特養で働き始めた。非常に気の付く性格で頼りになるが、時にキツイ言い方でセンター長をビビらせる。
Aさん : Dさんって、担当の方の最後を看取ったことってありますか?
Dさん : あるわよ。前の職場は病院付属の訪問看護ステーションだったからね。でも、介護の仕事に就いている以上、あなたもどこかで経験することになるわよ。介護の先には必ず死があるんだから。
Aさん : どんなことをやるんですか。
Dさん : まずは家族の人に来てもらって、あと死亡宣告には医師の診断が必要だから、主治医の方にも来てもらうことになるわ。大変なのは、家族のケアね。きちんと状況を説明してあげないと。
Aさん : 苦痛が伴うときは特に大変そうですね。
Dさん : うん。早く楽にしてあげたと思ったり、別れたくないと思ったり、家族の気持ちはゆれるからね。でも介護する上で、ある意味、その人の人生の着地点を一緒に考えていく作業は必須なの。逆に言えば、だからこそやさしい介護ができるのよ。
Aさん : いまから、覚悟しておきます。
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