ウンとかスンとか mamatamの日記

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2025.06.01
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テーマ: 伝統芸能(52)
カテゴリ: 文楽
今日から6月です。
昨日で風邪を克服する予定だったのですが、熱が36.5℃より下がりません。かんでもかんでも鼻が詰まるのは気管の炎症のせい、熱もそのせいですよね。まだ1週間経ちませんし、焦らず様子をみようと思います。
さて、今日は、5月の文楽東京公演のお話が中途半端的になっていたので書かせていただきますね。
長くなるのでちょっと置いておいたのですが、とっても感動した舞台だったし、体調も持ち直してきたので、文章にして残しておきたいと思います。
第二部の演目は、文楽三大名作の一つと言われている「義経千本桜」で、「伏見稲荷の段」、「渡海屋・大物浦の段(とかいや・おおもつのうらのだん)」、「道行初音旅」の上演でした。
伏見稲荷の段は、壇ノ浦の戦いで目覚ましい手柄を挙げた義経が、兄の将軍頼朝に謀反の疑いをかけられ、京都から西国に落ち延びようと伏見稲荷の鳥居の前に差し掛かるところからです。義経の愛妾の静御前が同行を願いますが、危険な道中に女性は同伴できないと、言い募る静を木に縛り付けて義経主従は立ち去ります。敵が静を見つけ連れ去ろうとした時、義経の家来・忠信が現れ助けます。その様子を物陰から見た義経は忠信に「源九郎義経」を名乗る事を許し、着長(きせなが🟰鎧)を与え、これからも都に留まり静を守るように言いつけて旅立っていきます。
ネタバレですが、この忠信はニセモノで白狐の化身、実は義経が法王から授かり形見として静に与えた鼓に張られているのが、この狐の親の皮でした。鼓が宮中深くに保管されていた400年の間は見ることもできなかったけれど、義経に下賜された今なら会えるのではと鼓を持つ義経の跡をつけていたのです。ここは義経千本桜の中の人気エピソードの一つなので、上演される機会が多く、わたしも2ー3度見たことがありました。
この段では、超個人的な好みで恐れ入りますが、吉田玉志さんの源義経が最高でした。キレの良い所作で若々しく、清潔感に溢れ、 情愛豊かなイケメン 義経、玉志さんの義経は確か2度目ですが、今日は前回よりも素敵で、玉志さんを堪能しました。

次の「
義経一行は、船で九州に逃れようと大物浦(尼崎)まで来て、雨のため船宿渡海屋で足止めに遭っています。そこに鎌倉方の侍が乗り込んできて義経一行が借りるはずの船を横取りしようとします。主人の渡海屋銀平が侍を追い払うと奥から義経が出てきて、なるべく早く出発したいと言い、銀平も天候の回復を請け合って出発を勧め、一行は出て行きます。
ところがこれは銀平が手下を使い、義経一行を船に乗せるために打った芝居でした。
銀平は実は壇ノ浦で討たれたはずの平知盛、女房は安徳天皇の乳母で、娘の安はなんと安徳天皇だったのです。安徳天皇は女性だったという、びっくり設定。
知盛は義経一行の正体を察し、殺すつもりでしたが、その後で銀平、女房、お安の正体がバレて鎌倉に追われないように、海で死んだ知盛の怨霊が義経を殺したと見せかけて沖で襲うつもりだったのです。
けれど義経一行もそれと察して備えており、知盛勢は討ち果たされてしまいます。それを知った乳母が帝と共に海に身を投げようとした時、義経が2人を抱き止めます。
そこに満身創痍の知盛が現れ、義経に切り掛かります。義経は帝は自分が守ると言い、弁慶は知盛に出家を勧めますが、知盛は耳を貸しません。しかし、義経に抱かれた帝に自分を救った義経を恨んではならないと止められます。それを聞いた乳母は義経に帝を託し、自分は邪魔にならないよう海に身を投げます。知盛は、これまで起きたすべてのことは父清盛が孫を帝にしたい欲のために姫宮を男君と偽って天道を欺いた報いだったと嘆くのでした。そして帝を義経に託し、義経を襲ったのは知盛の幽霊だと伝えるように言い残し、大きな碇を担いで海に沈んでいきました。
この段では、吉田玉男さんの違う知盛が素晴らしい迫力でした。舞台で動いているのが人形とはとても思えません。義経に敗れ、帝を義経に託すしかない不運を嘆いて海に身を沈める、そんな最期なのにとにかく強くて問答無用にカッコいい。それ以外の形容のしようがないのです。吉田玉男さんがそう思わせちゃうのです。もう降参でした。
ここの最後の件、切(きり)を語ったのは竹本錣大夫(たけもとしころだゆう)さん、三味線は竹澤宗助さん。錣太夫さんの情感あふれる義太夫と、語るかと思えば畳み掛け迫ってくる、まるでロックのような宗助さんの三味線、すごい迫力でした。久しぶりに宗助さんのロックな三味線を聴かせてもらえて、感激しました。
「道行初音の旅」は、義経が吉野にいるとの噂を聞き、義経一行を追って吉野を目指す静と忠信(狐バージョン、もちろん静はそんなこと知りません)の道行です。
舞台は桜に飾られてピンクに染まり、床では5人ずつ並んだ太夫さん、三味線さんが薄紅の衣装で華やかです。
静を語るのは豊竹呂勢大夫さん、相方の三味線は人間国宝の鶴澤清二さんです。途中清二さんの糸が切れたようでしたが、床では何事もないかのように三味線の音が響き、義太夫が語られています。どうやら清二さんが担当するはずだった部分は他の三味線さん(おそらくお隣にいらした鶴澤清馗さん?)が補っていたようです。清二さんは悠々と修理?をなさり、それが終わると、また弾き始めました。
華やかな舞台が続く中、呂勢大夫さんの義太夫もとても艶やかで、よかったです。
前の段が、複雑でわかりづらかったので、賑やかな道行で気分がほぐれました。
この日も大満足の観劇となって、友人たちを誘って出かけたわたしとしては大いに面目を施しました。





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最終更新日  2025.06.01 18:09:08
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