ウンとかスンとか mamatamの日記

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2018.02.18
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カテゴリ: 文楽
昨日は、夕方から文楽の2月東京公演の第3部に出かけました。
出かける前にテレビのスイッチを入れたら、偶然オリンピック男子フィギュアスケートのフリーの試合が行われているところでした。
あちこち動きながらのテレビ観戦でしたが、羽生選手と宇野選手の演技は前に座ってしっかり見ました。
羽生選手、後半疲れが出たのか少し危ういジャンプがありましたが、転倒も手を突くこともなく、しっかり滑りきり、本人も満足そうで、点数を見た時はさすがと思いました。
宇野選手は、逆に最初のジャンプが失敗で、やはり若いし、オリンピックの重圧に耐えきれないのかなと思ったらそのあとのジャンプを見事に成功させて、それからは一気呵成、あの若さであのメンタルの強さはただモノではありませんね。
ショートの失敗が響いて表彰台には上がれませんでしたが、ネイサンチェン選手のフリーもすごかったですよね。
男子FSの得点を見てみると、技術点に限って言えば羽生選手はトップ3に入らないという驚愕。
ネイサンチェン選手はもとより宇野選手も技術点では羽生選手より上だというのです。
平昌以降の男子フィギュア界、どんどん変わっていきそうですね。


初演の評判がいまいちでそれ以後上演が絶えていたのを、明治になって坪内逍遥が取り上げ、歌舞伎で再演されて大絶賛されたという作品です。
文楽での再演は戦後になってからだったそうですが、何度も映画化もテレビドラマ化もされているので、粗筋はご存知の方が多いと思います。
でも、一応ご紹介させてください。

野崎参りの人でにぎわう参道の茶店で油屋、豊島(てしま)屋の内儀お吉が娘とともに休んでいると、同じ町内の油屋河内屋の息子与兵衛が、悪そうな仲間と一緒に現れます。
自分が誘っても来なかった馴染みの女郎が、別のお客の供で野崎参りに来ると聞き、メンツが立たないと、待ち伏せしに来たのです。
放蕩放題の与兵衛に、お吉は、両親にあまり苦労を掛けないようにと説教をし、娘を連れてお詣りに行きます。
そこへ会津のお大尽に連れられた女郎たちがやってきて、3人はお大尽と喧嘩になり、通りかかった代参の武士の衣服に泥水がかかってしまいます。
仲間も女郎、お大尽も逃げ出し、与兵衛一人が取り押さえられます。
一行の中にいた伯父の山本森右衛門に手打ちにすると言われ、与兵衛は悲鳴を上げて平謝りの命乞い。
流血沙汰は参詣の穢れになるとの言葉でとりあえず難を逃れた与兵衛は、戻ってきたお吉に助けを乞い、お吉も着物を洗ってやったりと世話をしますが、夫七左衛門に叱られ、与兵衛は置き去り、何とか大阪に戻ります。
その少し後、大阪の河内屋に与兵衛の兄太兵衛が訪れて、継父の徳兵衛に、与兵衛の野崎参りでの一件が原因で森右衛門が浪人したと告げ、継子だからと遠慮しないで与兵衛を勘当したほうがいいと言って帰ります。

たまりかねて継父の徳兵衛はとうとう与兵衛を勘当します。
その数日後の端午の節句、豊島屋でお吉が娘たちの世話をしていると櫛の歯が欠けてしまいます。
集金から戻った主の七左衛門が金を棚に収め、再び出かける前に立ったまま冷酒を飲むのを野辺送りの酒でもあるまいしとお吉が叱ります。
この後に起きる事件を暗示して観客は不穏な空気を感じます。
七左衛門が出かけたのを門口で確かめた与兵衛が豊島屋に入ろうとすると、継父の徳兵衛の提灯が見え、与兵衛は物陰に隠れます。

二人とも与兵衛を見捨てることができないのです。
二人が去るのを見て与兵衛が入ってきて、今のやり取りを見て、涙が出たと告げます。
お吉が二人の置いていった銭を差し出すと、この日が返済の期限の借金のある与兵衛は、これでは足りないので豊島屋の集金した金を貸してくれと頼みますが、お吉は主人の留守に金は貸せないと断ります。
それなら油を貸してくれと頼まれ、お吉が油を桶に汲んでいると、と、与兵衛は背後から与兵衛が切り付けようとし、油に映った刃の光を見たお吉が、逃げながらお金はあげるから助けてというのを無慈悲にも殺してしまいます。
そして、事件から35日目の逮夜の晩、七左衛門の目の前に天井から血まみれの紙が落ちてきます。
書いてあることの意味も分からず、書き手の名前も書いてないけれど、与兵衛の字だとその場の人々の意見が一致します。
与兵衛がお吉殺しの犯人に違いないとその場の人たちが言いあっているところに与兵衛が現れ、似た字を書く人間など世の中にたくさんいる、そんなものは証拠にはならないと言い、大立ち回りの挙句逃げようとしますが、門口に、事件の時与兵衛が来ていた着物を持った太兵衛と伯父の森右衛門が捕り方とともに待っていました。
犯人は与兵衛という世間の噂に心を痛めた森右衛門が、逃亡させようか、自害を進めようかと盛り場をあちこち訪ね歩いても、行く先々で行き違いになって会えないでいるうちに、とうとう検非違使に疑いをもたれてしまったのだから、もう運の尽きだというのです。
お吉を殺して奪った金、与兵衛はその金を貸してもらえたらご恩は死んでも忘れないなんて言ったくせに、結局大阪の盛り場を遊び歩くのに使っていたのです。
そして、森右衛門が着物に酒をかけると着物に朱の血潮が浮かび上がり、さすがの与兵衛も観念し、縛につくのでした。 

現代でも新聞、というより週刊誌かワイドショーでお目にかかりそうな、「あるある」事件で、与兵衛は、与太郎と名前を変えたほうが良いんじゃない?と思うほどの頭の悪さです。
今回は、そのどうにも救いようのない悪ガキの与兵衛を吉田玉男さん、ちょっと綺麗な近所の優しいオバサン(お姉さん?)のお吉を吉田和生さんが遣われました。
玉男さんは、キリっとした男前の武将を重厚に。。。という印象が強くて、このどうしようもないアホボンというか、あかんたれの与兵衛をどのように。。。?と興味津々で拝見すると、意外にもちょっと不器用そうな、どこか可愛げさえある与兵衛が舞台にいたのでした。
山場の、与兵衛がお吉を殺す場面の立ち回りは、油屋の店先で二人が必死に暴れるわけですから床は油まみれで、二人して滑りまくるのですが、これ、人間の演じる歌舞伎や映画だったらさぞ凄惨な場面に描かれるのでしょうけど、人形が演じる文楽では殺そうとする男と殺されまいと逃げる女が舞台の半分くらいを右に左につ~~~い、つ~~~いと滑っていくのが、なんだかおかしくてたまらないのです。
思わず笑いがこみあげ、でも、ここ笑う場面?とこらえていたけれど、舞台の玉男さんはなんだかとっても楽しそうに滑っているし、何よりどうも、玉男さんも笑っていらっしゃるみたいなのです。
もちろん文楽のお人形遣いですから表情を表に出すことはしないはずなのですが、そう見えて仕方ありませんでした。
和生さんのお吉は、本当にお隣の奥さんという感じ。 綺麗で優しくて、さっぱりした気性の、良い奥さん。
アホボンの与兵衛に優しくするのも、老いた両親に同情し、アホボンにも温かい気持ちを持っているからなんだろうと感じられます。
これ、和生さんのお人柄かもしれません。
今回は与兵衛の妹おかちを吉田簑助さんが遣われました。
病人の役で、あまり動くこともなく、筋の中で大きな役ではないのですが、簑助さんのおかちは15歳の小娘なのに無存在感たっぷり。
ちょっとした肩の動きや、手ぶりなど、普通なら動かないところでお人形が何かを伝えて来るような気がするので筋に関係がなくても思わず目を向けてしまいます。
本当にすごい人だなあって思います。
豊島屋油店の段で、与兵衛がお吉に心を入れ替えるというようなことを言うのですが、これが本気か口だけか、答えは太夫の語り口にあるはずと解説に書いてあったので、呂太夫さんの重厚な義太夫を一生懸命聞きましたが、少なくとも、今は本気で言ってるという語りに聞こえました。
だけどやっぱりアホボンなので、のど元過ぎてもその思いを熱いまま持っていることができなかったのでしょう。 
呂太夫さんのおさえたというか、理性的な語り口は、この熱い、厚い一幕を一歩引いてまとめるような不思議な魅力があり、引き付けられました。
次の豊島屋逮夜の段は、対照的な呂勢太夫さんの語りでした。
やや高い声音、張りのある、しっかり押し出すような語りは、わたしの耳にはとても心地よく響きました。相方の宗助さんの(わたしにはまるでロックのように聞こえる)三味線も、とても力強く、短いけれど緊迫感あふれるこの一幕を楽しませてくれました。

とても力の入った舞台で、思わずご紹介も長くなってしまいましたが、もっとちゃんとしたご紹介を読みたい方は​ ​​​国立劇場のHP ​をどうぞご覧になってみてください。
綺麗なお写真付きです。
ただ、リンクがうまく貼れません。
あとでもう一度トライしてみますが、ご覧になりたい方は
http://www.ntj.jac.go.jp/topics/kokuritsu/29/2127.html
をコピペしてサイトに跳んでください。





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最終更新日  2018.02.18 22:49:44
コメント(11) | コメントを書く


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Re:文楽東京2月公演 第3部(02/18)  
じぇりねこ  さん
こんばんは♪
おぉ!
昨日も文楽に行かれたんですね(*'▽')
前回は1部2部とご覧になられて
今回は3部だったんですね(*^▽^*)

文楽と人形浄瑠璃とどう違うんだろう???って思って調べちゃいました( *´艸`)
同じで同じでは無い???
大阪の人に言わせれば別ものらしいんですが
良く分からなかったです( ̄▽ ̄;)
文楽って日本の文化ですよね♪
楽しまれてリフレッシュですね♡

住吉のイタリアン!お料理美味しそうだった~ヾ(≧▽≦)ノ
イカ!息子ちゃんは食べたんですね♪
美味しいってことよね( *´艸`)
和菓子のケーキもビックリΣ(・ω・ノ)ノ!
凄いね!!
和菓子のケーキはなじめて見ました(*´▽`*)




(2018.02.19 00:17:58)

Re:文楽東京2月公演 第3部(02/18)  
naomin0203  さん
すごいストリーです!!!
でも現代にもありそうな、そんな物語ですね。

そういうどうしようもない子を持った親は、どうすればよいのでしょう?
親の育て方が悪かったと言ってはそれまでですが、世間にはどうしようもない因子を持って生れてくる子がいるのも確かなこと。

池田小事件なども、そんな気がしてしまうのです。


いつも豪快な武士を演じられているイメージの玉男さんが悪がきを演じ、コミカルな動きを楽しまれている。
素敵!!


(2018.02.19 05:24:57)

Re:文楽東京2月公演 第3部(02/18)  
meron1104  さん
私も見入りましたよ。
気づいたらウルウルしていました。
ホント、感動的な演技でしたね。
ワンツーフィニッシュなんて最高ですね^^
(2018.02.19 05:26:46)

Re:文楽東京2月公演 第3部(02/18)  
>舞台の半分くらいを右に左につ~~~い、つ~~~いと滑っていくのが、なんだかおかしくてたまらないのです。
●まるでローラースケート履いてるみたいに? このシーンは人間より人形のほうがリアル(笑)に演じる(笑)ことができるでしょうね ^^^)

>次の豊島屋逮夜の段は、対照的な呂勢太夫さんの語りでした。
●一話の中で語りが替わるんですか? それは知りませんでした。

(2018.02.19 07:05:41)

Re:文楽東京2月公演 第3部(02/18)  
Photo USM  さん
おはようございます(USM)

一度老け込んでしまうと、
あわててエステサロンへ通っても、
並大抵の事では元の姿に戻りませんね。

(2018.02.19 08:17:49)

Re:文楽東京2月公演 第3部(02/18)  
スケートは感激でしたね。テレビに くぎ付けでした。
良く頑張りました。

文楽は良いですね・・・見たくなります。
いつの世も・・・あらすじは同じなのかしら・・・ね
衣装も楽しみでしょうね。mamatamさんは素敵な趣味ですね。
楽しんで下さい。
(2018.02.19 10:22:36)

Re:文楽東京2月公演 第3部(02/18)  
●2/19 ぽち×2、コメントありがとうございます m(...)m
(2018.02.19 13:06:53)

Re:文楽東京2月公演 第3部(02/18)  
Wakko さん
いや〜本当に素晴らしい感想!
何度も観ていたはずの舞台がよりリアルに浮かび楽しく読ませて頂きました。
三味線をロック🎶という受け止め方、私も同感です😆

また、ご一緒に鑑賞できる日をたのしみにしています。 (2018.02.19 13:07:57)

Re:文楽東京2月公演 第3部(02/18)  
●2/19 本日2回目のぽち×2、コメントありがとうございます m(...)m
(2018.02.19 18:36:44)

Re:文楽東京2月公演 第3部(02/18)  
女殺油地獄
なんかタイトルが、成人向けの映画みたいですね。
(2018.02.19 21:31:25)

Re:文楽東京2月公演 第3部(02/18)  
投資部長  さん
三部完全制覇、流石ですね。
わたしは財力も体力もなく結局二部のみに終わってしまいました(>_<) (2018.02.20 21:34:16)

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