ウンとかスンとか mamatamの日記

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2023.02.11
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カテゴリ: 文楽
今日は暖かくて良いお天気でした。
あの寒かった昨日の翌日だなんて思えないくらいでしたよ。
そんな中、文楽を見てきました。 令和5年2月公演第一部「心中天網島」、遊女紀伊國屋小春と紙屋治兵衛との心中を題材にした近松門左衛門の名作です。
あらすじは恐らく皆様ご存知でしょうけれど。 治兵衛は28歳、妻子ある身で遊女小春となじみになりますが、小春の抱え主から会うことも手紙も禁じられ、次に会えた時は心中すると約束しています。
そんなある日、小春は侍に呼ばれて河庄という茶屋に行きます。その噂を聞きつけた治兵衛がやって来て、格子窓から座敷をのぞくと、小春が侍に本当は死にたくないので、なんとか力を貸してほしいと相談しているのが聞こえます。
小春に腹を立て逆上する治兵衛。しかしこの侍の正体は治兵衛の兄の粉屋孫右衛門で、兄の説得もあり、治兵衛は心中をやめ、小春とも別れることを決めて、これまでに交わした起請文をお互いに焼くことにします。
こうして家に戻った治兵衛でしたが、小春が嫌っていたはずの恋敵の太兵衛に身請けされると聞き、小春に騙され、太兵衛にコケにされ、世間の笑い者にされると悔し涙にくれます。
その話を聞いた女房のおさんは、小春に手紙を書いて夫と心中しないでほしい、夫を死なさないで欲しいと頼んだこと、小春は、頼みを受け入れるが、太兵衛とは添わない、添うくらいなら死ぬと返事を寄越していたことを打ち明け、 小春を死なさないでほしいと、家中の金をかき集め、不足分の足しにと箪笥の中のありったけの着物を風呂敷に包んで治兵衛に渡します。
治兵衛はおさんと別れるつもりはないものの、小春の身請け話を阻止するために出かけようと身支度を整えます。
そこに訪れたのはおさんの父親です。治兵衛の格好と、娘に持たせた嫁入り支度がそっくり入った風呂敷包みを見て、治兵衛の改心は見せかけと断じ、嫁入り支度を取り返し、おさんを連れ帰ってしまいます。
絶望した治兵衛は心中を決心して茶屋大和屋で小春と密会、深夜、茶屋の外で落ち合った2人は、明け方、網島の大長寺へたどりつきます。
おさんへのせめてもの義理立てとして別々の場所で死のうと、小春を治兵衛が殺し、治兵衛は水門で首を括りました。
今日の公演では、幕が開くと最初の段の太夫さんは豊竹睦大夫(とよたけむつみだゆう)さんでした。 実はこの方、亡くなったブロ友のwakkoさんのお気に入りで、それでわたしはもう胸がいっぱいになってしまいました。
治兵衛を遣ったのは吉田玉男さんで、この方もwakkoさんが大変応援していらした方です。 勇壮な武将を遣うことも多いのですが、今公演の治兵衛は金持ちの優男です。
以前見た時には、そのダメンズっぷりばかりが気になりましたが、今回玉男さんの治兵衛には上方の「エエトコのぼん」「若だんな」の いいところとダメなところ、格好の良さと情けなさといった表と裏、明と暗が丸ごと全部自然に表現されていて、じれったさと愛おしさが同時に湧き出てくるような、 そんな気がしました。
次の段は、わたしのイチオシの切り場語り(落語で言ったら真打みたいな?)竹本千歳大夫(たけもとちとせだゆう)さん。このところなかなか拝見する機会に恵まれず、久しぶりに拝見する舞台でした。 今回も素晴らしい語りを聞かせてもらいました。 特に、治兵衛の兄粉屋孫右衛門が、小春の心変わりの真の理由は治兵衛の女房おさんの頼みだったと知り、それを治兵衛には知らせまいと誤魔化すために大笑いをする場面では、笑っていながら心の中では泣いていることがはっきりと伝わる語りが本当に素晴らしくて、なんだか鳥肌が立ちました。 頂点を極めたとも言える千歳大夫さんですが、進化を続けておられることを感じ、弛まぬ努力があってのことと感動しました。
1人で出かけていたので、その感動を分かち会える人がいなかったのがちょっとだけ残念だった、でも大満足の文楽鑑賞でした。





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最終更新日  2023.02.12 19:02:18
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